小青竜湯の効果について|アレルギー性鼻炎や他の花粉症薬との違い

クラシエ小青竜湯

「アレルギー性鼻炎の内服薬は眠くなる」「仕事や勉強に集中できない」など花粉症薬服用後の眠気に悩まされている方は多いのでないでしょうか?

ここでは、眠くなる成分を含まない漢方薬の小青竜湯エキス顆粒Aの効き目や他の花粉症薬との違いについて商品紹介します。

小青竜湯はどんな漢方薬?

小青竜湯は8つの生薬を配合した漢方薬です。

中医学の考え方では鼻かぜや花粉症などによって起こる鼻水は、冷たい風や気温などにより身体(肺)が冷え、水分代謝(身体の水分の巡り)が悪くなることが原因と考えられています。

小青竜湯は身体を温め、水分代謝を改善することで、鼻かぜや花粉症などによる鼻炎症状を改善します。

また、小青竜湯は鼻炎症状以外にも効果を持つお薬です。ではどんな効果があるのでしょうか?

小青竜湯の効能・効果

鼻をかむ女性

小青竜湯エキス顆粒Aにはうすい水様性のたんを伴うせきや鼻水が出る方の気管支炎、気管支ぜんそく、鼻炎、アレルギー性鼻炎、むくみ、感冒、花粉症に対して効果があります。

「気管支炎や気管支ぜんそくにも効果があるの?」と意外に思われる方も多いのではないでしょうか?これらの症状も身体(肺)の冷えによって起こると中医学では考えられています。そのため、小青竜湯は身体(肺)を温め、肺の機能を高めることで気管支炎や気管支ぜんそくを改善することができます。

小青竜湯に配合している生薬

桂枝

小青竜湯エキス顆粒Aは8つの生薬を配合しています。麻黄(マオウ)、桂枝(ケイシ)、細辛(サイシン)、五味子(ゴミシ)、芍薬(シャクヤク)、乾姜(カンキョウ)、甘草(カンゾウ)から構成されています。

配合している麻黄、桂枝が中心となって身体を温め、細辛、半夏、五味子、乾姜などが身体の水分の巡りを改善することで、花粉症やかぜなどの鼻炎症状を改善します。

また半夏や五味子にはせきを抑えたり、たんを薄くする働きもあります。

使用するうえでの注意点

服用タイミングは食前または食間

薬を服用する場合、食後に服用するのが一般的ですが、小青竜湯エキス顆粒Aの用法・用量には成人(15歳以上)の場合1回1包を1日3回食前又は食間に水又は白湯(さゆ)で服用と記載されています。

漢方薬は食前または食間服用のものがほとんどで、理由として食前・食間に服用することで、漢方の吸収を良くし早く効果を発揮させることができると考えられているからです。

食前食事の約30分前を指しますが、間違えやすいのは食間のタイミングです。食間とは食後2〜3時間後のことを指します。決して食事中に服用するという意味ではありませんので注意しましょう。

白湯(さゆ)とは?

小青竜湯エキス顆粒Aの用法・用量には成人(15歳以上)の場合1回1包を1日3回食前又は食間に水又は白湯(さゆ)で服用と記載されています。なかなか聞きなれない言葉ですが、白湯とは一度沸騰させた水を冷ましたものです。つまり、ぬるいお湯のことを指します。

小青竜湯の場合、身体を温める生薬が配合されているため、水よりも白湯と一緒に服用する方がより身体が温まりやすいです。

また身体が温まることで、冷えによる症状の悪化を防ぐことも考えられます。

オブラートで服用してもいいの?

漢方薬の匂いや苦味が気になる方も多いと思いますが、基本的にオブラートでの服用は止むを得ずの場合のみ使用可能です。なぜなら漢方薬は本来、生薬の苦味や匂いも大切な効果の1つと考えられているからです。

オブラートを使用することで、苦味や匂いを感じられず十分な効果が得られない可能性があります。そのため、オブラートの使用はなるべく控え、どうしてもの場合のみの使用しましょう。

小青竜湯による副作用

漢方薬には副作用がないと思われている方も多いですが、薬である以上副作用のリスクは考えられます。小青竜湯の場合、発疹、発赤、かゆみや吐き気、食欲不振、胃の不快感などがあります。

また、まれではありますが間質性肺炎という空咳や息苦しさ、寒気がない発熱などの風邪の症状に似た症状が出る場合や、偽アルドステロン症といって血圧が高くなったり、むくみが起こる場合があります。

その他、小青竜湯は生薬の麻黄を配合しているため、交感神経を刺激し尿の出が悪くなる場合があります。

もし服用後にこれらの症状が出てきた場合は副作用の可能性があるので、服用をやめて医師、薬剤師又は登録販売者にご相談ください。

小青竜湯を使用するうえでの注意点を解説

治療中の方や過去に病気の治療を行った方は相談しましょう

現在、治療中の病気がある方は主治医に小青竜湯を服用できるか相談しましょう。小青竜湯を服用することで病気が悪化したり、服用中のお薬の効果を妨げる可能性があります

また、過去に高血圧心臓病、腎臓病、甲状腺機能障害の治療を行った方は注意が必要です。小青竜湯には麻黄という生薬が配合されています。麻黄は主な有効成分としてエフェドリンを含んでいます。

エフェドリンは交感神経を刺激する働きがあり、血圧上昇や心臓の機能を高めてしまうなどの可能性があります。そのため服用しても問題ないか医師、薬剤師又は登録販売者に相談しましょう。

胃腸が弱い方は注意が必要

小青竜湯には生薬に麻黄を配合しています。

麻黄は胃腸障害を起こす可能性が報告されており、服用することで食欲不振や腹痛、下痢などの症状が起こる場合があります。

したがって、普段から下痢を起こしやすい方や食欲が出にくい方は小青竜湯を服用することで、症状が悪化する場合もあるので、服用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談しましょう。

漢方薬だけど効き目はあるの?

