ビタミンEを含む食べ物と摂取量とは?お肌にはビタミンEも|管理栄養士

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お肌に良いビタミンといえば「ビタミンC」を連想される方が多いかと思います。ビタミンは、5大栄養素のひとつでもある「身体の調子を整える」役割のある栄養素です。ビタミンは13種類あり、それぞれに異なる効果と特性があります。

その中でも「ビタミンE」はキレイなお肌を保つ作用が注目されており、医薬品としても数多く販売されています。しかし、せっかくであれば日常生活の食事の中で取り入れていきたいですよね。

今回はビタミンの中でも食事の中で気軽に摂取できる「ビタミンE」を紹介します。

ビタミンEとは

ビタミンのイメージ画像

まずビタミンEには数種類の『トコフェロール』という化合物で作用します。ビタミンEが美容や健康にもたらす良い効果は、体内で最も多くて作用も強い「α-トコフェロール」のによるものです。

食事摂取基準でのビタミンEの目安量は、この「α-トコフェロール」の血中濃度で設定されています。

ビタミンEの特徴

ビタミンは水に溶けやすい『水溶性ビタミン』と脂に溶けやすい『脂溶性ビタミン』に分類されますが、ビタミンEは『脂溶性ビタミン』です。美肌に効果的と有名なビタミンCは水溶性のため、水洗いや加熱調理で多くが失われてしまいます。

一方でビタミンEは脂溶性なので調理過程での損失が少なく、様々な調理に対応して摂取しやすいビタミンです。

脂溶性ビタミンはビタミンEのほかにビタミンA・ビタミンD・ビタミンKがあります。ビタミンE以外の脂溶性ビタミンは、体内に蓄積しやすく食事などで過剰摂取することで症状を認めることがありますが、ビタミンEは通常の食品では、よほど過剰な摂取を行わない限り健康障害を引き起こすことの低いビタミンといえます。

ビタミンEの作用

ビタミンEには老化を防ぐ様々な作用があり、美容界隈で「若返りのビタミン」とも呼ばれています。ここではビタミンEの代表的な効果を紹介します。

紫外線から外的刺激から肌を守る

紫外線を浴びる女性

トコフェロールには血行促進作用、新陳代謝を高める作用があり、お肌のバリア機能を安定させてくれます。

またビタミンEは脂溶性のため水溶性のビタミンCとは異なり、水に溶けにくい脂質でできている細胞膜に作用することで、細胞ひとつひとつを内側から守ってくれるのです。

抗酸化作用

たるみを気にする女性

シミやしわ、たるみなどのお肌の悩みは紫外線などによる酸化が原因で引き起こされることがあります。こういったトラブルを予防してくれるのが、ビタミンEの最大の特徴でもある強い抗酸化作用です。この抗酸化作用からお肌の酸化やアンチエイジング効果が期待できます。

免疫機能

ガッツポーズをする女性

抗酸化ビタミンであるビタミンEは、免疫機能を低下させる活性酸素の働きを抑える効果があります。免疫機能とは細菌やウイルスが体内に侵入したときに対抗するシステムです。免疫機能は加齢により低下しますが、ビタミンEを摂取することで補うことができます。

1日に必要なビタミンEの摂取量は?

食事摂取基準では、血中のα- トコフェロール濃度が12µmol/L以上に保たれることが期待できるビタミンEの摂取量として成人男性 6.5 mg/日、成人女性 6.0 mg/日を目安量としています。

またライフステージで目安量が用いられ、0~5か月児は3.0 mg/日、6~11 か月児については4.0 mg/日、妊婦は6.5 mg/日、授乳婦は7.0 mg/日としています。

ビタミンEの摂取が減ったときの症状

通常の食事生活でビタミンEの欠乏症を来すことはありませんが、ビタミンEの作用が十分に働かないことで、細胞膜の酸化を抑えることができずお肌の調子が悪くなったり、免疫機能の低下や血行不良を引き起こすことが考えられます。

