「昨夜飲みすぎてしまった…」「朝起きたら頭がガンガンして吐き気がひどい…」二日酔いは、楽しい時間の後にやってくる不快な症状です。二日酔いを早く楽にするためには、適切な薬の選び方や使い方を知っておくことが重要です。
この記事では、二日酔いの原因や対策、市販薬の効果的な使い方について詳しく解説します。辛い朝を乗り切り、スッキリとした一日を取り戻しましょう。
二日酔いとは?原因と症状
二日酔いは、過度の飲酒によって体内でアルコールが分解される過程で発生する不快な症状です。アルコールの代謝によって生じるアセトアルデヒドや、脱水症状が主な原因と考えられています。
二日酔いの主な原因
- アセトアルデヒドの蓄積:アルコールが肝臓で分解されるときに生じるアセトアルデヒドは、毒性が強く、頭痛や吐き気の原因になると考えられています。
- 脱水症状:アルコールには利尿作用があり、体内の水分が不足することで脱水症状を引き起こします。これにより、頭痛やめまいが発生すると考えられています。
二日酔いの主な症状
- 頭痛:アセトアルデヒドによる血管拡張や脱水が原因で起こると考えられています。
- 吐き気・嘔吐:アルコールによる胃粘膜の刺激やアセトアルデヒドの毒性の影響で吐き気や嘔吐が起こると考えられています。
- 全身の倦怠感:体内のアルコール処理にエネルギーが消耗され、疲労感が強くなります。
- 口の渇き:脱水症状によるもので、水分を補給することで軽減されます。
二日酔いに効く市販薬の種類と特徴
二日酔いの症状を和らげる市販薬には、さまざまな種類があります。症状に応じて適切な薬を選ぶことで、早く楽になることができます。
解熱鎮痛薬
二日酔いによる頭痛を和らげるために使用されます。アルコールの分解によって生じる頭痛に対して効果的です。
- アセトアミノフェン:胃に優しく、頭痛や軽い痛みを抑えるのに適しています。ただし、肝臓に負担をかける可能性があるため、用量に注意が必要です。
- イブプロフェン:炎症を抑え、強い頭痛や関節の痛みに効果がありますが、胃腸に負担がかかることがあるため、空腹時の服用は避けましょう。
消化薬
アルコールによって弱った胃腸の働きを助け、消化を促進する薬です。胃のむかつきや食欲不振に対応します。
- 酵素系消化薬:消化酵素を補うことで胃腸の働きをサポートし、食べ物の消化を助けます。
- 漢方系胃薬:生薬に基づく成分で、胃腸の調子を整える効果があります。
二日酔い薬
- L-システイン:アルコールの代謝をサポートし、二日酔いを改善します。
- 五苓散(ごれいさん):アルコールの分解促進と体内の水分バランスの調整によりつらい二日酔いや二日酔いに伴う頭痛を改善します。
市販薬の効果的な使い方
二日酔いを早く楽にするためには、市販薬の正しい使い方を知っておくことが重要です。以下のポイントに注意して、効果的に薬を活用しましょう。
飲むタイミングに注意
二日酔い薬は、できるだけ早めに服用することが大切です。起床後すぐや、症状が現れたらすぐにに服用することで、効果を最大限に引き出せます。
水分を十分に摂取
薬を服用する際には、十分な水分を一緒に摂ることが重要です。水分補給により、脱水症状を防ぎ、薬の効果を高めることができます。
過剰摂取に注意
市販薬は、適切な用量を守って使用することが大切です。特に肝臓や胃に負担をかける成分が含まれる薬は、過剰摂取すると副作用が出る可能性があるため、注意が必要です。
併用に注意
複数の市販薬を同時に使用する際は、成分の重複に注意しましょう。例えば、解熱鎮痛薬と胃腸薬を併用する際は、薬剤師に相談してから使用をおすすめします。
二日酔いに効く主な市販薬
二日酔いに効果的な市販薬として、以下のものがあります。
