夏バテを解消するには!原因と症状を把握して正しい解消方法を知ろう

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猛暑日が続き身体が休まらない日々。身体のだるさや疲れもとれず、食欲も無い。「これがもしかして夏バテ?」と思いながらも、どのように対策をして行けばよいのか分からない方もいるかと思います。新型コロナウイルスも流行っているので些細な症状でも心配になってしまいます。

暑い夏を体調万全で乗り越えるためには、夏バテの症状や原因が分かり、正しい対処方法を知ることで夏バテ知らずの身体を目指しましょう。

そもそも夏バテとは

夏、暑い日が続くと「身体のだるさ」や「食欲不振」などといった普段とは異なる症状に悩まされる方もいるかと思います。これらの症状を私たちは「夏バテ」という言葉で表現します。しかし、「夏バテ」という名前の病気は存在しません。

「夏バテ」とは日本特有の気候である高温多湿から生じる自律神経系の乱れなどから、私達の身体に引き起こされる様々な症状のことを表しており、暑気あたり(しょきあたり)・暑さ負け・夏負けと呼ばれることもあります。

夏バテの主な症状

夏バテの主な症状は多岐にわたります。

倦怠感(だるさ)・疲労感・食欲不振・下痢・便秘・頭痛・めまい・立ちくらみなどが上げられます。中でも、「疲れが取れにくい」、「体がだるい」といった症状は夏バテで多く現れます。近年は、昼夜通して気温も変化なく蒸し暑く寝苦しい日も続きます。

睡眠不足や疲労感、だるさが増し、症状が悪化しやすくなります。その他にも、思考力の低下・イライラ感などがあげられます。

夏バテの原因

ひまわりと穏やかな笑顔の女の子 夏

普段通りに生活しており、特に思い当たる原因がなく上記のような症状がみられる場合は、夏バテになっている可能性が多いに考えられます。夏バテの原因には大きく分けて「温度差による自律神経の乱れ」「暑さによる睡眠不足」「冷たいものなどの食事の偏り」の三つに分けられます。

温度差による自律神経の乱れ

自律神経の乱れは「全身のだるさ」や「不眠」「食欲低下」などといった症状を引き起こします。エアコンの普及により暑い夏でも快適に過ごせるようになった反面、冷房で冷えた屋内と猛暑の屋外の急激な温度差を生むようになりました。

体温調節を指示する役割は『自律神経』が担っており、暑い日には、全身に汗をかいたり血管を広げ身体にこもる熱を冷まそうとします。寒い時はその反対で、熱を逃がさないために全身の毛穴を収縮させ、血管も収縮させます。

急激な温度差のある環境に身をおくことで、体温調節を指示する自律神経が過剰に働き、疲弊や乱れを生じさせ、上記のような諸症状を引き起こしてしまいます。

暑さによる睡眠不足

近年は、昼夜通して気温も変化なく蒸し暑く寝苦しい日も続きます。寝苦しいと寝付くことができなかったり、夜中に何度も目が醒めてしまったり、睡眠不足になります。

睡眠不足は、自律神経の乱れにもつながります。そのため必然的に体温維持能力の低下へとつながります。また、睡眠中は成長ホルモンが沢山分泌され傷ついた組織や細胞を修復しています。睡眠不足や質の悪い睡眠が続くと、成長ホルモンが十分に分泌されず免疫細胞が減少し自然免疫の働きが低下してしまいます。

その結果、 風邪をひきやすくなったり治りも遅くなってしまいます。

冷たいものなど食事の偏り

夏は冷たい飲み物や食べ物を選びがちですが、これが夏バテの原因になります。冷たい物ばかり選び摂取していると、内臓にダイレクトに負担がかかり胃腸の働きが低下してしまいます。

また、夏バテから食欲不振となり食事を思う様に摂れなくなると1日に必要としている栄養素も十分に摂取することができず、免疫力の低下や回復力の低下などにつながります。

夏バテを解消するためには!日頃から気を付けるべきこと

携帯用扇風機

夏バテを解消するためには、簡単に取り組めることがあります。日頃から意識して取り組むことで、夏バテ知らずの身体を目指しましょう。

栄養バランスの良い食事をとる

暑い夏は、他の季節以上にタンパク質やビタミンを多く必要とします。夏バテ対策となる栄養素は、栄養価の高いタンパク質、脂肪、クエン酸、ビタミンB1をはじめ、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンCと各種ビタミンをとることが大切です。

