突然のめまいに注意!考えられる症状とその対処法

突然のめまいに注意!考えられる症状とその対処法

「急にふらつくような感覚に襲われた…」
「立ち上がると目の前が回るような気がする」
そんなめまいの症状は、誰にでも起こりうるものです。

めまいは、疲労やストレス、血圧の変化など、さまざまな原因で引き起こされることがありますが、症状が頻繁に現れる場合には、しっかりと対処することが必要です。この記事では、めまいの原因や症状、そして対処法や予防策について詳しく解説します。

日常生活でめまいに悩まされることなく、安心して過ごせるように、正しい知識や対策を身につけましょう。

めまいの主な症状

めまいの主な症状

めまいの症状は、原因や種類によって異なりますが、大きく分けて以下の3つのタイプに分類されます。

回転性めまい

回転性めまいは、周囲の景色がぐるぐる回っているように感じる症状です。多くの場合、内耳に問題があることが原因です。

  • 特徴:自分自身や周囲が回転しているように感じ、立っていられないほどの不安定感を伴うことがある。めまいの種類によっては、吐き気、耳鳴り、難聴、耳の閉塞感伴うこともあります。
  • 原因:内耳の平衡感覚を司る部分が影響を受けると、回転性めまいが引き起こされます。良性発作性頭位めまい症やメニエール病が代表的な原因です。

浮動性めまい

浮動性めまいは、体がふわふわと浮いているような感覚や、地面が不安定に感じる症状です。バランスが取りにくくなるため、転倒のリスクが高まります。

  • 特徴:体が浮いている、揺れているように感じ、地面が動いているような不安定感を伴います。歩行時にふらつき、転倒する危険性があります。
  • 原因:自律神経の乱れやストレス、疲労、睡眠不足が原因となることが多く、また、血圧の急激な変化や貧血が引き金になることもあります。

立ちくらみ(起立性低血圧)

立ち上がった瞬間に目の前が暗くなり、ふらつくような症状が立ちくらみです。血圧が急に低下することが原因で、脳に十分な血液が行き渡らないために起こります。

  • 特徴:立ち上がった際に目の前が暗くなる、ふらつく、倒れそうになるなどの症状が現れます。数秒から数分程度で収まることが多いですが、頻繁に起こる場合は注意が必要です。
  • 原因:血圧が急激に下がることで、脳に一時的に血液が不足し、めまいが起こります。長時間の座位や起床時、脱水時に多く見られます。

めまいの原因

めまいの原因

めまいにはさまざまな原因がありますが、主に以下のような要因が考えられます。

内耳の異常

めまいの多くは、内耳に異常が生じることで発生します。

  • 良性発作性頭位めまい症:特定の頭の位置や、頭を動かすと急にめまいが起こる病気で、内耳にある小さな耳石が原因でめまいを引き起こします。
  • メニエール病:内耳のリンパ液の異常が原因で、回転性めまいや難聴、耳鳴りが特徴的な症状として現れます。

自律神経の乱れ

自律神経は体のさまざまな機能を調整していますが、ストレスや疲労によって自律神経が乱れると、めまいが起こることがあります。

  • ストレス:ストレスが溜まると、自律神経のバランスが崩れ、血圧や心拍数の調整がうまくいかず、めまいが引き起こされます。
  • 睡眠不足:慢性的な睡眠不足は、脳や神経に負担をかけ、自律神経の働きを乱す原因となります。

血圧の変動

血圧が急激に変動することで、めまいが引き起こされることがあります。特に立ち上がったときに血圧が低下する起立性低血圧が多く見られます。

  • 低血圧:血圧が通常よりも低い状態が続くと、脳に十分な血液が送られず、ふらつきやめまいが生じます。
  • 高血圧:血圧が急激に上昇すると、脳に酸素が不足してしまい、めまいを感じることがあります。

