毎年やってくる花粉症。気が付いたら目がかゆい、ゴロゴロする、真っ赤に充血しているなんてことも。花粉症の時期はメガネをかけるほうが良いと分かっていても、どうしてもコンタクトを外せない場面もありますよね。そんな時の救世主として目薬を活用する方も多いのではないでしょうか。
そこで今回はコンタクトをつけたまま花粉症の目のかゆみを抑える目薬をご紹介します。
コンタクトレンズを使わない方は、こちらの記事がおすすめです。
なぜコンタクトレンズに合わない目薬があるのか
コンタクトをしていると目の充血やかゆみ、不快感に悩まされることはありませんか?そのような時に目薬を使用するとスッキリするため、愛用者も多いのではないかと思います。
しかし、目薬の中にはコンタクト装用時に使用できない商品があります。
その理由は「防腐剤」にあります。
目薬の中には細菌やカビが繁殖しないよう防腐剤が含まれています。目薬の保存性を高めるために防腐剤は必要とされますが、時に角膜障害を引き起こしたり、コンタクトの変性や白濁を招く原因となるかもしれません。
特に防腐剤として多用されているベンザルコニウム塩化物やパラベンは、角膜のタンパク質を変化(厳密には変性という)させ、角膜障害を生じる可能性があります。さらに防腐剤はコンタクトに吸着されやすく、防腐剤の濃度や目薬の使用頻度によって、さらなる影響が懸念されます。
そのため、コンタクト装用時に使用できる目薬であるか、購入時に必ず確認しましょう。
「花粉症に効く」かつ「コンタクトのまま」使える目薬は?
では、コンタクト装用時に使用できる目薬にはどのような商品があるのでしょうか。ここからは特に花粉症に効果があり、コンタクトのままでも使用できる目薬をご紹介します。
ロートアルガードコンタクトa(ロート製薬)
ロートアルガードコンタクトは、目のかゆみや不快感に効果のある目薬です。またかゆみを抑える成分だけでなく、角膜保護成分やビタミンを含むため眼精疲労や眼病予防にも効果を示し、すっきり爽快なさし心地です。
1回1〜2滴、1日5〜6回点眼してください。
スマイルコンタクトEX(LION株式会社)
スマイルコンタクトEX AL-Wは2種類の有効成分によりコンタクト装用による辛いゴロゴロ感やかゆみを抑えます。こちらも1回1〜2滴、1日5〜6回点眼してください。
また、清涼感の違いによってマイルドとクールの2種類が用意されており、自分の好みに合った目薬を選ぶことができます。
スマイルコンタクトにはAL-W以外にも多数のラインナップがありますが、かゆみを抑える成分を含まない目薬もあるため注意しましょう。
コンタクトレンズの種類とその違いについて
コンタクトレンズにはソフトタイプ、ハードタイプ、酸素透過性レンズ、カラーコンタクトなどの種類がありますが、タイプによって使用の可否が異なります。
ソフトタイプ、(酸素透過性)ハードタイプともに使用可能
今回ご紹介したロートアルガードコンタクトやスマイルコンタクトEXはどちらも防腐剤不使用のため、ソフト・ハードのタイプを問わず、コンタクトを装着したまま使用できます。
一般的にソフトタイプは防腐剤や目薬の成分が徐々に吸着し、レンズや目に影響を与えることがあるため注意が必要です。
そのため、効能・効果には「ハードコンタクトレンズを装着しているときの不快感」と種類を指定して表記されています。また、ハードタイプに対しても使えない商品があり、「コンタクトレンズを装着したまま使用しないこと」と注意書きが記されている場合があるため確認するようにしましょう。
カラーコンタクトは使用できない
最近ではカラーコンタクト、いわゆるカラコンをメイクの一部として日常的に使用している方も増えています。カラコンは着色部分があるため、一般的なソフトコンタクトより厚く、目への負担が大きいと言われています。
カラコンによる目のトラブルを防ぐため、目薬は必須のアイテムではないでしょうか。しかし、どんな目薬でも使用できるわけではないため注意が必要です。目薬の成分によって目に負担を与えるだけでなく、レンズの変形や色落ちやデザインの劣化に繋がってしまう可能性があります。
ロートアルガードコンタクトやスマイルコンタクトEXのように防腐剤フリーであったとしても、安全性への懸念等によりカラコンに使用することができません。必ずカラコン対応の目薬を選びましょう。
かゆみを抑える目薬の選び方は?
