急におとずれるつらい頭痛で困っていませんか。そのような時に役立つ市販の頭痛薬は、ドラッグストアが身近にある存在になった影響により、すぐ購入できる世の中となりました。そして、「頭痛に速攻!」というキャチフレーズでお馴染みの『イブクイック頭痛薬』。
そもそも、なぜこのように打ち出しているのでしょうか。今回は、イブクイック頭痛薬の『クイック』についてと『頭痛薬のみ』の効果であるか、確かめていきましょう。
イブクイック頭痛薬の特徴
イブクイック頭痛薬は、痛みや炎症を抑える処方の製品『イブA錠』に、胃に優しい有効成分『酸化マグネシウム』をプラスした製品です。つらい頭痛に速く届き高い効果のある、エスエス製薬独自のクイックアクション製法により、イブプロフェンを溶け出しやすくしている特徴があります。
イブシリーズでは『クイック』という文字が含まれてる製品に酸化マグネシウムが含まれており、その中の一つであるイブクイック頭痛薬は、『速く効く』と『胃に優しい』に特化した製品です。
「イブクイック頭痛薬」の成分について
イブクイック頭痛薬は、4種類の有効成分を配合しております。
イブプロフェン
イブプロフェンは『発熱』や『痛み』『炎症』に対して使用する解熱鎮痛成分です。これらの痛みや炎症を引き起こすプロスタグランジンという原因物質の発生を抑えることにより、諸症状を緩和する働きがあります。
酸化マグネシウム
酸化マグネシウムは、大きく分けて2つの作用があり、服用量に応じて目的が異なります。
- 少量の場合:『胃酸の中和』することで胃への負担を軽減する作用
- 服用量が多い場合:『腸内の水分を便に吸い寄せる』ことで、便通を促す作用
イブクイック頭痛薬に含まれる酸化マグネシウムは、低用量(100mg)にて設計されているため、胃酸の中和を目的として作用します。
また、酸化マグネシウムはイブプロフェンの吸収を速める働きもあります。イブプロフェンの成分は、酸性の強い胃酸の存在下では溶けにくい性質を持っております。酸化マグネシウムの制酸作用により胃酸が中和されることで、イブプロフェンが早く溶けて吸収されやすくなります。
アリルイソプロピルアセチル尿素
アリルイソプロピルアセチル尿素は、『緊張』『興奮』『いらいら感』『不安』を鎮める働きのある鎮静成分です。主に市販薬では、解熱鎮痛剤に配合しております。
また、人により『眠気』を引き起こす可能性のある成分です。そのため、車の運転や機械や高所での作業は控えるようにしてください。
無水カフェイン
無水カフェインは、脳などの中枢神経を刺激することで『眠気』『疲労』『頭重(頭の重い感じ)』を緩和、鎮痛効果を補助する成分です。
無水カフェインとして、栄養ドリンク、エナジードリンクから、総合感冒薬や鼻炎内服薬、乗り物酔い止めの薬など含まれています。また日常では、カフェインとしてコーヒーや紅茶、お茶などの食品に含まれています。
「イブクイック頭痛薬」の服用に関する情報
効能効果
イブクイック頭痛薬は、製品名に頭痛薬を含んでいますが、頭痛以外に生理痛などさまざまな症状に効果があります。以下のような症状に対して服用できます。
・月経痛(生理痛)、頭痛、歯痛・抜歯後の疼痛
・咽喉痛、関節痛、筋肉痛、神経痛
・腰痛、肩こり痛、打撲痛、耳痛
・骨折痛、ねんざ痛、外傷痛の鎮痛
・悪寒・発熱時の解熱
上記に該当する痛みや発熱にも使用できることを覚えておきましょう。
用法・用量
イブクイック頭痛薬は、15歳から服用できます。14歳までのお子さんは服用できないため、注意しましょう。
服用量は、1回2錠をお水もしくはぬるま湯にて服用してください。
症状が緩和されない場合、連続して服用することができます。その際、最低4時間の間隔を空けて、1日3回まで服用可能です。
5〜6回服用しても症状が改善しない場合、服用を中止して医師、薬剤師または登録販売者にこの説明書を持って相談してください。
必ず、用法と用量を守りましょう。
服用できない方
以下に該当する方は服用できません。
・過去に該当する成分でアレルギー症状を引き起こした方
・過去に該当する成分や解熱鎮痛薬、かぜ薬を服用して喘息(ぜんそく)を引き起こした経験のある方
・14歳までの方
・出産予定日12週以内の妊婦の方
・車の運転、危険な機械の操作や高所での作業をする方
一緒に服用してはいけないお薬
他の解熱鎮痛薬、風邪薬、鎮静薬、乗物酔い薬は、一緒に服用しないようにしましょう。
その他気になる方は、こちらの製品情報をご覧ください。
薬剤師からのポイント
「胃が弱い方」や「速く効果を得たい方」におすすめ
イブクイック頭痛薬には、酸化マグネシウムを配合しているため、胃への負担を軽減させる働きがあります。また、イブプロフェンを速く溶け出す作用もあり、速く痛みにアプローチして欲しい時におすすめです。
「イブクイック頭痛薬」と「イブA錠」の違いは?
「イブクイック頭痛薬」は「イブA錠」のプラス処方
イブA錠に配合している製品に酸化マグネシウムを配合した製品が『イブクイック頭痛薬』になります。そのため、胃に問題ない方で、少々価格を抑えたい方は『イブA錠』を選んでも良いでしょう。
体質に合わせて製品を選びましましょう
イブクイック頭痛薬は、胃の弱い方に対応した、つらい生理痛や頭痛に効果のある製品です。4つの有効成分が痛みや炎症、発熱などの諸症状を緩和し、胃への副作用を軽減する効果があります。
また、『イブクイック頭痛薬』と『イブA錠』の違いは、胃を保護する成分酸化マグネシウムの有無について紹介しました。自分が胃に弱い体質かどうか判断して、セルフメディケーションを実施していきましょう。
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参考資料
・イブクイック頭痛薬|添付文書
・頭痛・熱に イブクイック頭痛薬 | 製品ラインナップ | EVE(イブ) 【エスエス製薬】
・酸化マグネシウム|薬の成分ディクショナリー|エスエス製薬
・速溶性イブプロフェン製剤の開発|川瀬一朗
執筆者 / ファクトチェック / 監修者
Ryo Omura
医療編集プロダクションMEDW 代表
株式会社TENTIAL メディアディレクター、リーガルチェック
理念
・誰にでもわかりやすい医療ヘルスケア情報を発信
・医療職の働き方にも自由度を。リモートワーク環境の構築
メディアから医療を変える「デジタルチーム医療」を中心に活動。
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