「眠くて集中できない!」「口がカラカラに乾いてしまった」など花粉症の市販薬を服用した際にこのような経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか?せっかく薬を飲んでも、眠気が現れてしまうと仕事や勉強に集中できません。ここでは眠気や口のかわきが少ない、花粉症におすすめの市販薬を薬剤師が厳選してご紹介します。
ドラッグストアで花粉症に効く市販薬の多さに悩む
ドラッグストアで花粉症に効く市販薬を選ぶ際に種類が多く、「どの商品を選べばいいのかわからない」と誰もが一度は経験したことがあるのではないでしょうか。
商品の違いや選び方など、実は聞いてみたいけど誰に聞けばいいのかわからないから、とりあえずCMで見たことのある商品や、パッケージや値札で効き目がありそうな商品を選んでみる。多くのお客さんがこのような経験をしているのを、実際の接客の中で感じています。
花粉症の市販薬は種類がたくさんあり、選びきれないこともありますが、今回ご紹介する花粉症薬は眠くなりにくい市販薬を厳選しています。そのため、選ぶ際のポイントは服用回数や車の運転をするのかなどご自身の生活スタイルに合わせて選んでみましょう。
花粉症薬のイメージや悩みってなに?
花粉症薬と聞くとどのようなイメージをお持ちですか?CMで聞いたことのある商品が頭に浮かぶ方もいれば、「眠くなる」「口が渇く」など服用後のイメージをお持ちの方も多いと思います。
特に服用後の眠気は仕事や勉強などの進み具合に大きく影響するため、眠気を引き起こしにくい商品を選択する必要があります。
花粉症薬の中で眠気が起こりにくい商品にはどのようなものがあるか見てみましょう。
眠気を引き起こしにくい花粉症薬は「第2世代抗ヒスタミン薬」がおすすめ
ドラッグストアには様々な鼻炎薬がありますが、眠気を引き起こしにくい花粉症薬を購入したい方には第2世代抗ヒスタミン薬を服用するのがおすすめです。ではなぜ第2世代抗ヒスタミン薬がおすすめなのでしょうか?
なぜ眠気が少ないの?
花粉症に使用する抗ヒスタミン薬は第1世代と第2世代に分類されます。いずれもくしゃみ・鼻みず・鼻づまりを改善する働きがありますが、大きな違いは眠気の起こりにくさです。
花粉症薬を服用すると眠気が生じるのは薬が脳にも影響するからです。薬が血液を通して脳に移ることで、抗ヒスタミン薬は脳の覚醒スイッチをOFFの状態にしてしまい眠気を引き起こします。
第2世代抗ヒスタミン薬は第1世代に比べ、薬が脳に移りにくいという特徴があり副作用の眠気を引き起こしにくい新しい成分です。そのため、眠気を引き起こしにくい花粉症薬をお探しの方は、第2世代抗ヒスタミン薬を選びましょう。
第2世代抗ヒスタミン薬にはどんな商品があるの?
