ロキソニン湿布の選び方を紹介。効果や冷感と温感の違いも解説

「ツライ肩や腰の痛みをなんとかしたい」そんな悩みに対して湿布薬で痛みを解消する方もいるでしょう。

しかし湿布薬は種類が多く、どの商品を選べばよいか悩んでしまうこともあります。

今回は薬剤師がロキソニン湿布の選び方を中心に、効果や冷感湿布と温感湿布の違いも解説します。

ロキソニンとは

ロキソニンとは第一三共ヘルスケアが販売する解熱鎮痛成分『ロキソプロフェンナトリウム』を配合した商品です。

解熱鎮痛剤の『ロキソニンS』をはじめ、湿布薬の『ロキソニンSテープ』など症状や悩みに合わせて、さまざまな商品が販売されています。

主成分のロキソプロフェンナトリウムには発熱や痛みの原因であるプロスタグランジンの発生を抑える働きがあるため、解熱や頭痛、生理痛、関節痛などの痛みを抑える目的で使用されています。

ロキソニン湿布の効果

ロキソニン湿布には主成分のロキソプロフェンナトリウムが配合されており、痛みの原因物質であるプロスタグランジンの発生を抑えることで以下のような痛みに効果があります。

【効果・効能】腰痛、肩こりに伴う肩の痛み、関節痛、筋肉痛、腱鞘炎(手、手首の痛み)、肘の痛み(テニス肘など)、打撲、捻挫

さまざまな痛みに対して効果がありますが、痛みの種類や症状の状態に合わせた湿布を選択することも大切です。

ここからはロキソニン湿布の種類や湿布の選び方を解説します。

ロキソニン湿布の種類

ロキソニン湿布は現在4種類(2023年10月時点)の商品が販売されています。主成分の痛み止め成分ロキソプロフェンナトリウムが配合されていますが、痛みの種類や症状の状態、使用する部位によって売り分けされています。それぞれの商品の特徴を見ていきましょう。

ロキソニンSテープ

ロキソニンSテープは名前のとおり、『テープ』タイプの湿布薬です。肌色の薄いテープ剤で冷感刺激や温感刺激はありません。

痛み止め成分のロキソプロフェンナトリウムのみを配合した湿布薬です。

肌色の薄いテープ剤のため、目立ちにくく、伸びやすいため、ひざやひじなどの曲げ伸ばしをする関節部分に使用してもはがれにくいのが大きな特徴です。

ロキソニンSパップ

ロキソニンSパップは白い分厚い湿布で、『冷感湿布』です。

パップ(冷感湿布)は水分を多く含み、冷んやりとした貼りごごちで、テープ剤に比べ皮膚への刺激が少ない湿布です。

そのため、ロキソニンSパップは一般的に、打撲や捻挫などで腫れがひどく、患部が熱を持っている急性の痛みに適した湿布薬です。

ロキソニンS温感テープ

ロキソニンS温感テープは薄い肌色のテープ剤に温感刺激成分を配合した『温感湿布』です。

痛み止め成分のロキソプロフェンナトリウムに加え、温感刺激成分のノナン酸バニリルアミドを配合しています。

そのためロキソニンS温感テープは、お風呂に入ると楽になるような痛みや肩こり、腰痛などの慢性の痛みに適した湿布薬です。

ロキソニンEXテープ

ロキソニンEXテープは薄い肌色のテープ剤に鎮痛補助成分と血行促進成分を追加配合した湿布薬です。

痛み止め成分のロキソプロフェンナトリウムに加え、鎮痛補助成分のl-メントールと血行促進成分のトコフェロール酢酸エステルを配合しています。

またロキソニンSテープよりも厚さを30%減らした薄型設計で、貼った際の違和感やはがれにくさを追求した湿布薬です。

冷感湿布と温感湿布の違いは?