ビタミンEを摂取し過ぎた場合

ビタミンEの過剰摂取すると出血傾向が上昇することがあります。摂取すればするほどより良い作用や効果が得られるわけではありませんので、摂取する際は注意しましょう。

ビタミンEを効率的に摂取できる食べ物

ビタミンEを多く含むナッツ類

ビタミンEは、アーモンドを筆頭に落花生、くるみなどのナッツ類のほか、かぼちゃなどの緑黄色野菜、魚介類ではうなぎ、油脂類ではオリーブオイル、アボカドなどに豊富に含まれています。偏った食事ではなくバランスの良い食事を1日3食摂ることがビタミンEの摂取にもつながります。

ビタミンEを多く含む食べ物

・アーモンド
・ナッツ類
・緑黄色野菜(かぼちゃなど)
・うなぎ
・オリーブオイル
・アボカド

管理栄養士からのポイント

ポイント

上手に摂取するコツ

細胞膜内で働く脂溶性のビタミンEに対して水溶性のビタミンCは細胞膜外の体液で抗酸化作用を発揮します。

よって、ビタミンEとビタミンCを同時に摂取すれば抗酸化作用がダブルで働き、美容効果がアップします。このビタミンCとEが多く含まれる代表的な食べものとして緑黄色野菜があります。お肌のためにも好き嫌いせず積極的に摂取しましょう。

また、ビタミンEは脂溶性のため、油と一緒に食べることで吸収率も上がります。ビタミンEは調理過程で損失しないのでビタミンEの含む食べ物を、ビタミンEが豊富な植物油で炒めて食べると良いでしょう。

生活習慣病対策にも

血中のLDLコレステロールの酸化は動脈硬化の原因になります。今回紹介したビタミンEの体内での抗酸化作用は動脈硬化の予防になります。また、ビタミンEを摂取するために規則正しいバランスの取れた食事を心がけることが心身の健康にもつながります。

まとめ

今回は美容や健康に嬉しい抗酸化作用や血行促進作用をもつビタミンEを紹介しました。水溶性のビタミンCとは異なる役割で老化を防ぐので、すでにビタミンCを摂っている方はビタミンEと一緒に摂取することで相乗効果が期待できます。

バランスの良い食事や飲み物からビタミンEを意識的に取り入れてみてはいかがでしょうか。

 

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参考資料
ビタミンE | ビタミン | 栄養成分百科 | グリコ 
厚生労働省eJIM | ビタミンE | サプリメント・ビタミン・ミネラル | 一般の方へ 
知っているようで知らないビタミンのこと。「ビタミン博士」に聞いてみた! | House E-mag 
ビタミンEで美肌を目指す!気になる効果とは? 
» ビタミンE|栄養素の説明|栄養療法~薬だけに頼らない根本治療をめざす、心と身体に優しい治療法。|オーソモレキュラー栄養医学研究所 
抗酸化ビタミン | e-ヘルスネット(厚生労働省) 
ビタミンEの働きと1日の摂取量 | 健康長寿ネット 
1―6 ビタミン 
アーモンド効果 | 【公式】江崎グリコ 

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執筆者 / ファクトチェック / 監修者

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Mizuki Ochiai

Mizuki Ochiai

管理栄養士

一般皮膚科・美容皮膚科勤務6年目 / 医師事務作業補助者 / 医療事務

現役皮膚科スタッフとしてお肌のトラブルや食物アレルギーなどを中心に管理栄養士の視点からわかりやすく有益な情報を発信していきます!

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Ryo Omura

管理栄養士 
 

医療編集プロダクションMEDW 代表
株式会社TENTIAL メディアディレクター、リーガルチェック
理念
・誰にでもわかりやすい医療ヘルスケア情報を発信
・医療職の働き方にも自由度を。リモートワーク環境の構築
メディアから医療を変える「デジタルチーム医療」を中心に活動。
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