荒れた胃に『セルベール』。胃薬でストレスから自分の胃を守ろう

「胃にベ〜ル、セルベ〜ル」というCMの『セルベール』。みなさんも聞き覚えのあるフレーズではなかったでしょうか。セルベールは、長年愛され続けている市販の胃薬です。

一方で、胃薬の成分によって効き方が異なることをご存知でしょうか?胃薬とはいえ、少なからず3種類以上効き方の異なる薬が販売されています。

そこで、「実際にどのような働きをするをするか分からないと思う方も多いのではないか」と思い、記事にしました。

今回は、『胃の調子が悪くなる原因』や『セルベールに配合している主な成分』について解説し、皆さんがこの記事を読んだ後、すぐに実践できるアクションプランも紹介します。

胃の調子が悪くなる2つの要因

胃を攻撃する『胃酸』と胃を守る『粘膜』の2つのバランスが崩れることで、胃の痛みやむかつきが起こります。ここで説明する「2つバランス」は、公園の遊具にあるシーソーをイメージしてください。以下のような感じです。

胃酸と粘膜(シーソー)
※左に傾くと胃の調子が悪くなる

胃酸が多く出ることで胃を刺激しますが、胃の粘膜により保護されます。つまり、「胃の痛み」や「むかつき」が起きやすい状態は、『胃酸が多く出る場合』もしくは『胃の粘膜が減少した場合』が考えられます。

胃酸↓と胃粘液↑

※今回は、胃の粘膜に関する内容にフォーカスして紹介するため、消化管機能や消化管運動に関する情報は割愛いたします。

胃を守るにはどうする?

では、胃を守るためにはどうすべきでしょうか?もう皆さんもお分かりですよね。

「胃酸が多く出る」もしくは「胃の粘膜が減少する」の2つを『逆の働き』にすることで、症状は改善する方向になります。

攻撃因子を減少させる方法

攻撃因子を減らす方法は『胃酸の働きを抑える』ことです。攻撃因子となる原因は以下があげられます。

・ストレス
・疲労や睡眠不足
・喫煙
・アルコール,カフェイン,辛い物など刺激物の摂取
・ピロリ菌

など、さまざまな原因が考えられます。

胃酸を抑える働きのあるお薬はこちらにて解説しております。

防御因子を増やす「セルベール」

セルベールは、防御因子の一つ「胃の粘液を増加させて胃を保護する」作用があります。それにより、胃酸などによる攻撃因子から守る効果があります。

セルベールに配合している成分

テプレノン

テプレノンは前述通り、胃の粘液を増やすことで胃酸やアルコールによる胃への刺激から守ります。

ソウジュツ乾燥エキス、コウボク乾燥エキス

胃の働きをよくする作用により、弱った胃の状態を改善する効果のある漢方です。

セルベールの飲み方

1日3回、1回1包を『食後』に服用しましょう。

※服用する際は、お水もしくはお湯で服用してください。

セルベールに関する副作用

セルベールにより現れやすい副作用は、「便秘」「下痢」「口のかわき」があります。そのような症状が持続したり強く現れる場合は、服用を中止して医師、薬剤師又は登録販売者に、この説明書を持参して相談してください。

セルベールに関するその他副作用について、こちらをご覧ください。

添付文書 | セルベール整胃錠 | エーザイ株式会社 

薬剤師視点のポイント

「テプレノン」は医療用と同じ成分です

テプレノンは、病院で処方する医療用医薬品としても使用されることのある成分です。医療用と同じ成分は、効果を得やすいため、軽い胃もたれや胸焼けの場合、市販薬で対処しましょう。

ただし、『2週間程服用しても症状が改善しない場合、病院へ受診』しましょう。

※定性的な紹介に留めており、定量的(用量)なことについて割愛いたします。

食後に服用する理由は?

テプレノンは脂溶性のため、食前に比べて食後に服用するほうが吸収されやすいからです。

セルベールを服用することで、胃の粘液を増やし胃粘膜を保護して、「胃もたれ」や「胸焼け」に効果を発揮します。

※脂溶性とは「油に溶けやすい」性質です。脂溶性の成分は胃の中に食べものが満たされることで吸収されやすくなります。

胃の弱い方は、解熱鎮痛薬の服用と一緒に服用

過去に解熱鎮痛薬(痛み止め・熱冷ましの薬)にて、胃のむかつきや痛みが現れた方は、テプレノンと一緒に服用することで副作用を軽減することができます。

市販薬を上手に使って対処しましょう。

セルベールの錠剤タイプもあります

「細粒タイプは飲みづらい」という方には、錠剤タイプの『セルベール整胃錠』があります。服用方法は、細粒タイプと同様に「1日3回、1回1錠」です。

早めに対処して毎日の健康を維持しよう

セルベールに配合している『テプレノン』は胃の粘液を増やすことで胃粘膜を保護する作用があると解説しました。

胃は、さまざまな要因により影響を受けやすい臓器です。症状が現れたと感じたら、早めに対処しましょう。ただし、2週間程服用しても症状が改善しない場合は、消化器内科へ受診しましょう。

 

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参考資料
・胸やけの症状・原因|くすりと健康の情報局
・胃痛の原因と対策|原因編|胃痛の原因|ガストール【エスエス製薬】

執筆者 / ファクトチェック / 監修者

Author profile

Ryo Omura

医療編集プロダクションMEDW 代表
株式会社TENTIAL メディアディレクター、リーガルチェック
理念
・誰にでもわかりやすい医療ヘルスケア情報を発信
・医療職の働き方にも自由度を。リモートワーク環境の構築
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