データを取る薬剤師

漢方薬の効き目に疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか?漢方薬って本当に効くの?と言われることもあります。しかし、小青竜湯には鼻炎症状を改善する効果が報告されています

名古屋市立大学医学部耳鼻咽喉科馬場駿吉医師らの研究によると、217例を対象に小青竜湯(医療用)を2週間服用した人の鼻炎症状の改善率は83.7%でプラセボ(有効成分を含まない薬)を服用した人の改善率43.6%と比較して有意に優れていたと報告しています。

引用文献:小青竜湯の通年性鼻アレルギーに対する効果(馬場駿吉,1995)

この報告からも、漢方薬の小青竜湯にも鼻水やくしゃみなどの鼻炎症状を改善する効果があることがわかります。

他の花粉症薬との違いは?

市販のアレルギー性鼻炎の内服薬(アレグラやクラリチンなど)には鼻炎症状を抑える為に、抗ヒスタミン成分や抗コリン成分を配合しています。これらの成分は眠気や口のかわき、便秘といった副作用を引き起こす場合があります。

しかし、小青竜湯エキス顆粒Aにはこの抗ヒスタミン成分や抗コリン成分は含まれていないため、鼻炎薬を服用した後の眠気や口のかわきが起こる心配がありません

小青竜湯はどんな方におすすめ?

小青竜湯は眠くなる成分を含まない漢方薬です。したがって、仕事や勉強で眠気が起こるのが心配な方や車の運転を行う方におすすめの鼻炎薬です。

また花粉症による鼻水以外にも、かぜ症状や気管支炎にも効果があります。そのため、アレルギー性鼻炎ではないけれど鼻水が出る方や、外出先や明け方など身体が冷えると起こるせきを改善したい方にもおすすめです。

薬剤師から小青竜湯を選ぶポイントを紹介

中医学の考えでは寒さなどによって、身体が冷えてしまうことで、身体の水分の巡りが悪くなり、鼻水などの鼻炎症状が発生すると考えられています。

小青竜湯は特に身体が冷えると鼻水が出る方に適した漢方薬です。配合生薬が身体を温め、水分の巡りを改善することで、鼻水などの鼻炎症状を改善します。

したがって、ご自身の鼻水が出るタイミングを確認してみましょう。室内から室外に移動した際に鼻水が出る方や朝方に鼻水が出るなど、身体の冷えによって鼻炎症状が起こる場合には小青竜湯を試してみてはいかがでしょうか。

目的に合う商品を選択していきましょう

小青竜湯エキス顆粒Aは花粉症やアレルギー性鼻炎に対して効果のある漢方薬です。また、眠くなる成分を含みません。したがって、鼻炎薬服用後も仕事や勉強に集中したい方、服用後に車の運転をしたい方、身体の冷えによって起こる鼻炎症状を改善したい方は小青竜湯エキス顆粒Aを試してみましょう。

 

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市販の花粉症薬の選び方

小青竜湯に関するQ&A

Q.何歳から服用できますか?

A.4歳から服用できます。

Q.服用できない人はいますか?

A.下記の方は服用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談しましょう。

・医師の治療を受けている方

・妊娠中、妊娠の可能性のある方

・体力の衰えている方、体の弱い方

・胃腸の弱い方

・発汗傾向の著しい方

・高齢の方

・今までに薬で発疹、発赤、かゆみ等を起こしたことがある方

・むくみや尿が出にくい症状がある方

・高血圧、心臓病、腎臓病、甲状腺機能障害の診断を受けた方

Q.他の鼻炎薬やかぜの内服薬と併せて飲んでもいいの?

A.小青竜湯には麻黄や甘草が含まれており、他の鼻炎薬やかぜの内服薬と成分が重複する場合があります。服用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談しましょう。

Q.薬剤師や登録販売者による販売が必要?

A.薬剤師もしくは登録販売者の常駐時に購入可能です。小青竜湯エキス顆粒Aは第2類医薬品です。薬剤師が不在の場合でも、登録販売者のいるドラッグストアなどで購入できます。※2020年2月時点

Q.ECサイトなどネットで購入することはできる?

A.通販サイトなどで購入できます。

参考資料
小青竜湯エキス顆粒A添付文書 
漢方薬よくある質問/漢方について知る/漢方セラピー 
三和生薬株式会社/よくあるご質問 
・小太郎漢方製薬株式会社/小青竜湯 
小青竜湯の通年性鼻アレルギーに対する効果 

執筆者 / ファクトチェック / 監修者

Author profile

Yosuke Fukuoka

薬剤師

【薬剤師】ドラッグストア薬剤師を4年間経験。その後、本社教育部門にて市販薬セミナーの講師を務める。広告やパッケージに惑わされないお薬選びのコツを「わかりやすく」伝えられるよう、日々の執筆を行っています。

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