アレジフェンスとは?アレジオンとの違いや目薬の特徴を紹介

「目を取り出して洗いたいほどかゆい」
「目のアレルギー症状を抑えたい」

アレジフェンスは、そのような方に販売されているアレルギー専用の目薬です。今回は、アレジフェンスの効果や有効成分の特徴について詳しく見ていきましょう。アレジオンとの違いも解説しているので参考にご覧ください。

アレジフェンスとは

アレジフェンスとは、わかもと製薬から販売されているアレルギー専用の目薬です。スギ花粉はもちろん、ヒノキやカモガヤ、ブタクサやハウスダストなどのアレルゲンによるアレルギー症状に使用できます。

1本あたり5mlと少用量なので、持ち運びに便利です。使い切りやすい量なので衛生面を保ちやすいことも特徴です。

アレジフェンスの効果や成分

アレジフェンスの使用年齢は7歳以上と、比較的小さな子どもから使用できる目薬です。目のかゆみや充血、異物感を抑える成分として抗アレルギー成分が配合されています。

効能効果

アレジフェンスの効能効果は、次の通りです。

花粉、ハウスダスト(室内塵)などによる次のような 目のアレルギー症状の緩和:
目のかゆみ、目の充血、 目のかすみ(目やにの多いときなど)、なみだ目、 異物感(コロコロする感じ)

成分

有効成分として、アシタザノラスト水和物が配合されています。アシタザノラスト水和物は、アレルギー症状を引き起こすケミカルメディエーター(化学伝達物質)の放出を抑制する成分です。

ケミカルメディエーターには、ロイコトリエンや血小板活性化因子、プロスタグランジン類などがあります。これらの物質が放出されるのを抑えることで、かゆみや充血などを緩和します。

用法用量

1回1~2滴、1日4回(朝、昼、夜、寝る前)点眼してください。点眼するときは、容器の先がまぶたやまつ毛に触れないように注意しましょう。コンタクトレンズを装用しているときは使用できません。使用するときはコンタクトレンズを外し、点眼して5分以上経ってからコンタクトレンズを装着します。

副作用

次のような症状が出た場合は、副作用の可能性があります。

  • 発疹・発赤
  • かゆみ
  • 充血
  • 腫れ
  • 刺激感
  • 痛み
  • なみだ目

目のかゆみや炎症に効く目薬の主な成分

目のかゆみや炎症に効く成分には、いくつか種類があります。

目のかゆみや充血に効くケミカルメディエーター遊離抑制成分

ケミカルメディエーター遊離抑制成分は、目のかゆみや充血に効く成分です。ヒスタミンのようなかゆみなどを引き起こす物質が肥満細胞から出てこないようにする働きがあります。症状が酷くなる前に使い始めるとより効果的です。

代表的な成分クロモグリク酸ナトリウム
アシタザノラスト水和物トラニラスト
用途目のかゆみや充血を抑える。
作用機序肥満細胞の細胞膜を強化することで、アレルギー症状を引き起こすケミカルメディエーターの遊離を抑制する。

目のかゆみに効く抗ヒスタミン成分

アレルギー反応を引き起こす原因となるヒスタミンの働きを抑える成分です。ある程度の即効性があることから、多くの目薬に配合されています。

代表的な成分クロルフェニラミンマレイン酸塩
ジフェンヒドラミン塩酸塩
用途目のかゆみを抑える。
作用機序アレルギー反応を引き起こすヒスタミンの働きを抑え、目のかゆみを抑制する。

コロコロ感や充血に効く抗炎症成分

プラノプロフェンやグリチルリチン酸二カリウムは、抗炎症効果をもつ成分です。プラノプロフェンは妊娠している方や妊娠の可能性がある方は使用できないので注意してください。

代表的な成分プラノプロフェン
グリチルリチン酸二カリウム
用途炎症を抑えることで目の異物感や充血を抑える。
作用機序プロスタグランジンの生合成を抑制することで炎症を抑えます。

