
年齢を重ねるとともに、顔のシミやそばかすが気になりはじめた方も多いのではないでしょうか。日焼け止めや美白クリームなど「外側からのケア」はもちろん大切ですが、実はシミ対策には「内側からのケア」も欠かせません。
市販薬を使ってシミを改善したいと考えている方の中には、「本当に効くの?」「どれくらいで効果が出るの?」と疑問を感じている方もいるかもしれません。この記事では、シミに効く市販薬の選び方や主要成分、代表的な商品に加え、効果を引き出すための生活習慣や食事のポイントについても、薬剤師の視点からわかりやすく解説します。
薬剤師からの選び方のポイント

シミに効く成分のメインはL-システイン
シミに効く市販薬のなかで、メインの成分はL-システインです。L-システインにはシミの原因となるメラニンの発生を抑えるはたらきとお肌に蓄積されたメラニンを排出するはたらきによってシミを改善する効果があります。
商品の違いはビタミンCの配合量
さきほどご紹介したL-システインの含有量はほとんどの商品で変わらず240mgを配合しています。しかし、ビタミンCの配合量は商品ごとに異なります。。ビタミンCにもメラニンの発生をおさえたり、メラニン自体を薄くするはたらきがあるため、商品を選ぶ際にはビタミンCの配合量もチェックしてみてください。
1日の服用回数も大切
シミに効く市販薬は短期間で効果が出るものではないため、毎日の継続服用が大切です。商品のなかには1日3回タイプや1日2回タイプがあるため、日中はお仕事や家事で忙しく服用するのが難しい方は1日2回タイプを選んでみましょう。
市販薬でシミは本当に消えるの?効果の出方と期間の目安
シミ対策の市販薬に含まれるL-システインやビタミンCなどの成分は、メラニンの生成を抑える・排出するはたらきがあるため、内側からシミにアプローチできます。
ただし、市販薬は即効性のある治療薬ではなく、継続的な服用によって少しずつ効果を実感できるものです。早い方では1〜2ヶ月ほどで肌の変化を感じ始めることもありますが、一般的には3ヶ月以上の継続服用が推奨されます。
また、個人差があるため、肌質や生活習慣によっても効果の出方は異なります。まずは3ヶ月を目安に続けてみることが大切です。
シミの種類

シミには以下のように4つの種類があります。
・日光性黒子(老人性色素班)
・炎症後色素沈着
・肝斑
・そばかす(雀卵斑)
4つのなかでも日光性黒子に悩まされる女性が多いです。日光性黒子とは紫外線ダメージの蓄積で起こるシミで、今回ご紹介する市販薬は日光性黒子や炎症後色素沈着、そばかすの3つのシミに対して効果があります。
肝斑の場合には肝斑専用の市販薬『トランシーノ II』があるため、気になる方は以下の記事を参考にしてみてください。
>>肝斑とは?
https://www.ssp.co.jp/hythiol/troublenavi/shimi/melasma.html
シミに効く代表成分
ここでは、シミに効く市販薬に配合されている代表的な成分のはたらきを紹介します。
L-システイン
シミの原因であるメラニンの発生を抑えるはたらきがあります。またお肌の新陳代謝(ターンオーバー)を促進し、すでにできてしまったメラニンの排出を促すはたらきもあります。
ビタミンC
シミの原因であるメラニンの発生を抑えるはたらきがあります。またL-システインとの違いは、すでにできてしまったメラニンを無色化(薄くする)はたらきがあり、今できているシミ(メラニン)に対して十分にアプローチしたい方はビタミンCが多く配合されている商品を選ぶとよいです。
ビタミンE
ビタミンEには血行促進作用があり、血行がよくなることでシミの原因であるメラニンの排出を促します。
シミに効く代表商品
ハイチオールCプラス2
エスエス製薬が販売するシミに効く市販薬です。
【配合成分】(1日配合量)
・L-システイン(240mg)
・ビタミンC(500mg)
・パントテン酸カルシウム(24mg)
トランシーノホワイトCクリア

第一三共が販売するシミに効く市販薬です。
【配合成分】(1日配合量)
・L-システイン(240mg)
・ビタミンC(1000mg)
・ビタミンE(50mg)
・ビタミンB2(6mg)
・ビタミンB6(12mg)
・ビタミンB3(60mg)
シナールLホワイトエクシア

シオノギが販売するシミに効く市販薬です。
【配合成分】(1日配合量)
・L-システイン(240mg)
・ビタミンC(1200mg)
・ビタミンB6(12mg)
・パントテン酸カルシウム(24mg)
・ビオチン(500μg)
シミ対策におすすめの生活習慣・食事とは?薬と一緒に取り入れよう
市販薬を使っていても、生活習慣や食事が乱れているとシミの改善は難しくなります。以下のような習慣を意識してみましょう。
おすすめの生活習慣
- 紫外線対策:外出時は日焼け止め・帽子・日傘を活用
- 睡眠の質を高める:ターンオーバー(肌の生まれ変わり)を促進
- ストレスケア:ホルモンバランスの乱れによるシミ予防に
シミ対策に役立つ栄養素と食品
- ビタミンC:パプリカ、キウイ、いちごなど
- ビタミンE:アーモンド、アボカド、かぼちゃなど
- L-システインのもとになるたんぱく質:卵、大豆、鶏むね肉など
薬と併せて、バランスのとれた食事や規則正しい生活を心がけると、シミケアの効果をより実感しやすくなります。
まとめ

シミに効く市販薬の多くには、L-システインやビタミンCなど、メラニンの生成を抑えたり排出を促したりする成分が含まれています。中でも、L-システインの配合量はほとんどの商品で共通しており、商品選びの際はビタミンCの量や服用回数などの違いに注目すると、ご自身に合ったものが見つけやすくなります。
また、市販薬は即効性があるものではないため、最低でも2〜3ヶ月間継続して服用することが大切です。そのうえで、紫外線対策やバランスの良い食事、十分な睡眠など、日々の生活習慣を見直すこともシミケアには欠かせません。
外側と内側、両方からのアプローチを取り入れて、より透明感のある肌を目指していきましょう。
参考文献
あなたのシミの種類をチェック/ハイチオール【エスエス製薬】
https://www.ssp.co.jp/hythiol/troublenavi/shimi/check/
肌の代謝とL-システイン/ハイチオール【エスエス製薬】
https://www.ssp.co.jp/hythiol/lcysteine/#id04
シミ、疲れ・だるさには、ハイチオールCプラス2 製品情報/エスエス製薬
https://www.ssp.co.jp/product/all/hcp2/
トランシーノ ホワイトCクリア/トランシーノ /第一三共ヘルスケア
https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/site_transino/transino-c/
シナールLホワイトエクシア/シオノギヘルスケア
https://www.shionogi-hc.co.jp/cinal_exia/lwe.html
執筆者 / ファクトチェック / 監修者

Nobuhiro Nagao
病院薬剤師として6年勤務。主にがん領域を経験。
現在は調剤薬局にて経営者かつ薬剤師として地域の健康サポートに取り組んでいます。
また、webライターとしてOTCやセルフメディケーションについて正しい医療情報を発信し、悩みを解消できる記事作成に励んでいます。
一緒にセルフメディケーションについて知識を増やしていきましょう。
Yosuke Fukuoka
【薬剤師】ドラッグストア薬剤師を4年間経験。その後、本社教育部門にて市販薬セミナーの講師を務める。広告やパッケージに惑わされないお薬選びのコツを「わかりやすく」伝えられるよう、日々の執筆を行っています。