バファリンを飲んだ後に胃が痛くなった経験はありませんか?
その胃の痛みはバファリンの飲み方が原因かもしれません。今回はバファリンシリーズの正しい選び方や服用方法を紹介し、胃への負担を少しでも減らすことができるバファリンシリーズの使い方を解説していきます。
薬剤師から4つのポイント
空腹時は避けて飲むのが基本中の基本
アスピリンやイブプロフェンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)に分類される有効成分はバファリンシリーズにも含まれています。NSAIDsは胃の粘膜を傷つけてしまう可能性があるため、バファリンシリーズは基本的に空腹時を避けて飲みましょう。
バファリンシリーズの中でもバファリンAは胃粘膜を保護する成分が含まれているため、胃への負担を少しでも軽くしたい場合は、バファリンAを選択しても良いかもしれません。
以前に胃潰瘍などを経験している場合はNSAIDsではなくアセトアミノフェンのみを有効成分として含むバファリン ルナJの服用を検討してみてはいかがでしょうか。
痛みは我慢せず、すぐに服用すること
私たちは痛みの原因となる物質が身体の中で一定以上作られると頭痛や生理痛などの痛みを感じます。また、NSAIDsは痛みの原因物質の発生を抑えることで鎮痛作用を発揮します。そのため、痛みを感じても我慢を続け、どうしても我慢できなくなってからバファリンを服用しても症状が改善しないことがあります。
バファリンを服用するときは「痛いかも?」と感じてから可能な限り早めに服用しましょう。ただし、痛みが出る前に服用したり症状が改善しないときに何度も服用することは避けてください。
追加での服用は4時間空けること
バファリンシリーズを服用しても症状が改善しないときは、一定の時間を空けることで1日に2回もしくは3回服用できます。バファリンAを除くバファリンシリーズは間隔を4時間以上空けると追加で服用できます。バファリンAを複数回服用するときは間隔を6時間以上空けましょう。
多めの水での服用を基本とすること
一般的に薬を服用するときはコップ一杯程度(200mL)の水と一緒に服用すると良いと言われています。水の量が少ないと有効成分の吸収が遅くなることや吸収量が減ることで十分な効果を得られない可能性があります。
バファリンの飲み方で注意すること
バファリンなどの市販の解熱鎮痛薬はドラッグストアや薬局などで簡単に入手できるようになりました。つらい症状を緩和してくれる一方で、いつの間にか自己流で飲んでしまう場合もあるかもしれません。
適正な飲み方で続けられるように以下の注意点をみていきましょう。
鎮痛薬はクセになるからと痛みを我慢しない
バファリンを日常的に服用することは胃への負担などを考えると控えるべきですが、痛みがあるときまでバファリンの服用を我慢する必要はありません。痛みを感じたときは定められた飲み方を守って早めに服用しましょう。
服用しても痛むからとすぐに追加服用しない
バファリンは痛みや発熱に対して効果がある市販薬であるため、頭痛や生理痛などの痛みがあるときにバファリンを服用することは間違いではありません。しかし、一度服用しても効果がないからといってすぐに追加で服用することは避けてください。
もし追加でバファリンを服用するときは、4もしくは6時間以上の間隔を空けましょう。十分な間隔を取らずに追加服用してしまうと、胃痛のリスクが高まります。
カフェインを含むお茶やコーヒーで服用はNG
お茶やコーヒーに含まれるカフェインは胃酸の分泌を促進する働きがあるため、特に空腹時のバファリンをお茶やコーヒーと一緒に服用すると胃への負担が大きくなります。バファリンを服用するときは水と一緒に服用しましょう。
胃弱の人や胃潰瘍などの人は特に注意
よく胃が痛くなる人や以前に胃潰瘍になったことがある人は胃に負担がかかるバファリンをはじめとする市販の解熱鎮痛剤を服用するときは注意が必要です。胃への負担を少しでも軽くしたい場合は、胃粘膜を保護する成分を含むもしくは有効成分としてアセトアミノフェンのみを含む商品を選んでください。
まとめ
服用すると胃に負担をかけやすいバファリンシリーズでも、商品選択から服用方法まで見直すことで負担を少しでも減らすことができます。バファリンシリーズの正しい使い方を身に付けることでバファリンの効果を実感できるかもしれません。
参考資料
バファリンホームページ
執筆者 / ファクトチェック / 監修者
Yuki Ohkoshi
調剤併設ドラッグストアや調剤薬局にて15年以上保険薬剤師として勤務。患者様の心に寄り添う投薬を心掛けています。
また、医療・薬や育児に関する記事を中心に執筆しています。恐竜大好きわんぱく男の子を育てる未婚のシングルマザーで育児奮闘中。
Yosuke Fukuoka
【薬剤師】ドラッグストア薬剤師を4年間経験。その後、本社教育部門にて市販薬セミナーの講師を務める。広告やパッケージに惑わされないお薬選びのコツを「わかりやすく」伝えられるよう、日々の執筆を行っています。