結膜の充血を抑える血管収縮成分

目の充血は、血管が膨らむことで起こります。塩酸ナファゾリンや塩酸テトラヒドロゾリンは、膨らんだ血管を収縮させて充血を取る成分です。

代表的な成分塩酸ナファゾリン
塩酸テトラヒドロゾリン
用途目の充血を抑える。
作用機序血管を収縮して結膜の充血を抑える。

アレジフェンスとアレジオンの違い

チェックポイント

アレジフェンスは、アレルギー症状を抑えるための目薬です。一方でアレジオンは、目薬ではなく飲み薬として販売されています。名前は似ていますが、アレジフェンスは医療用で使われているアレジオン点眼液とは別の薬です。

アレジフェンスの主成分であるアシタザノラスト水和物はケミカルメディエーター遊離抑制薬、アレジオンの主成分であるエピナスチン塩酸塩は抗ヒスタミン薬なので、薬の種類も異なります。

アレジフェンスアレジオン
有効成分アシタザノラスト水和物エピナスチン塩酸塩
剤形点眼液錠剤
効能効果花粉、ハウスダスト(室内塵)などによる次のような 目のアレルギー症状の緩和:目のかゆみ、目の充血、 目のかすみ(目やにの多いときなど)、なみだ目、 異物感(コロコロする感じ)花粉、ハウスダスト(室内塵)などによる次のような鼻のアレルギー症状の緩和:鼻みず、鼻づまり、くしゃみ

アレジフェンスの特徴

アレジフェンスは、オールシーズンにわたって使用できます。セルフメディケーション税制も対象です。ただし、コンタクトを装用したままの使用はできません。

季節を問わずいつでも使用可能

アレルギーや花粉と聞くと、スギ花粉がピークとなる時期を想像されるかもしれません。しかしアレジフェンスは、季節を問わず症状があるときはいつでも使用できます。ただし、2週間を超えて使用するときは、医師や薬剤師、登録販売者に相談してください。

セルフメディケーション税制の対象製品

アレジフェンスは、セルフメディケーション税制の対象製品です。年間合計で12,000円(税込)以上の対象製品を購入すると、所得控除を受けられるようになります。

コンタクト使用時は不可なので注意

アレジフェンスは、コンタクトレンズの装用中には使えないので注意してください。装用中に使用すると、コンタクトレンズに防腐剤や薬剤が吸着してレンズが変性したり目が傷ついたりする恐れがあります。使用する際はコンタクトレンズを外してから点眼し、5分以上経ってから装用しましょう。

まとめ

アレジフェンスは、アレルギー症状を抑えるアシタザノラスト水和物が配合された点眼薬です。ヒスタミンやロイコトリエンなどのケミカルメディエーターの遊離を抑えることで目のかゆみや充血などを緩和します。

血管収縮剤や抗ヒスタミン薬など眼圧を上げる恐れのある成分が配合されていないため、緑内障の方でも使用可能です。症状が軽いうちから使用すると効果を発揮しやすいため、花粉が本格的に飛散する前から手元に用意しておくとよいでしょう。

参考資料

アレルギー専用眼科用薬 アレジフェンス|わかもと製薬
https://www.wakamoto-pharm.co.jp/arejifensu/ 

プラノプロフェン点眼液 添付文書
https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00068105.pdf 

花粉・アレルギー性鼻炎には、アレジオン20 製品情報|エスエス製薬
https://www.ssp.co.jp/product/all/alesion20/ 

知ってトクする セルフメディケーション税制
https://www.jfsmi.jp/lp/tax/ 

税制について|知ってトクする セルフメディケーション税制
https://www.jfsmi.jp/lp/tax/about/ 

執筆者 / ファクトチェック / 監修者

Author profile

Yosuke Fukuoka

薬剤師

【薬剤師】ドラッグストア薬剤師を4年間経験。その後、本社教育部門にて市販薬セミナーの講師を務める。広告やパッケージに惑わされないお薬選びのコツを「わかりやすく」伝えられるよう、日々の執筆を行っています。

Author profile

Nobuhiro Nagao

薬剤師

病院薬剤師として6年勤務。主にがん領域を経験。
現在は調剤薬局にて経営者かつ薬剤師として地域の健康サポートに取り組んでいます。
また、webライターとしてOTCやセルフメディケーションについて正しい医療情報を発信し、悩みを解消できる記事作成に励んでいます。

一緒にセルフメディケーションについて知識を増やしていきましょう。

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