花粉症シーズンが始まると目のかゆみや赤み、異物感などつらい日々が続くことも。こういった不快な症状を和らげるために目薬はマストな治療といえます。
しかし、いざ薬局で目薬を選ぼうとしても、たくさん種類があってどれを選んだらいいか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。そこで今回、花粉症に効果的な成分として注目するのが、”クロルフェニラミンマレイン酸”です。
クロルフェニラミンマレイン酸塩
アレルギー症状はアレルギーの原因物質であるヒスタミンがヒスタミン受容体と結合することで現れます。クロルフェニラミンマレイン酸はヒスタミン受容体にフタをして結合できなくすることで、目の炎症やかゆみなどつらいアレルギー症状を和らげることができます。
ロートアルガードコンタクト、スマイルコンタクトEXのどちらの目薬にも抗ヒスタミン成分であるクロルフェニラミンマレイン酸が配合されているため、花粉症に悩む方にオススメです。
クロルフェニラミンマレイン酸は目薬以外にも飲み薬や塗り薬にも含まれていますので興味のある方は商品パッケージの成分表をご覧ください。
また、抗ヒスタミン成分・抗アレルギー成分には「クロモグリク酸」「ジフェンヒドラミン」「トラニラスト」などが目薬に使用されています。かゆみを抑える目薬を探す際にはご確認ください。
かゆみ以外に目のゴロゴロ感(不快感)なども解消
ロートアルガードコンタクトとスマイルコンタクトEXは抗ヒスタミン成分以外にも抗炎症成分や角膜保護成分、ビタミンなど様々な成分が含まれているため、かゆみ以外の症状にも使うことが可能です。それぞれの効能効果を見てみましょう。
ロートアルガードコンタクトaの効能効果
- 目のかゆみ、目の疲れ、眼病予防(水泳のあと、ほこりや汗が目に入ったときなど)
- 紫外線その他の光線による眼炎(雪目など)
- ソフトコンタクトレンズ又はハードコンタクトレンズを装着しているときの不快感
- 目のかすみ(目やにの多いときなど)
目に潤いを与えてくれるコンドロイチン硫酸エステルナトリウムや、目の栄養源であるビタミンB6を配合されており、花粉症によるかゆみや赤みだけでなく、ほこりや汗が目に入ったときや目がゴロゴロしている時、紫外線による目の炎症、目やにの多いときなどに効果を示します。コンタクトを装用していない方でも使用が可能です。
スマイルコンタクトEXの効能効果
- ソフトコンタクトレンズ又はハードコンタクトレンズを装着しているときの不快感
- 目のかゆみ
- 目の疲れ
- 目のかすみ(目やにの多いときなど)
- 眼病予防(水泳のあと、ほこりや汗が目に入ったときなど)
- 紫外線その他の光線による眼炎(雪目など)
抗炎症成分であるグリチルリチン酸二カリウムや角膜保護成分が配合されており、コンタクトとの摩擦や乾燥によるダメージから目を守ってくれます。
さらにスマイル独自技術による防腐効果があり、日持ちの心配もありません。ただし開封後は1〜2ヶ月程度を目安になるべく早く使用しましょう。
コンタクトレンズ不可の目薬を選ばないようにしましょう
花粉症の時期になっても、いつも通りコンタクトを使用している方も多いのではないでしょうか。目への負担を考えるとメガネの方が良いとはわかっているけど、なかなか変えられないですよね。
しかし、コンタクトをつけたまま目薬を使用すると、薬に含まれる防腐剤などがレンズへ吸着して目のトラブルを招くかもしれません。コンタクトの種類によって、レンズが変形したり白く濁る恐れもあります。
必ずコンタクトを外してから目薬を使用するか、使用しているコンタクトにあった目薬を選ぶようにしましょう。
コンタクトレンズが手放せなくても目薬で花粉症対策を!
今回ご紹介した「ロートアルガードコンタクト」や「スマイルコンタクトEX」はコンタクトをしたまま使用できる目薬としてオススメです。どちらもクロルフェニラミンマレイン酸というアレルギー症状を沈める成分を配合。花粉症でつらい目のかゆみや赤み、ゴロゴロ感を和らげ、目に潤いや栄養を与えてくれます。
防腐剤が入っていないため、ソフトやハード、使い捨てなどほぼ全てのコンタクト装用時に使用でき非常に便利です。ただし、カラコンには使用できないため注意してください。
またロートアルガードコンタクトはスッキリ爽快なさし心地に対して、スマイルコンタクトEXは清涼感の違いによりマイルドとクールを選ぶことができます。お好みで自分にあった目薬を探してくださいね。
目薬を使用すると目の不快感を軽減できますが、目の炎症や痛みが治らない場合は、目薬やコンタクトの使用を中断し眼科を受診するようにしましょう。
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参考文献
・コンタクトレンズと花粉症|花粉症ナビ|協和キリン
・ロートアルガード コンタクトa|ロート製薬
・使用上の注意|ロート製薬
・スマイルコンタクトEX AL-Wマイルド|添付文書
・ソフトコンタクトレンズとハードコンタクトレンズの特徴や見え方の違いについて|ACUVUE
・カラコンと普通のソフトコンタクトレンズとサークルレンズとの違いとは?|中央コンタクト
・一般用点眼薬の有効成分「グリチルリチン酸二カリウム」がアレルギー性結膜炎の『持続的炎症』を抑えることを発見|ロート製薬
執筆者 / ファクトチェック / 監修者
Yosuke Fukuoka
【薬剤師】ドラッグストア薬剤師を4年間経験。その後、本社教育部門にて市販薬セミナーの講師を務める。広告やパッケージに惑わされないお薬選びのコツを「わかりやすく」伝えられるよう、日々の執筆を行っています。