ニコレットで禁煙できる?効果や副作用、使い方などを解説

健康増進法の改正に伴い屋内は原則禁煙になったことで、「タバコが吸えるお店を探すのも大変!」喫煙する方の肩身は狭くなり、周りの目も気になるから「そろそろ禁煙」と考えている方も多いのではないでしょうか?ここでは市販薬で禁煙の手助けをするニコチンガムタイプの禁煙補助薬ニコレットの効果や使い方などを薬剤師が解説します。

ニコレット(nicoretto)とは

ニコレット(nicoretto)はニコチンガムタイプの禁煙補助薬です。ニコレットをタバコの代わりに摂取し、徐々にニコレットの量を減らすことで段階的にニコチン依存を改善し、禁煙を達成するお薬です。摂取といってもニコレットはニコチンガムのため、タバコを吸いたい時に決められた方法で「噛む」だけです。

製造販売元はジョンソンエンドジョンソン株式会社で、医薬品分類は指定第2類医薬品に該当します(2021年1月時点)。そのため、ドラッグストアやECサイトなどで購入することができます。また、2017年1月から新たに施行されたセルフメディケーション税制の対象製品になります。

市販薬の禁煙補助薬はニコチンガムとニコチンパッチの2種類

市販薬の禁煙補助薬はガムタイプの製品とパッチタイプの製品の2種類に分かれています。ガムタイプの製品は今回ご紹介するニコレットやニコチネル、一方パッチタイプの製品にニコチネルパッチがあります。どちらもニコチン置換療法※による禁煙にあたります。

※ニコチン置換療法とは?

ニコチンを喫煙以外の方法で摂取し、段階的にニコチン依存を改善していく療法になります。

禁煙できない理由って何?

タバコをやめようと思い、禁煙に挑戦するも3日坊主で終わってしまう方も多くいます。それはタバコを吸うことが、身体に対して大きく2つの依存性をもたらすためといわれています。

身体的依存性

いわゆるニコチン依存のことを指します。タバコからニコチンを摂取することでニコチンが脳に働き、快感や満足感、頭がスッキリする、気分が落ち着く、リラックスするなどの感覚をもたらします。しかし、一方でニコチンが身体の中からなくなってしまうとイライラ・集中困難・落ち着かないなどの症状(禁断症状)が起こります。これを身体的依存と呼びます。

心理的依存性

心理的依存性とはいわゆる習慣のことを指します。例えばタバコを吸って良かったという記憶や食後・目覚めの一服、仕事の一区切り、乗り物に乗る前など生活の中でのタバコを吸うタイミングが習慣化していることです。

禁煙のメリットには何がある?

禁煙をすることで3つの視点から、メリットが挙げられます。

身体的・精神的な健康につながる

タバコの煙には60種類以上の発がん性物質が含まれています。そのため喫煙に関連した病気には肺がんをはじめとするがんや、心筋梗塞、狭心症、気管支炎、胃・十二指腸潰瘍があります。禁煙することで、これらの病気になるリスクを下げることができます。

また禁煙することで精神的にも良い影響があります。それは喫煙によるストレスから解放されることです。「ストレスを解消するために喫煙している」方も多いと思いますが、タバコを吸う場所をさがしたり、吸っていない人に気を使ったりと実は喫煙によって起こるストレスもあります。

タバコを吸う人が感じるストレス軽減効果はあくまで、ニコチン切れによるイライラなどの離脱症状を一時的に緩和しているだけで、むしろ禁煙することで喫煙によるストレスや離脱症状から解放され、ストレスが低下して精神的健康度も改善することがわかっています。

金銭的な損失を抑制できる

禁煙することで、タバコ代が必要なくなります。例えば1日1箱(20本)喫煙する方が1年間禁煙すると¥182,500円(500円/箱で計算)、1日0.5箱(10本)喫煙する方ですと1年間で¥91,250円が節約できます。

生活環境の変化

生活環境では、食事がおいしくなったり、タバコの匂いがなくなることで周囲から喜ばれるようになったり、タバコが吸えない場所も気兼ねなく行けるようになったりします。

ニコレットの特徴

では実際にニコレットはどのような症状に効果があるのか、種類の違い、ガムの噛み方など商品の特徴について解説します。

ジョンソンエンドジョンソン株式会社が製造販売

ニコレット(nicoretto)はジョンソンエンドジョンソン株式会社が製造販売しています。ジョンソンエンドジョンソン株式会社は市販薬をはじめ幅広いボディケア商品を販売している会社になります。

