咳が止まらず、痰が絡んで苦しい…そんな不快な症状を和らげるには、適切な市販薬を使って痰を出しやすくすることが重要です。痰がうまく排出されないと、呼吸がしづらくなったり、症状が長引くことがあります。
この記事では、痰をスムーズに出すために役立つ市販薬の選び方や効果、正しい使い方について詳しく解説します。咳や痰に悩んでいる方は、この記事を参考にして、早めの対策を取りましょう。
痰が出る原因とは?
痰は、体が異物や細菌を排出するために作り出す粘液であり、呼吸器系の防御反応の一部です。風邪や気管支炎、アレルギー反応などが原因で、痰が過剰に分泌されることがあります。特に咳を伴う症状では、痰が絡み、呼吸をしづらくすることがあります。
主な原因
- 風邪や気管支炎:風邪や気管支炎になると、気道に炎症が起き、痰が増えます。炎症が悪化すると、痰が粘り気を増し、排出しづらくなります。
- アレルギー:アレルギー反応により、気道が刺激され、痰が増えることがあります。花粉やホコリ、ペットの毛などが原因で痰が絡むこともあります。
- 喫煙:喫煙者は、タバコの煙によって気道に刺激を受けやすく、慢性的に痰が絡むことがあります。
痰を出すための市販薬の種類
市販薬には、痰を出しやすくするためのさまざまな種類があります。痰が絡む咳を改善するためには、症状に合わせた薬を選ぶことが重要です。
去痰薬
去痰薬は、痰を柔らかくし、喉や気管支から痰をスムーズに排出するのを助ける薬です。痰が粘り気を持っている場合や、うまく出せない場合に効果があります。
- ブロムヘキシン:肺や気道の粘液分泌を促進し、繊毛運動を亢進することで痰を出しやすくします。また痰の粘性を下げることで、痰を体外に排出しやすくする働きがあります。
- カルボシステイン:痰の粘度を下げ、スムーズに排出するのを助けます。痰が固まっている場合に効果があり、風邪や慢性の気管支炎に適しています。
鎮咳去痰薬
咳を鎮めながら痰を出しやすくする薬です。痰がからむけど咳も気になる場合に効果的です。
- グアイフェネシン:咳を鎮めながら、痰を出しやすくする作用があります。気道の粘液分泌を促進し、痰が絡む咳に効果的です。
- グアヤコールスルホン酸カリウム:気道分泌液を増加させることで、痰を出しやすくします。また気管支平滑筋の弛緩作用により、咳を鎮める効果もあります。
市販薬の効果的な使い方
痰を出しやすくするためには、市販薬を適切に使用することが重要です。以下のポイントを押さえて、効果的に薬を使いましょう。
使用量と用法を守る
市販薬は、必ずパッケージに記載されている使用量と用法を守って服用しましょう。過剰に摂取すると副作用が出る可能性がありますので、決められた量を守ることが大切です。
水分補給を心がける
痰を出しやすくするためには、十分な水分補給が必要です。薬を服用する際には、こまめに水を飲み、体内の水分を保つことで、痰が柔らかくなり、排出しやすくなります。
症状が続く場合は医師に相談する
市販薬を使用しても症状が続く場合や、痰が血を含んでいる場合は、すぐに医師に相談しましょう。長引く咳や痰には、何らかの病気が隠れている可能性があります。
市販薬と併せて行う生活習慣改善
市販薬を使って痰を排出しやすくするだけでなく、日常生活でもいくつかの習慣を取り入れることで、症状の緩和が期待できます。
加湿を心がける
乾燥した空気は、気道を刺激し、痰が固まりやすくなります。部屋に加湿器を置くなどして、湿度を保つことで、痰を出しやすくする効果があります。
禁煙する
喫煙は気道に刺激を与え、痰が絡む咳を悪化させます。喫煙者の方は、できるだけ禁煙を心がけることが、症状の改善につながります。
まとめ
痰が絡む咳は、日常生活に大きな影響を与えますが、市販薬を上手に使うことで、症状を改善することが可能です。去痰薬や鎮咳去痰薬を使って、痰をスムーズに出しやすくし、水分補給や生活習慣の改善を取り入れることで、早期に症状を軽減しましょう。
もし市販薬を使用しても症状が改善しない場合や、痰に異常が見られる場合は、早めに医師に相談することが大切です。1日でもはやく痰のない状態を取り戻し、快適な日常生活を送りましょう。
参考資料
咳や痰(たん)が止まらないときの対処法は?つらい、しつこい咳を和らげる方法 | クラシエの漢方 かぜシリーズ
喉の違和感をなんとかしたい!痰(たん)って何者? | クラシエの漢方 かぜシリーズ
喫煙と呼吸器疾患 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
ブロムヘキシン塩酸塩
執筆者 / ファクトチェック / 監修者
Yosuke Fukuoka
【薬剤師】ドラッグストア薬剤師を4年間経験。その後、本社教育部門にて市販薬セミナーの講師を務める。広告やパッケージに惑わされないお薬選びのコツを「わかりやすく」伝えられるよう、日々の執筆を行っています。
Nobuhiro Nagao
病院薬剤師として6年勤務。主にがん領域を経験。
現在は調剤薬局にて経営者かつ薬剤師として地域の健康サポートに取り組んでいます。
また、webライターとしてOTCやセルフメディケーションについて正しい医療情報を発信し、悩みを解消できる記事作成に励んでいます。
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