
「疲れた時と肌荒れ、口内炎に」がうたい文句の『チョコラBBプラス』。第3類医薬品なら効きそうかも……と思う方もいらっしゃるでしょう。今回は『チョコラBBプラス』の内容成分に着目し、なぜ疲れや肌荒れに対して効果があるのか解説します。疲れやすい方や肌荒れ、口内炎に悩まれている方はぜひ最後までご覧ください。
「チョコラBBプラス」の特徴
『チョコラBBプラス』はエーザイ株式会社から発売されている、第3類医薬品に該当するビタミン剤です。複数のビタミンが配合されており、肌荒れ、にきび・吹き出物、口内炎の緩和と疲れた時に効果的とされています。また、第3類医薬品ということもあり、医師の処方箋などは必要なく、ドラッグストアで購入することができます。
代謝をサポートするビタミン配合
ビタミンは健康的な食事には不可欠です。ほとんどのビタミンについて、健康な人が健康を維持するために必要な1日あたりの量を表した推奨量が設定されています。
一部のビタミンには体の中で常に行われている代謝をサポートする働きがあります。ビタミンが不足すると代謝をうまく行うことができず、次のような影響が現れる場合があります。
代謝の悪化による影響
疲れやすい:体に吸収された糖質、脂質、たんぱく質は代謝によってエネルギーへと変換されます。このエネルギーの変換を行う際にビタミンが必要となるため、ビタミンが不足すると疲れやすくなることがあります。
肌荒れ:ビタミンB2は細胞の産生にも関与しています。ビタミンB2が不足すると肌などにおいて細胞がうまく産生されず、新陳代謝が滞ることで肌荒れを引き起こす可能性があります。
「チョコラBBプラス」の成分について

『チョコラBBプラス』にはリボフラビンリン酸エステルナトリウムをはじめピリドキシン塩酸塩、チアミン硝化物、パントテン酸カルシウムなどのビタミンが配合されています。これらのビタミン群が体の中で必要となる代謝をサポートし、様々な効果をもたらします。
余談ですが、商品名の『チョコラ』はチョコレートとコーラが由来だそうです。
*チョコレートもコーラも直接製品には関係ありません。
リボフラビンリン酸エステルナトリウム(ビタミンB2リン酸エステル)
リボフラビンリン酸エステルナトリウムは別名ビタミンB2リン酸エステルとも呼ばれる水溶性ビタミンです。主に、脂質の代謝をサポートする働きがあります。また、ビタミンB2は皮膚や粘膜の新陳代謝を正常に近づけることで肌荒れに効果があるビタミンです。
ピリドキシン塩酸塩(ビタミンB6)
ピリドキシン塩酸塩は別名ビタミンB6とも呼ばれる水溶性ビタミンです。ビタミンB2が主に脂質の代謝をサポートする一方で、ビタミンB6は主にたんぱく質の代謝をサポートしエネルギーに変える役割があります。また、ビタミンB6は皮膚や粘膜の新陳代謝を正常に近づけることで肌荒れに効果があるビタミンです。
チアミン硝化物(ビタミンB1硝酸塩)
チアミン硝化物は別名ビタミンB1硝酸塩とも呼ばれる水溶性ビタミンです。ビタミンB2が主に脂質の代謝をサポートする一方で、ビタミンB1硝酸塩は主に糖質(炭水化物)の代謝をサポートしエネルギーに変える役割があります。
ニコチン酸アミド
ニコチン酸アミドは別名ビタミンB3とも呼ばれる水溶性ビタミンです。ビタミンB3の主な働きは皮膚や粘膜を正常に保ち、血流を良くすることです。欠乏すると、ペラグラという皮膚炎、胃腸障害、神経障害を主徴とする症状が起こることが知られています。
パントテン酸カルシウム
パントテン酸は別名ビタミンB5と呼ばれる水溶性ビタミンです。ビタミンB5は脂質、たんぱく質、糖質の代謝をサポートしエネルギーを産生する役割と皮膚や粘膜を正常に保つ役割があります。
「チョコラBB」の製品について
『チョコラBB』には『チョコラBBプラス』の他に『チョコラBBピュア』、『チョコラBBローヤル2(ドリンク)』などの製品があります。それぞれの製品ごと、配合されている成分や、剤形が異なるため、目的や好みに併せて使い分けることができます。
詳しくは以下のリンクをご覧ください。
チョコラドットコム- キレイと元気を応援するチョコラドットコム
薬剤師からのポイント