アルピタン
小林製薬が販売する二日酔いに効く市販薬です。
有効成分の五苓散(ごれいさん)がアルコールの分解促進と体内の水分バランスの調整によりつらい二日酔いや二日酔いに伴う頭痛を改善します。
食前服用できる顆粒タイプのため、飲み会前に対策しておきたいという方にも重宝します。
テイラック
小林製薬が販売する錠剤タイプの二日酔いに効く市販薬です。
有効成分の五苓散(ごれいさん)がアルコールの分解促進と体内の水分バランスの調整によりつらい二日酔いや二日酔いに伴う頭痛を改善します。
錠剤タイプなので、顆粒は上手く飲めない方も抵抗なく服用することができます。
新黒丸a
第一三共ヘルスケアが販売する二日酔いに効く市販薬です。
アルコール代謝を促進するウコンをはじめ、胃の働きを助ける生薬や肝臓の働きをたすける生薬など7種の有効成分が飲み過ぎ、悪酔い、二日酔いのむかつきやもたれなどの症状を改善します。
飲み会でお酒の量が多くなるだけでなく、食べすぎてしまう方に重宝する市販薬です。
また持ち運びに便利な分包タイプのため、カバンやポケットにサッと入るのも嬉しいポイントです。
市販薬を使用する際には、必ず使用上の注意を読み、適切に服用するようにしましょう。また、症状が重い場合や改善しない場合は、医師に相談することをおすすめめします。
ハイチオールCプラス2
配合されているL-システインにはアセトアルデヒドの分解をサポートする働きがあるため、二日酔いの症状を改善できます。
二日酔いを予防する生活習慣
薬に頼るだけでなく、二日酔いを予防するための生活習慣も大切です。飲酒時に以下の対策を取り入れて、翌日の不快感を減らしましょう。
事前に水分をしっかり摂る
飲酒前や飲酒中に水分をしっかり摂取することで、脱水症状を防ぎ、二日酔いを軽減できます。アルコールと一緒に水やスポーツドリンクを飲むと良いでしょう。
空腹での飲酒を避ける
空腹時に飲酒すると、アルコールの吸収が早まり、二日酔いの原因となります。飲酒前に軽く食事を摂ることで、アルコールの吸収を遅らせられます。
飲酒量をコントロールする
二日酔いを防ぐ最も確実な方法は、飲酒量をコントロールすることです。自分の許容量を超えないように注意し、適度な量で楽しむことが大切です。
まとめ
二日酔いは誰にでも起こり得る不快な症状ですが、市販薬を正しく選び、使用することで、早く症状を楽にすることができます。
また、二日酔いを予防するための生活習慣を取り入れることで、翌日の辛さを軽減できます。薬を使用する際には、必ず用法・用量を守り、症状に応じた薬を選ぶことが重要です。
辛い二日酔いを乗り切り、快適な一日を過ごしましょう。
参考資料
二日酔いの原因|第一三共ヘルスケア
OS-1|大塚製薬工場
二日酔いのメカニズム|e-ヘルスネット
アルピタン|小林製薬
テイラック|小林製薬
新黒丸a|第一三共ヘルスケア
肌の代謝とL-システイン|エスエス製薬
執筆者 / ファクトチェック / 監修者
Yosuke Fukuoka
【薬剤師】ドラッグストア薬剤師を4年間経験。その後、本社教育部門にて市販薬セミナーの講師を務める。広告やパッケージに惑わされないお薬選びのコツを「わかりやすく」伝えられるよう、日々の執筆を行っています。
Nobuhiro Nagao
病院薬剤師として6年勤務。主にがん領域を経験。
現在は調剤薬局にて経営者かつ薬剤師として地域の健康サポートに取り組んでいます。
また、webライターとしてOTCやセルフメディケーションについて正しい医療情報を発信し、悩みを解消できる記事作成に励んでいます。
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