具体的にあげると、肉、魚、天ぷら、ウナギ、緑黄色野菜などを各種栄養をバランス良く摂取するようにしましょう。塩分も適度に摂取することも重要で味噌汁を飲むことや、梅干しや塩飴など手軽に塩分摂取できる食べ物もありますので、外出時も持参しておくと良いでしょう。

こまめな水分補給

私たちの身体にとって水分は最も多く含まれる物質で、成人の身体の55〜60%を占めています。摂取した水分は、汗だけではなく尿や便、呼吸から自然に蒸発している水分「不感蒸泄(ふかんじょうせつ)」があります。不感蒸泄により、1日約2,400〜2,500mLほど水分が失われてしまいます。

夏はたくさん汗をかきやすくなるため更に失われる水分量は多くなります。「喉が乾いたな…」と感じる前にこまめに水分摂取することをオススメします。有効的な飲料水は、ミネラルが豊富に含まれている飲み物、ミネラルウォーター、麦茶やルイボスティーなどがあげられます。

大量に汗をかいた時には、水分、ミネラル、糖類を適切に摂取することが推奨されているため、スポーツドリンクや経口補水液なども合わせて摂取するようにしましょう。

ウォーキングなど適度な運動

夏バテ予防には、自律神経の働きを整えることができる有酸素運動がおすすめです。暑い時間帯の運動は避け、軽いジョギング、ウォーキングやラジオ体操、サイクリング、ヨガ、ストレッチなどを無理のない範囲内で行いましょう。

自律神経の乱れは体を動かすことで整います。食欲不振の改善や質の良い睡眠、免疫力アップなどに繋がります。

十分な睡眠

夏バテを防ぐには、十分な睡眠をとることがとても大切です。就寝中に出る「成長ホルモン」は、日中に疲労・傷ついた身体の器官や組織を回復させる働きがあるため、睡眠時間はしっかりと確保しましょう。暑さで眠れない、寝付けないという場合にはエアコンを適切に使いましょう。

エアコンを使用する時には、室温:25~28℃、外気との温度差:7℃以内、湿度は40%~60%が目安になります。エアコンが苦手という方は、就寝具や就寝着を冷感素材の物に変えてみたり、扇風機や冷却まくらアイスノンなどを適宜使用することもオススメです。

まとめ

近年、夏の平均気温も上がり夏バテで体調を崩す方も多いかと思います。夏バテは、普段の生活に加え少し気をつけるだけで予防・改善できます。こまめに水分摂取することを心がけ、初めはストレッチやラジオ体操からでもいいので無理のない軽い運動を生活の中に取り入れてみましょう。

そうすることで、乱れた自律神経も整いはじめます。疲れた身体をしっかり回復させるためには、十分な睡眠とバランスの良い食事が大切です。暑さは無理に我慢せず、エアコンを適切に使用し対応しましょう。

暑い夏ですが、しっかりと夏バテ対策をとれば旅行にレジャーにぴったりな季節です。日々、気をつけて暑い夏を乗り切りましょう。

 

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参考資料

・東京福祉保健局 健康・快適居住環境の指針

・松本薬剤師会 会営村井薬局ニュース|第122 号 R2 年9 月15 日発行

・全国保健協会 協会けんぽ の情報を元に作成

・自律神経失調症 | e-ヘルスネット(厚生労働省)

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執筆者 / ファクトチェック / 監修者

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Sayaka Itokazu

Sayaka Itokazu

看護師

産婦人科病棟3年、リハビリ特化型デイサービス2年、整骨院で高齢者を対象にパーソナルトレーナーを3年しておりました。
現在は、保育園看護師をメインでお仕事しています。身近な健康についての疑問や悩みなども一緒に考えていきましょう!
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【薬剤師】ドラッグストア薬剤師を4年間経験。その後、本社教育部門にて市販薬セミナーの講師を務める。広告やパッケージに惑わされないお薬選びのコツを「わかりやすく」伝えられるよう、日々の執筆を行っています。

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