お仕事で毎日同じ姿勢をしていたり、重い荷物を持ったりして、肩がこったり腰が痛くなったりしてしまう…。そんな時気軽に購入できる市販の湿布薬ですが、匂いが気になってなかなか手が出しづらい方もいるのではないでしょうか?今回は薬剤師が匂いが気にならない外用薬をご紹介します。
薬剤師からの選び方のポイント
湿布を好みの『香り』で選べる
湿布と聞くと、特有のあの香りが気になって手を出しづらい方もいるのではないでしょうか?実は、市販の湿布薬には女性でも気軽に使えるように、ラベンダーやクリアソープなどに香り付けされた商品もあります。
使用範囲や使用シーンによって剤型を選ぼう
痛みを抑える外用薬は、湿布だけではありません。広範囲に使えるローションタイプや、コンパクトで持ち運びに便利なスティックタイプがあります。どちらも塗ると透明なので、仕事や外出中も目立たず使えます。
湿布特有の『匂い』の原因とは
湿布特有の匂いの原因は、サリチル酸メチル、カンフル、メントールなどあります。すべて消炎や鎮痛を目的に配合されているので、湿布薬には重要な成分と言えます。しかし、同じ消炎鎮痛成分のサリチル酸グリコールという成分はそこまで強い匂いではないことが分かっています。独特な匂いが苦手な方は、できるだけ強い匂いの成分を避けるようにお薬を選びましょう。
匂いが気にならない湿布薬
パスタイムFX こはる
この商品は、消炎鎮痛成分としてフェルビナクと冷感刺激成分 l – メントールを含み、さらにトコフェロール(ビタミンE)を含むことで血行を良くしてくれます。香料としてラベンダー油、ベルガモット油やオレンジ油が配合されているので、匂いを気にせず使えます。
ハリックスほぐリラ
この商品には冷感と温感の2種類の湿布薬があり鎮痛成分としてフェルビナク、さらに血流促進成分として生薬アルニカチンキを含んでいます。血流を改善することで、溜まった肩こりにも効果があります。また冷感タイプはラベンダーの香り、温感タイプはゼラニウムの香りなので、寝る時に使うと香りでリラックスできます。
トクホンアロマ
この商品は消炎鎮痛成分としてサリチル酸グリコール、冷感刺激成分のl-メントール、抗炎症成分のグリチルレチン酸、さらに血行促進のビタミンEを含んでいます。また、スイートローズの香り、せっけんの香り、無香料・微香の3種類から好みの香りを選ぶことができます。
匂いが気にならない塗り薬
アンメルツレディーナ
この商品は消炎鎮痛成分としてサリチル酸グリコールと冷感刺激成分のl-メントール、抗ヒスタミン成分のクロルフェニラミン、さらに血行促進のトコフェロール(ビタミンE)を含んでいます。塗り薬タイプなので、湿布のように服からはみ出してしまうこともありません。また、オレンジシトラスのほのかな香りで、外出先でも匂いを気にせず使えます。
匂いが気にならないスティックタイプ
ハリックスほぐリラ
この商品は、先ほどご紹介した湿布タイプのハリックスほぐりらと同じ成分を含む塗り薬です。特徴は化粧ポーチに入るくらい小さな形とグレープフルーツの香りです。痛みを感じたときにすぐ取り出せて、場所を気にせず使いやすいので、女性でも手に取りやすい商品です。
まとめ
今回は薬剤師が、女性でも使いやすい痛み止めの外用薬についてご紹介しました。
場面によって湿布と塗り薬を使い分け、できるだけ匂いの強くない成分が含まれた商品を選ぶことが大切です。様々な商品が、女性でも使いやすいように香りや形の工夫をしています。自分の好きな香りや剤形を見つけましょう。
お薬を5〜6日間使用しても症状が良くならない場合は、受診して医師の診察を受けるようにしましょう。この記事が皆さんのお薬選びの参考になれば幸いです。
参考文献
祐徳薬品工業 パスタイムFXこはる
https://www.yutokuyakuhin.co.jp/product/2-3-2.html
LION ハリックスほぐりら
https://www.lion.co.jp/ja/products/brand/series/43
大正製薬 トクホンAROMA
https://brand.taisho.co.jp/tokuhon/aroma/
小林製薬 アンメルツレディーナ
https://www.kobayashi.co.jp/seihin/an_l/
執筆者 / ファクトチェック / 監修者
Nobuhiro Nagao
病院薬剤師として6年勤務。主にがん領域を経験。
現在は調剤薬局にて経営者かつ薬剤師として地域の健康サポートに取り組んでいます。
また、webライターとしてOTCやセルフメディケーションについて正しい医療情報を発信し、悩みを解消できる記事作成に励んでいます。
一緒にセルフメディケーションについて知識を増やしていきましょう。
Yosuke Fukuoka
【薬剤師】ドラッグストア薬剤師を4年間経験。その後、本社教育部門にて市販薬セミナーの講師を務める。広告やパッケージに惑わされないお薬選びのコツを「わかりやすく」伝えられるよう、日々の執筆を行っています。