冷感湿布と温感湿布の違いは、使用するタイミングにあります。

一般的に冷感湿布は患部を冷した方がよいタイミングで使用することが多く、打撲や捻挫、肉離れなど患部が腫れ、熱をもっている状態に適した湿布薬です。

一方、温感湿布は患部を温めた方がよいタイミングで使用することが多く、入浴やマッサージなどで楽になる痛みや慢性の肩こり、腰痛などに適した湿布薬です。

ただし冷感湿布や温感湿布には実際に患部を冷やしたり温めたりする効果はないため、あくまでも好みで選ぶとよいでしょう。

ロキソニン湿布の選び方

ポイント 女性

ロキソニン湿布は冷感や温感、テープの特徴をふまえた上で、ご自身の症状や使用部位に合わせて湿布薬を選ぶことが大切です。

急性の痛みならロキソニンSパップ

ロキソニンSパップは冷感湿布になるため、急性の痛みに使用される傾向があります。

打撲、捻挫、肉離れなどの患部が腫れ熱をもっている状態に対して冷感湿布が好まれます。

慢性の痛みならロキソニンS温感テープ

ロキソニンS温感テープは温感湿布になるため、慢性の痛みに使用される傾向があります。

お風呂に入ると楽になるような痛みや肩こり、腰痛など慢性の痛みに対して温感湿布が好まれます。

曲げ伸ばしする場所にはロキソニンSテープ

ロキソニンSテープは肌色の薄いテープ剤になりますが、冷感刺激や温感刺激は特になく、関節部位などの動きが出る場所に使用してもはがれにくい特徴があります。

そのため慢性の痛みにはもちろん、ひじ、ひざ、手首などの曲げ伸ばしをする関節部分に使用したい方に適した湿布です。

今すぐとりたいツライ痛みにはロキソニンEXテープ

ロキソニンEXテープには痛み止め成分のロキソプロフェンナトリウムに加え、鎮痛補助成分のl-メントールと血行促進成分のトコフェロール酢酸エステルを配合しています。

そのためロキソニンEXテープはロキソニンSシリーズでなかなか痛みがとれない方や今すぐツライ痛みをとりたい方に適した湿布です。

湿布でかぶれやすい人はどうしたらいい?

湿布を使うと肌がかぶれてしまう方はゲルやローションタイプの商品を検討してみましょう。

ロキソニンは湿布薬だけでなく、ロキソニンSローションやロキソニンSゲルなどの塗るタイプの商品も販売しています。

注意点として、ローション・ゲルタイプには『アルコール』が含まれているため、アルコール過敏症のある方はゲルタイプを使用しましょう。

ロキソニン湿布を使う時の注意点

湿布薬は手軽に痛みがある部分に使用できる反面、使用に際して注意しなければならないポイントもあります。ここではロキソニン湿布を使用する際の注意点を解説します。

使用できる枚数

ロキソニン湿布は、湿布の種類によって1日に使用できる枚数が制限されています。

小判タイプ(7cm×10cm)と大判タイプ(10cm×14cm)の2種類があり、小判タイプは1日4枚まで、大判タイプは1日2枚までと安全性確認のため※制限されているので、使用サイズをしっかり確認するようにしましょう。

※メーカー確認済(20204.2.20)

妊娠中は使用できない

ロキソニン湿布は妊娠中や妊娠していると思われる人には使用できません。

痛み止め成分が胎児に影響してしまう可能性があるため、妊娠中の使用は避け、主治医に相談してみましょう。

喘息がある人

痛み止めや風邪薬、外用消炎薬を使用して喘息を起こしたことがある人は使用できません。

これはロキソニンに配合している成分「ロキソプロフェン」をはじめとした解熱鎮痛成分に喘息を引き起こしてしまう働きがあるためです。

まとめ

ロキソニン湿布には温感湿布、冷感湿布、テープなどさまざまな種類の商品が販売されています。一般的には急性の痛みにはロキソニンSパップ、慢性の痛みにはロキソニンS温感テープが適しています。患部に腫れがあるのか、血行を良くすると痛みが楽になるのかなど症状の程度、使用する場所、かぶれやすさなどご自身の状況に合わせて、商品を選んでみましょう。

参考資料

ロキソニンSテープ/第一三共ヘルスケア
https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/products/details/loxonin-s_tape/ 

ロキソニンSパップ/第一三共ヘルスケア
https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/products/details/loxonin-s_pap/ 

ロキソニンS温感テープ/第一三共ヘルスケア
https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/products/details/loxonin-s_hot-tape/ 

ロキソニンEXテープ
https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/products/details/loxonin-ex_tape/ 

湿布などの外用鎮痛消炎薬の上手な使い方・選び方/くすりと健康の情報局
https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/health/selfcare/topical_analgesic-02/#d01 

執筆者 / ファクトチェック / 監修者

Author profile

Yosuke Fukuoka

薬剤師

【薬剤師】ドラッグストア薬剤師を4年間経験。その後、本社教育部門にて市販薬セミナーの講師を務める。広告やパッケージに惑わされないお薬選びのコツを「わかりやすく」伝えられるよう、日々の執筆を行っています。

Author profile

Nobuhiro Nagao

薬剤師

病院薬剤師として6年勤務。主にがん領域を経験。
現在は調剤薬局にて経営者かつ薬剤師として地域の健康サポートに取り組んでいます。
また、webライターとしてOTCやセルフメディケーションについて正しい医療情報を発信し、悩みを解消できる記事作成に励んでいます。

一緒にセルフメディケーションについて知識を増やしていきましょう。

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