【薬剤師解説】知って得する、ラックル速溶錠は解熱作用もある市販薬だった

「腰痛や神経痛に早く効く」とパッケージに書かれているラックル速溶錠ですが、頭が痛いときや寒気、熱があるときにも使用できることはご存じでしょうか?OTC医薬品の解熱剤の商品は数が多く、総合感冒薬に関しては成分の種類が多く記載されており、悩むことが多いことでしょう。ラックル速溶錠はアセトアミノフェンという有効成分1種類のみのOTC医薬品です。では、誰が?どんな時に?服用できるかなど解説、Q&Aで解決しましょう。

ラックル速溶錠について

腰が痛い女性

ラックル速溶錠は「飲む腰痛薬」を特長とする日本臓器製薬が発売するOTC医薬品です。口の中ですぐに溶け出す速溶錠は、湿布や塗り薬に比べ場所を選ぶことなく使用できることや、錠剤が飲み込みにくい方にも飲みやすい工夫が施されています。そのような「痛み止め」のイメージがあるラックル速溶錠は、発熱時に使用する「解熱薬」の一面もあります。その理由は、有効成分のアセトアミノフェンにあります。

ラックル速溶錠に含まれている有効成分

複数の成分が入っている総合感冒薬とは異なり、ラックル速溶錠には「アセトアミノフェン」という有効成分を1種類含有しています。

アセトアミノフェン

アセトアミノフェンは、腰痛や頭痛、生理痛などの鎮痛作用や発熱時の解熱作用があります。これは脳の体温調節を担う部分に働きかけ、体の熱を外に逃したり痛みを伝える物質を抑える作用により発熱や痛みが和らぐとされています。さらに胃の粘膜に対してほとんど影響を与えないため、胃にやさしく、空腹時でも飲むことができます。

医療現場ではカロナールとして幅広い世代に使用されている

棚の薬を選ぶ女性薬剤師3

医療現場では、アセトアミノフェンは「カロナール®」という名で知られており、皆さんも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。痛みや発熱に対してロキソプロフェン(ロキソニン®)やジクロフェナク(ボルタレン®)など非ステロイド性抗炎症薬、いわゆる「NSAIDs」と呼ばれる薬が一般的に使用されますが、カロナールも同様に頻用されています。

NSAIDsに比べカロナールは胃腸障害や腎機能障害などの副作用が少ないことから子どもや高齢者など幅広い世代に使われています。錠剤だけでなく、粉薬やシロップ、坐剤など様々な種類があり年齢や用途により使い分けることができます。坐剤では「アンヒバ®」や「パラセタ®」という名で処方される場合もあります。

薬剤師からのポイント

アセトアミノフェンはNSAIDsに比べ副作用は少ないと述べましたが、肝臓機能が悪くなるなどの報告もされています。アセトアミノフェンが配合されている薬剤は医療用医薬品、OTC医薬品ともに存在します。知らず知らずのうちに服用量が増えると安全性が高い薬剤とはいえ副作用が現れる危険性があります。病院で処方されている薬剤やOTC医薬品を服用している方は医師や薬剤師、登録販売者に相談するようお願いします。

どんな症状のときに服用すべきか

以下の症状があるときに服用してください。ただし、数日服用しても痛みや発熱が続く場合は医療機関に受診、または問い合わせをすることをおすすめします。

痛みがある時

腰を押さえる女性2

腰痛や関節痛、外傷痛、抜歯後の疼痛、生理痛など様々な痛みがあるときに服用できます。痛みの程度によってアセトアミノフェンで対処できない場合があります。その際、NSAIDsを服用するもしくは症状がひどい場合、病院へ受診するようにしてください。

発熱時・寒気がする時

熱のある女性2

発熱や寒気の症状が現れた時に服用します。熱が下がらない場合、追加で服用量を増やしたくなるかもしれませんが、必ず用法・用量を守るようにしてください。改善しない場合、病院もしくは薬局に相談しましょう。この薬を服用しても熱が下がらかったことを医師または薬剤師に伝えるようにしてください。

 

なぜ医師や薬剤師に伝えなければならないの?

