血圧を下げる運動とは。血圧高めの方が注意すべきポイントも紹介|理学療法士

健康診断などで高血圧と診断され、生活習慣を変えましょうと言われたけど、何をしたらいいか分からない方も多いのではないでしょうか。高血圧予防の為には食事や服薬など様々な方法がありますが、運動を用いた予防法も効果があるといわれています。今回は、高血圧予防のための運動療法のポイントについてご紹介します。

血圧を下げる運動とは

まず血圧とは「動脈内部の圧力」の事をいいます。この圧力は心臓から出される血液の量と血管の抵抗力、いわゆる血管壁の柔軟性などによって決められます。加齢によって心肺機能が落ちると酸素を全身に送る働きが滞ってしまう為、心臓が血液をたくさん送ろうと補うことから血圧が高くなりやすいといわれています。また、血圧の変動には身体の調節に関わる自律神経の働きが大きく影響しており、現代人の生活スタイルでは交感神経が優位になりやすいといわれています。この交感神経はいわゆる闘争や逃避を司る神経となっており、血管を収縮させる働きがある為、血圧も上がりやすい傾向になります。

これらの要素から、運動を通じて高血圧を予防する為には「全身を動かし呼吸をしっかりと行える身体作り」が重要と考えられます。

呼吸をしっかりと行う為には背骨や肋骨の可動性を高め、横隔膜の働きを促す必要がありますが、股関節や肩甲骨周りの筋肉の硬さにより、姿勢の崩れが生じると横隔膜の機能も落ちやすくなります。

ゆっくりと全身の筋肉を伸ばし、呼吸を行う事で身体をリラックスさせ血管を拡張する副交感神経の働きを促し血圧が高くなりすぎないように身体作りを行っていきましょう。

今すぐできる血圧を下げる運動

それでは、具体的な例を紹介していきます。今すぐできる簡単な運動ですので是非取り入れてみてください。

①デスクワーカーズストレッチ

デスクワークのように座り姿勢が多いと背中が丸くなり、股関節が伸びにくい姿勢になります。このストレッチでは背骨と股関節を伸ばす動作を重点的に行います。

②背中丸めストレッチ

このエクササイズでは背中を丸めながら息をゆっくり吐く事で背中の筋肉のストレッチを図ると同時に肋骨を下げる動きが入る為、息を長く吐き続けやすくなります。浅い呼吸は血圧を上げる要因になる為、ゆっくりと辛くない範囲で息を吐くようにしましょう。

③椅子スクワット

このエクササイズでは太ももや臀部の筋肉へ刺激を与える事ができます。低強度のトレーニングが動脈の柔軟性を改善するという報告もあります。呼吸をしっかりと行いながら、ゆっくりとしたスピードで行うことがポイントとなります。

④ウォーキング

習慣的な有酸素運動は血圧を抑える効果があるといわれています。

目安としては30分以上で低~中強度(ややきついと感じる)の負荷で行うようにしましょう。

血圧高めの方が注意すべきポイント

「さぁ、運動を習慣化させるぞ」と思われた方。急な運動やオーバーワークは返って身体の負担になりかねません。以下の点を注意しながら継続できる範囲で行っていきましょう。

①息を止めない事

 息を止めて力んでしまうと血圧が上昇してしまう恐れがある為、必ず呼吸を行いながら実施しましょう。

②無理をしない事

 ご自身の行える強度以上のレベルで行う事は血圧を急激に上げてしまう恐れがあります。まずは会話が行えるレベルの強度でゆっくりと動き、血圧も安定し運動に慣れてきたところで負荷を少しづつ上げるようにしましょう。

③運動に不安がある場合は専門医に相談を

 心臓などの循環器疾患をお持ちの方は専門医に相談の上、どのような運動がNGなのかを確認しましょう。その後は専門的な知識を持ったパーソナルトレーナーなどに運動のプログラムを作成してもらうのも良いと思います。

まとめ

高血圧は日常生活での結果で起こるものが多いといわれています。ということは運動を通じて日常生活の見直し、そして身体作りを行う事で降圧剤に頼らない生活を送る事も可能であると考えられます。運動に自信がない方も専門家にご相談の上、できることからスタートしていきましょう。

参考文献

・厚生労働省 高血圧症を改善するための運動
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-05-004.html (参照2021−11−3)

・辺土名悟 編 高血圧自力で下げる!血圧対策の名医が教える1分体操,文響社,2021

・加藤雅俊 著 薬に頼らず血圧を下げる方法,アチーブメント出版,2017

・三浦 哉:低強度のサーキットトレーニングが成人女性の動脈スティフネスに及ぼす影響,体力化学,2005

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執筆者 / ファクトチェック / 監修者

Author profile
PHIピラティスインストラクター / 理学療法士

コンディショニング×ピラティススタジオSteadyGo代表
「マイナスからゼロへ、ゼロからプラスへ」をコンセプトに広島県東広島市でスタジオを経営

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