めまいの対処法

めまいの対処法

めまいが起こった際には、適切に対処することが大切です。以下の方法を試して、症状を和らげましょう。

すぐに座るか横になる

めまいを感じたら、無理に動かず、すぐに座るか横になりましょう。安定した姿勢を取ることで、転倒やケガを防ぎ、症状が収まるまで落ち着いて待つことができます。

ゆっくりと立ち上がる

立ちくらみを予防するためには、急に立ち上がらず、ゆっくりと体を起こすことが重要です。座った状態から立ち上がる際には、手すりや壁を利用しながら慎重に動きましょう。

水分補給を心がける

脱水症状がめまいの原因となることがあるため、こまめに水分を摂取することが大切です。特に、暑い日や運動後には水分補給を忘れずに行いましょう。

深呼吸でリラックス

ストレスが原因でめまいが引き起こされる場合には、深呼吸をしてリラックスすることが効果的です。ゆっくりと息を吸い、吐くことで、体の緊張をほぐしましょう。

めまいを予防するための生活習慣

めまいを予防するための生活習慣

めまいを予防するためには、日常生活での習慣を見直すことが重要です。以下のポイントに注意して、めまいを防ぎましょう。

規則正しい生活を送る

睡眠不足や不規則な生活は、自律神経の乱れを引き起こし、めまいの原因となります。毎日一定の時間に起床し、十分な睡眠を取ることを心がけましょう。

ストレスをためない

ストレスが溜まると、体調を崩しやすくなります。リラックスできる時間を作り、趣味や軽い運動を取り入れることで、ストレスを軽減しましょう。

栄養バランスの良い食事を心がける

めまいを予防するためには、ビタミンや鉄分などのミネラルをバランス良く摂取することが大切です。特に、鉄分不足は貧血を引き起こし、めまいの原因となることがあるため、レバーやほうれん草などを積極的に摂りましょう。

適度な運動を行う

適度な運動は血行を良くし、自律神経の働きを整える効果が期待できます。ウォーキングやストレッチなど、無理のない範囲で運動を日常に取り入れることが、めまいの予防に効果的です。特にウォーキングや軽い体操は、血流を促進し、脳への酸素供給を改善するため、めまいを防ぐのに役立ちます。

市販薬でめまいを軽減する

市販薬でめまいを軽減する

めまいが頻繁に起こる場合、病院に行くのが理想ですが、軽度なめまいには市販薬を利用することも可能です。以下のような市販薬を使用することで、症状を軽減することができます。

メイマック

小林製薬が販売する漢方薬で、有効成分に沢瀉湯(たくしゃとう)を配合しています。

めまいの原因の1つに内耳リンパのむくみがあり、沢瀉湯は利水作用によってむくみを改善することで、平衡機能を改善し、めまいを改善します。

特に、目が回るような回転性のめまいに適した漢方薬です。

クラシエ苓桂朮甘湯エキス顆粒

クラシエ株式会社が販売する漢方薬で、有効成分に苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)を配合しています。漢方では体内に水分が滞ることで、めまいが起こると考えられています。

苓桂朮甘湯は体に滞った水分を取り除くことで、めまいを改善します。

めまいだけでなく、立ちくらみ、耳鳴りも気になる方に適した漢方薬です。

奥田脳神経薬

奥田製薬株式会社が販売するめまい改善薬で、3種の洋薬と7種の生薬を配合しており、ストレスや疲れから起こるめまい・耳鳴りを改善することができます。

病院での診察が必要な場合

病院での診察が必要な場合

めまいが続く場合や、他の症状(例えば、手足のしびれや言葉が出にくいなど)が現れた場合は、病院での診察が必要です。特に以下のような場合には、専門の医師に相談することが推奨されます。

  • めまいが何度も繰り返し起こる
  • 強い吐き気や嘔吐を伴う
  • めまいに加えて、物が二重に見える、強い頭痛や手足のしびれ、言語障害がある

まとめ

めまいは誰にでも起こり得る症状ですが、その原因はさまざまで、軽度なものから重大な病気まで考えられます。自分のめまいの症状や原因を正確に理解し、適切な対処法を取ることが大切です。軽度な場合は、市販薬や生活習慣の改善で対処できますが、症状が続いたり、他の症状を伴う場合は、早めに医師に相談するようにしましょう。正しい知識を持って、めまいに対処し、快適な生活を送りましょう。

参考資料
めまい|耳鼻咽喉科・頭頸部外科
めまいとメニエール病 | 目・耳・鼻 | サワイ健康推進課
女性とめまい|一般のみなさまへ
起立性低血圧 – MSDマニュアル プロフェッショナル版
メイマックが効くメカニズム
【漢方解説】めまい、立ちくらみに苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)
奥田脳神経薬

執筆者 / ファクトチェック / 監修者

Author profile

Yosuke Fukuoka

薬剤師

【薬剤師】ドラッグストア薬剤師を4年間経験。その後、本社教育部門にて市販薬セミナーの講師を務める。広告やパッケージに惑わされないお薬選びのコツを「わかりやすく」伝えられるよう、日々の執筆を行っています。

Author profile

Nobuhiro Nagao

薬剤師

病院薬剤師として6年勤務。主にがん領域を経験。
現在は調剤薬局にて経営者かつ薬剤師として地域の健康サポートに取り組んでいます。
また、webライターとしてOTCやセルフメディケーションについて正しい医療情報を発信し、悩みを解消できる記事作成に励んでいます。

一緒にセルフメディケーションについて知識を増やしていきましょう。

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