代表製品

・キズパワーパッド(バンドエイド)

・アキュビュー(コンタクト)

・ジョンソンベビーオイル(スキンケア)

・ジョンソンベビーローション(スキンケア)

・タイレノールA(解熱鎮痛剤)

・アネトン(せき止め薬)

・バイシン(目薬)

ニコレットの成分と効能効果

含有成分

ニコレットは有効成分としてニコチン2mg(1個中)を含有しているニコチンガムになります。

効能効果

ニコレットは禁煙時のイライラ・集中困難・落ち着かないなどの症状の緩和をすることができます。

ニコレットの種類

ニコレット
ニコレットアイスミント
ニコレットクールミント
ニコレットフルーティミント

ニコレットは味の違いから4種類あります。

ニコレット

ニコレットは甘みのないベーシックタイプのガムとなっているため、甘みのあるガムが苦手な方におすすめです。

ニコレットクールミント

ニコレットクールミントは甘みのあるミント味のガムとなっているため、甘みとほどよい清涼感がお好みの方におすすめです。

ニコレットアイスミント

ニコレットアイスミントは清涼感のあるミント味のガムとなっているため、強い清涼感がお好みの方におすすめです。

ニコレットフルーティミント

ニコレットフルーティミントは甘くフルーティなミント味のガムとなっているため、甘みだけでなくフルーティな味わいや清涼感がお好みの方におすすめです。

ニコレットの使用方法

ニコレットはタバコを吸いたいと思った時に1回1個をゆっくりと間をおきながら、30〜60分かけてゆっくりと噛みます。

ニコレットの1日使用個数は禁煙前にタバコを1日何本吸っていたかによって目安個数が変わりますので、下記を参考にしてください。通常は1日4〜12個から初めて、状況により個数を増減しますが、注意点としては1日に24個以上はガムを噛まないようにしてください。。

(禁煙前の1日の喫煙本数):使用開始時の1日の使用個数の目安

(20本以下) 4〜6個

(21〜30本) 6〜9個

(31本以上) 9〜12個

禁煙に慣れてきたら(1ヶ月前後)、1週間の使用個数を1〜2個ずつ減らし、1日の使用個数が1〜2個となった段階で使用をやめましょう。使用期間は3ヶ月をめどとしてください。またニコレットの使用期間は最長で6ヶ月までとなります。

使用するうえでの注意点

さらにニコレットを使用する際は以下の点にも注意が必要です。

・タバコを吸うのを完全に止めてから使用する

・1回に2個以上噛まない

・辛味や刺激感を感じたら、噛むのを止めてほほの内側などに寄せて休ませる

・飲み込まない

・コーヒーや炭酸飲料などを飲んだ後、しばらくはニコレットを使用しない

・口の中に使う吸入剤やスプレー剤とは同時に使用しない

ニコレットはセルフメディケーション税制対象商品

ニコレットはセルフメディケーション税制の対象商品です。

セルフメディケーション税制とは健康診断や予防接種などを受けている人で、セルフメディケーション税制対象の市販薬を家族の購入分含め、年間に¥12,000円を超えて購入した人が確定申告をすることで、所得控除を受けられる仕組みです。

ニコレットの副作用は?

ニコレットを使用して以下の症状が出た場合には副作用の可能性があるので使用を中止して医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください。

関係部位症状
口・のど口内炎、のどの痛み
消化器吐き気、嘔吐、腹部不快感、胸焼け、食欲不振、下痢
皮膚発疹、発赤、かゆみ
精神神経系頭痛、めまい、思考減退、眠気
循環器系動悸
その他胸部不快感、胸部刺激感、顔面潮紅、顔面浮腫、気分不良

またニコレット使用後に以下の症状があらわれることがあります。このような症状が続いたり、症状が強くなる場合にも医師、歯科医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください。

・口内・のどの刺激感、舌の荒れ、味の異常感、唾液増加、歯肉炎

・あごの痛み

・しゃっくり、げっぷ

使用するうえで注意すべき人は?