病院で医師に診察してもらった後にお薬を処方することがありますが、アセトアミノフェンのような有名な解熱鎮痛剤の場合、同じ成分のお薬を服用することになる可能性があるからです。予め、医師に伝えておくことで、「同じ薬を避けて処方する」もしくは「同じ成分だが、1回または1日服用量を増やす」といった方法で対処することがあるので、症状も改善しやすくなります。よって、病院へ行く回数も減るため、余計な医療費がかからずに済むので、患者さんにとってメリットなのです。

また、薬局に伝えることも忘れないようにしましょう。薬局では、医師からの処方に応じて「お薬が重複していないか」「その患者さんに対して適切な薬の量なのか」チェックしています。予め服用していることを伝えることで、お薬の重複やその薬で改善しなかったなど意見を医師に問い合わせて確認してもらえますので、必ず薬剤師にも市販薬の服用状況を伝えましょう。

ラックル速溶錠に関するQ&A

Q.何歳から服用できますか?

 A.15歳以上の方から服用できます。

Q.服用できない人はいますか?

 A.今までアセトアミノフェンを服用してアレルギー症状を起こしたことがある方、他の解熱鎮痛薬や風邪薬を飲んでぜんそくを起こしたことがある方の服用はお控えください。

Q.誰でも服用できる?(妊娠中・授乳中も含めて)

 A. 下記に当てはまる方はお近くの医師や薬剤師、登録販売者に相談してください。

・現在医師または歯科医師の治療を受けている方

・75歳以上の高齢者の方

・妊娠または妊娠の可能性のある方

・心臓、腎臓、肝臓等に疾患をお持ちの方

・胃潰瘍や十二指腸潰瘍の診断をされたことがある方

なお、アセトアミノフェンは母乳中に出てくる可能性はわずかであり、赤ちゃんへの影響は少ない薬です。授乳中に飲んでも差し支えはありませんが、赤ちゃんの体調変化には十分注意しておきましょう。

Q.飲み忘れたけど、気付いた時に飲んでもいいの?

 A.1日3回までで、服用間隔は4時間程度あけていれば気づいた時に服用してもかまいません。空腹時でも服用できますが、かぜによる悪寒や発熱時にはなるべく空腹時を避けて服用するようにしてください。

Q.水なしでも飲めますか?

A.かみくだくか、軽く口中で溶かした後、水と一緒に服用してください。

Q.家族分備蓄したいけど何個も買っていいの?

 A.適正な使用のために必要と認められる数量(原則1人1個)を超えて購入しようとする場合は、薬剤師や登録販売者が購入理由等を確認した上で販売することとなります。

Q.薬剤師がいないと買えないのかな?

 A.ラックル速溶錠は第2類医薬品のため登録販売員もしくは薬剤師どちらかから購入になります。そのため、薬剤師が不在の場合でも購入することが可能です

Q. ECサイトなどネットで購入することはできる?

 A.インターネットや郵便での購入も可能です。ただし薬剤師や登録販売者が使用者の状況などを確認の上、販売の可否を判断することとなります。

さいごに

ラックル速溶錠は腰痛や神経痛に対する鎮痛作用だけでなく、寒気や発熱時に対する解熱作用もある市販薬です。その理由となる有効成分のアセトアミノフェンは古くから医療現場で使用されており幅広い世代にも使用できるため、万が一に備え自宅に置く薬としては良いでしょう。また、外出が難しい場合にはインターネットからも購入できます。不明な点があれば薬剤師や登録販売者に相談してみましょう。

【参考資料】

ラックル速溶錠

http://www.nippon-zoki.co.jp/products/ippan/lackle-sp/index.html

日本ペインクリニック学会

https://www.jspc.gr.jp/igakusei/igakusei_keynsaids.html

医薬品のネット販売を安心して利用するために:政府広報オンライン

https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201405/1.html