では第2世代抗ヒスタミン薬にはどのような商品があるのでしょうか?下記に代表商品を記載します。
今回は、こちらの第2世代抗ヒスタミン薬の中でも、特に眠気が起こりにくいおすすめ4商品をご紹介します。
眠気を引き起こしにくい市販薬おすすめ4選
アレグラ®FX
久光製薬が販売するアレグラ®FXはCMなどで有名タレントを起用し、花粉症の時期に1度は目にするほどの有名商品です。有効成分の「フェキソフェナジン塩酸塩」は第2世代抗ヒスタミン薬で、服用後の眠気や口の渇きを引き起こしにくいのが特徴です。
また服用後の車の運転に関する注意記載はありません。そのため、営業職やドライバーの方なども服用することができます。服用は1日2回です。
アレルビ
皇漢堂製薬が販売するアレルビは、ここ数年で知名度がぐっと上がった花粉症薬です。理由としてアレグラと同じ有効成分を同じ濃度配合し、アレグラ®FXよりも市場価格が安い傾向にあるためです。
つまりアレグラ®FXと同じ効果が期待でき、かつコスパが良い商品です。アレルビも服用後の眠気や口の渇きが少ないのが特徴です。アレグラ®FXで効果を実感しているけど、より安く購入したい方におすすめです。
こちらもアレグラ®FXとおなじく、1日2回の服用です。
アレジオン®20
エスエス製薬が販売するアレジオン®20もCMでタレントを起用している認知度の高い商品です。
有効成分の「エピナスチン塩酸塩」は第2世代抗ヒスタミン薬で、こちらも服用後の眠気や口の渇きが少ないのが特徴です。
また1日1回の服用で済むため、仕事や勉強における眠気が困る方や外出先での飲み忘れが心配な方におすすめの商品です。
クラリチン®EX
大正製薬が販売するクラリチンEXは有効成分に第2世代抗ヒスタミン薬の『ロラタジン』を配合し、こちらも服用後の眠気や口の渇きが少ないのが特徴です。
こちらもアレジオン®20と同じ1日1回の服用です。
またクラリチン®EXは錠剤タイプと水なしで飲めるチュアブルタイプの2種類あるので、仕事や外出先で飲み忘れるのが心配な方や急な症状に対応したい方におすすめの商品です。
眠気の感じ方には個人差がある
眠気を引き起こしにくい第2世代抗ヒスタミン薬をご紹介しましたが、注意点は眠気の感じ方には個人差があるということです。必ず眠くならないというわけではありません。また、眠気の感じやすさは同じ商品の場合でも個人差がありますので注意しましょう。
また、アレグラ®FX、アレルビは服用後も車の運転が可能です。しかし、鼻炎薬を服用していなくても、身体の疲れや睡眠の質の低下によって日中の眠気が出てしまう場合があるので、アレグラ®FX、アレルビを服用後も車の運転操作自体は注意して行いましょう。
薬の強さの違いはある?
市販の花粉症治療薬は数多くあり、どの薬が効果が高いのか気になる方も多いでしょう。「この薬が効果があります」と伝えることができれば良いですが、どの薬が最も効果的かを示すデータは現時点ではありません。(2023.2時点)
また、「市販薬は医療用医薬品に比べて弱いのでは?」と考えられる方もいますが、ロラタジンやフェキソフェナジンなど医療用医薬品と同様の成分が市販薬でも使用されています。
結論、どちらの点においても強さの比較はできず、上記で述べたようにご自身に合う薬を選ぶことが重要となります。選ぶポイントとしては『眠気』『服用回数』などに着目してみてください。
さいごに
今回ご紹介したアレグラ®FX、アレルビ、アレジオン®20、クラリチン®EXは服用後の眠気や口のかわきが起こりにくい第2世代抗ヒスタミン薬です。服用タイミングのポイントは「鼻がムズムズしてきた」「花粉かな?」と感じたら早めに服用するのがおすすめです。
早めに服用することで、くしゃみ・鼻みず・鼻づまりの原因であるヒスタミンの放出を抑えることができます。
また鼻炎薬によって、服用回数や服用方法などの違いがあるので、ご自身の生活スタイルにあった鼻炎薬を選んで、セルフケアしてみましょう。
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参考資料
・アレルギー専用鼻炎薬 アレグラFX/久光製薬株式会社
・アレルビ添付文書
・製品情報/アレルギー専用鼻炎薬-アレジオン【エスエス製薬】
・クラリチンEX/製品詳細/大正製薬製品カタログ
・抗ヒスタミン薬の薬理学
・鼻アレルギー診療ガイドライン-通年性鼻炎と花粉症-2016年版(改定第8版)
・アレルギー性鼻炎におけるアドヒアランスを考慮した第二世代抗ヒスタミン薬の選択と指導
執筆者 / ファクトチェック / 監修者
Yosuke Fukuoka
【薬剤師】ドラッグストア薬剤師を4年間経験。その後、本社教育部門にて市販薬セミナーの講師を務める。広告やパッケージに惑わされないお薬選びのコツを「わかりやすく」伝えられるよう、日々の執筆を行っています。