口内炎に飲むタイプのお薬『トラフル錠』の効果とポイントを解説

お口の中のトラブル『口内炎』。いざドラッグストアで口内炎の薬を探してみると、、、口内炎の薬って色々あると思いませんか?口内炎に効く成分だけでなく、塗るタイプや貼るタイプ、そして飲むタイプなど使用方法も様々です。

今回は、飲むタイプ『トラフル錠』について解説し、使用のタイミングや口内炎以外の症状も使うことができるか解説します。

口内炎治療薬のトラフル錠とは

口内炎はお口のトラブルの代表格であり、食事がしみて辛い、満足な食事ができない、喋りにくくなるなど不快感の塊です。しかし、実際に口内炎ができたとしても治療をせず放っておく方も多いのではないでしょうか。

確かに1週間程度で自然に良くなる事が多い口内炎ですが、間違って噛んでしまいもっと辛い思いをしたり、場合によっては口内炎がさらに悪化することもあります。できることなら薬を使って早く治していきたいものですよね。

トラフル錠はそのような”お口の「トラブル」の濁点をすっきり取り除いてあげる”と言う由来から「トラフル」と名付けられました。では、トラフル錠はどうやって口内炎を治していくのでしょうか。トラフル錠に含まれる成分を詳しくみていきましょう。

トラフル錠に配合している成分

トラフル錠に配合されている成分は以下の通りです。

トラネキサム酸

トラフル錠に最も多く含まれている成分が『トラネキサム酸』であり、医療現場でも使用されています。口内炎は口の中に炎症が起きており、炎症を引き起こす起因物質であるプラスミンという酵素が異常に増殖しています。そこでトラネキサム酸がプラスミンという酵素の働きを抑える事で、口内炎の炎症や腫れが改善し、ヒリヒリした痛みが軽減されます。

カンゾウ乾燥エキス

カンゾウは漢方薬に欠かせない生薬の一つです。カンゾウの主成分であるグリチルリチン酸が炎症やアレルギーを抑えることで、口内炎の痛みや腫れを鎮めてくれます。

ピリドキシン塩酸塩

ピリドキシンはビタミンB6のひとつであり、皮膚や粘膜の健康維持に役立っています。ビタミンB6が不足すると皮膚を作るタンパク質の代謝が悪くなり、口内炎や肌荒れに繋がる可能性があります。つまりピリドキシンを補うことで皮膚の機能が正常になるよう働きかけているのです。

リボフラビン

リボフラビンはビタミンB2であり、『発育のビタミン』とも呼ばれています。皮膚や髪など細胞の再生に関与しており、口内の粘膜を保護する働きも担っています。

リボフラビンは黄色い色素のため、尿が黄色になる可能性がありますが成分の性質のため心配はいりません。

アスコルビン酸ナトリウム

アスコルビン酸はコラーゲンの生成に関与し、皮膚が弱くなるのを抑える作用をもっています。また白血球に働きかけて免疫を高める役割も担っており、ストレスや風邪などの抵抗力を強める働きがあります。口内炎はストレスなどによる抵抗力の低下により起こるともいわれているため、アスコルビン酸を補う必要があるのです。

薬剤師からのポイント

市販薬の選び方と使用方法

トラフル錠は口内炎ができたときに飲む薬です。1日3回(朝昼晩)飲む薬ですが、食前・食後はどちらに飲んでも問題ありません。ただし薬を飲むタイミングは最低でも4時間以上空ける必要があります。仮に他の口内炎の薬である塗り薬や、貼り薬、うがい薬などを使用していても、症状がつらい場合や早く治したい時は追加でトラフル錠を飲むこともできます。

症状が良くなっている場合は1週間程度を目安として様子を見ていただき、もし5〜6日間飲んでも改善しない場合は医師や薬剤師などに相談するのが良いでしょう。

口内炎は短期間で治ることも多いですが、他の病気が原因で口内炎ができているケースもあるため、単なる口内炎だと侮ってはいけません。

トラフル錠はのどの痛みや腫れにも効く

トラフル錠に含まれる成分には炎症を抑える作用を示すため、実は口内炎だけでなくのどの痛みや赤み、腫れがある場合でも飲むことができます。

特にトラネキサム酸は医療現場でも使用されており、扁桃炎や咽頭炎等のどの痛みに対する治療だけでなく、シミ(肝斑)に対しての効果も認められている成分です。そのためかぜ薬や解熱鎮痛剤、さらにはシミ改善薬など多くの薬にトラフル錠と同じ成分が含まれている可能性があり注意が必要です。

現在飲んでいる薬がある場合は成分が重なっていないか、医師や薬剤師、登録販売者に確認をしてから購入するようにしましょう。

トラフル錠に関するQ&A

Q.何歳から服用できますか?

 A.7歳から服用できます。7歳以上15歳未満は1回1錠、成人(15歳以上)は1回2錠で1日3回服用です。

Q.服用できない人はいますか?

 A.7歳未満の小児は服用できません。

Q.妊娠中・授乳中ですが服用してもいいですか?

 A.妊娠中はどんな薬であっても慎重に判断する必要があります。薬の影響は妊娠の時期により異なるので、自ら判断せず主治医へ相談してください。授乳中は服用できます。

Q.飲み忘れたりしても大丈夫?

 A.口内炎等の症状がある時に服用していただければ大丈夫です。ただし、用法・用量を守った上で、連続して服用する場合は最低でも4時間以上は服用感覚を空けてください。

さいごに

痛い口内炎を飲み薬で治すというコンセプトで作られたトラフル錠。様々な成分が配合されており、成分の働きや注意点、口内炎以外の使用方法などを知る事でトラフル錠を広く、より安全に使用する事ができるのではないでしょうか。つらい口内炎から少しでも早く脱却するため、治るまで放置するのではなく薬を飲むという選択肢があるだけでまた生活の質が違ってくるのではないかと思います。

口内炎は疲れのサインです。ストレスや疲れを感じたらゆっくりと休み、食事や睡眠など生活を整えるよう心がけましょう。ただ、口内炎の原因は様々です。トラフル錠は症状が一時的、または軽症である場合に使用するようにしましょう。酷い場合は早めに病院を受診してください。

安心してより良い治療を行えるように少しでもお役に立てていただけたら光栄です。もし疑問点などありましたら、身近にいる医師や薬剤師、登録販売者にお尋ねください。

 

参考資料
・トラフル錠 製品情報|第一三共ヘルスケア
・トラフル部(口内炎の基礎知識と対処法)|第一三共ヘルスケア
・栄養素|健康長寿ネット

執筆者 / ファクトチェック / 監修者

Author profile

Ryo Omura

医療編集プロダクションMEDW 代表
株式会社TENTIAL メディアディレクター、リーガルチェック
理念
・誰にでもわかりやすい医療ヘルスケア情報を発信
・医療職の働き方にも自由度を。リモートワーク環境の構築
メディアから医療を変える「デジタルチーム医療」を中心に活動。
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