次の人はニコレットを使用しないでください。

・タバコを吸ったことのない人・現在タバコを吸っていない人

他のニコチン製品を使用している人

・妊娠中・授乳中、妊娠の可能性がある人

・重い心臓病がある人

・3ヶ月以内に心筋梗塞の発作を起こした人、重い狭心症・不整脈と医師から診断された人

・急性期脳血管障害(脳梗塞、脳出血等)と医師に診断された人

・うつ病と医師に診断された人

・ニコレットまたはニコレットの成分でアレルギー症状(発疹・発赤、かゆみ、浮腫等)を起こしたことがある人

・あごの関節に障害のある人

また次の人はニコレット使用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください。

・医師又は歯科医師の治療を受けている人

他の薬を使用している人

高齢者及び20歳未満の人

・薬などによりアレルギー症状を起こしたことのある人

・腹痛、胸痛、口内炎、のどの痛み・のどのはれがある人

・次の診断を受けたことのある人

 心臓病(心筋梗塞、狭心症、不整脈)、脳血管障害(脳梗塞、脳出血等)、バー ジャー病(抹消血管障害)、高血圧、甲状腺機能障害、褐色細胞腫、糖尿病(インスリン製剤を使用している人)、咽頭炎、食道炎、胃・十二指腸潰瘍、肝臓病、腎臓病

ニコレットは禁煙したい方をサポートする薬

ニコレット(nicoretto)はニコチンガムタイプの禁煙補助薬です。注意としてはあくまで禁煙を目的とした商品ということです。タバコが吸えない環境だから変わりにニコレットでニコチン摂取という使用はできません。また禁煙の際はニコレットの使用だけでなく、しっかりとした禁煙の意志を持ち続けることが大切になります。そのためニコレットの使用前に禁煙する理由をしっかり考え、禁煙を成功した後の健康的な生活を想像してみましょう。「今日だけは吸わないように」の心がけを持ちながら、「吸いたい時」にはニコレットを活用していきましょう。

ニコレットに関するQ&A

Q.ニコレットを使用しながら喫煙できる?

A.ニコレット使用中に喫煙することはできません。

Q.普通の噛むと噛み方は違うの?

A.通常ガムと噛み方が異なります。ピリッとした味を感じるまで、ゆっくり噛みます(15秒程度)。その後、ほほと歯ぐきの間にしばらく置きます(味がなくなるまで約1分を目安に)。これを約30〜60分間繰り返します。

Q.どのくらいの期間使用すればいいの?

A.使用期間は3ヶ月をめどとし、最長でも6ヶ月までの使用になります。

Q.吸っているタバコのmg数はガムの個数に影響は与えないの?

A.タバコ1本には銘柄にかかわらず10〜20mgのニコチンが含まれています。例えばニコチン0.1mgと表示されているものは、人工喫煙装置によって測定されたもので、ニコレットのニコチン含有量と直接比較することはできません。

Q.薬剤師や登録販売者による販売が必要?

A.登録販売者がいれば購入できます。ニコレットは指定第2類医薬品※で  す。薬剤師が不在でも、登録販売者のいるドラッグストアなどで購入できます。※2020/1/5現在

Q.ECサイトなどネットで購入することはできますか?

A.インターネットなどの通販サイトでの購入が可能です。

参考文献

禁煙をガムでサポートするニコレット公式ウェブサイト

https://www.nicorette.jp

ニコレットの特徴・効能/タケダ健康サイト

https://takeda-kenko.jp/products/nosmoke/nicorette.html

ニコレット添付文書

https://takeda-kenko.jp/data/pdf/nicorette.pdf

知ってトクするセルフメディケーション税制/日本一般用医薬品連合会

https://www.jfsmi.jp/lp/tax/

知っておきたい「タバコの新ルール」/JTウェブサイト

https://www.jti.co.jp/coexistence/rule/index.html

やめられない喫煙はニコチン依存症-日本医師会

https://www.med.or.jp/dl-med/nosmoke/susumeyou.pdf

たばことストレス/e-ヘルスネット(厚生労働省)

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/tobacco/t-06-005.html

喫煙とがん/e-ヘルスネット(厚生労働省)

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/tobacco/t-03-001.html