飲み過ぎないでください
『チョコラBBプラス』をはじめとするビタミン剤は多くを飲むことによって症状が改善するものではありません。ビタミンの種類によっては飲み過ぎると体に不調をきたすものもあります。製品に記載されている用法・用量を守って適切にお飲みください。
健康的な生活習慣から
健康的な身体は健康的な生活習慣によって得られます。バランスの良い食事を摂り、適度な運動、適度な睡眠が最も重要です。ビタミン剤はあくまでサポートだということを忘れず、健康的な生活習慣を心掛けてください。
チョコラBBプラスはどんな人におすすめ?
『チョコラBBプラス』は、以下のような悩みを抱える方におすすめです。
- 口内炎ができやすい方
ビタミンB群の不足は、粘膜の健康を保てず口内炎の原因になります。『チョコラBBプラス』に含まれるビタミンB2やB6は、粘膜の再生をサポートし、口内炎の予防・改善に効果が期待されます。 - 肌荒れやにきびが気になる方
脂質やたんぱく質の代謝がうまくいかないと、皮膚の生まれ変わり(ターンオーバー)が滞り、肌荒れを引き起こします。ビタミンB群は代謝を助け、肌の健康を内側から支える成分です。 - 疲れやすい・だるさを感じやすい方
エネルギーをつくる過程でビタミンB群は重要な働きをします。不足すると、食事でとった栄養をうまくエネルギーに変えることができず、疲労感が抜けにくくなることもあります。 - 栄養が偏りがちな方
外食やコンビニ食が多く、野菜やたんぱく質が不足していると、ビタミンB群が不足しがちです。サプリメント感覚でビタミンを補いたい方にとって、ドラッグストアで手軽に購入できる『チョコラBBプラス』は便利です。
肌荒れ・口内炎が治らないときは?
『チョコラBBプラス』を服用しても肌荒れや口内炎がなかなか治らない場合、いくつかの理由が考えられます。
- 生活習慣の乱れが続いている
睡眠不足、偏った食生活、ストレスなどがあると、ビタミン剤の効果が感じにくいことがあります。まずは生活リズムの見直しを心がけましょう。 - 栄養素の吸収がうまくいっていない
胃腸の不調や薬の影響などで、ビタミンの吸収がうまくいかないケースもあります。継続して症状が改善しない場合は医師に相談を。 - 別の原因が隠れている可能性も
繰り返す肌荒れや口内炎のなかには、アレルギー、免疫力の低下、ホルモンバランスの乱れ、さらには内科的な病気が関係している場合もあります。2週間以上続くような場合や、痛みや腫れが強い場合には、自己判断せず皮膚科や内科を受診しましょう。
まとめ|チョコラBBプラスは、肌・口内・疲れに悩む方の“内側からのケア”におすすめ
『チョコラBBプラス』は、ビタミンB2・B6を中心としたビタミン群が、代謝をサポートし、肌荒れ・口内炎・疲労感の改善を助ける医薬品です。
ドラッグストアで手軽に購入できる第3類医薬品として、「なんとなく不調」を感じる方のセルフケアに役立ちます。
ただし、ビタミン剤はあくまでサポート役。
睡眠・食事・ストレスケアと併せて活用することで、より高い効果が期待できます。
改善が見られないときは、早めの医師相談を検討しましょう。
今回はビタミンB2をはじめ複数のビタミンが配合されている『チョコラBBプラス』についてその内容成分から詳しく解説しました。疲れやすい方や肌荒れに悩む方は日々の食生活のサポートとして取り入れてみると良いかもしれません。
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参考資料
・添付文書 | チョコラBBプラス | エーザイ株式会社
・第2章 日本衛材株式会社の船出
・ビタミンの概要 – 11. 栄養障害 – MSDマニュアル家庭版
執筆者 / ファクトチェック / 監修者

Nobuhiro Nagao
病院薬剤師として6年勤務。主にがん領域を経験。
現在は調剤薬局にて経営者かつ薬剤師として地域の健康サポートに取り組んでいます。
また、webライターとしてOTCやセルフメディケーションについて正しい医療情報を発信し、悩みを解消できる記事作成に励んでいます。
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