ビタミンAを含む食べ物と摂取量とは?眼や皮膚の健康に|管理栄養士

肌荒れが気になるときに、足りていない栄養素で「ビタミンC」が思いつく方が多いと思います。しかし、肌の調子を整えてくれる栄養素はビタミンC以外にも多くあります。

肌の調子を整えてくれる栄養素の1つが「ビタミンA」です。

今回の記事では、ビタミンAの特徴、1日に必要な摂取量、摂取できる食品、摂取方法について紹介します。

ビタミンAの特徴と働き

ビタミンAとは、脂溶性ビタミンの1つで、レチノール、レチナール、レチノイン酸として存在しており、多くは肝臓に蓄えられ蓄えられます。

ビタミンAの働きには、皮膚や目の粘膜の保護があります。また、免疫力を保ったり、薄暗いところで視力をサポートしたりします。

1日に必要なビタミンAの摂取量は?

ビタミンAは、体内で合成することができない栄養素のため、食事からしっかりと摂取する必要があります。成人女性で1日、650~700μgRAE/日の摂取が推奨されています。母乳にもビタミンAは分泌されるので、授乳している場合は450RAE/日の付加が必要です。

ビタミンA摂取の注意点

ビタミンAは脂溶性ビタミンなので、体内に蓄積しやすく不足だけでなく、過剰摂取も健康リスクになります。ビタミンAの過剰摂取と摂取不足は体にどのような影響があるのか参考にしてみてください。

過剰摂取

過剰症はビタミンAの含有量が多い食材の摂取、もしくはビタミンAが含まれている薬を大量に服用することで起こります。急性症状では、腹痛、嘔吐、悪心、めまいなどが、慢性症状では、全身の関節痛、皮膚の乾燥、うっ血、食欲不振などがあります。

摂取不足

ビタミンAの不足する原因は、食事制限や偏った食生活、長期的な下痢、アルコールの過剰摂取などです。不足することにより、暗い所では目が見えなくなる夜盲症という疾患にかかります。進行すると失明のリスクもあります。

ビタミンAを効率的に摂取できる食べ物

ビタミンAが多いのは以下の食品です。100gあたりのレチノール活性当量も記載しています。

肉類、魚介類

豚レバー(13000μg)、鶏レバー(14000μg)、うなぎ(2400μg)

卵類

卵黄(480μg)

野菜類

モロヘイヤ(840μg)、にんじん(720μg)、ほうれん草(350μg)、かぼちゃ(330μg)

乳製品

プロセスチーズ(260μg)

管理栄養士からのポイント

ビタミンAを日頃から上手に摂取するポイントについて紹介します。

上手に摂取するコツ

ビタミンAを上手に摂取するには、バランスの良い食事を心がけることが大切です。主食、主菜、副菜の揃った食事を意識してみてください。外食などでが多く、バランスの良い食事が難しい時は、サプリメントからビタミンAを摂取するのもおすすめです。

効果的な調理方法

ビタミンAは脂溶性ビタミンに分類されるため、油と一緒に摂取することで吸収されやすくなります。炒め物やサラダのドレッシングとして油を使用し、ビタミンA摂取しましょう。

過剰摂取を避けるために

レバーやうなぎの食べ過ぎは、ビタミンAの過剰摂取に繋がります。肉類、魚介類だけでなく、にんじんやほうれん草などの野菜類もバランスよく摂取しましょう。また、サプリメントからビタミンAを摂取するときは目安量を参考にしてください。

まとめ

ビタミンAは体内で合成できない栄養素のため、食事から摂取する必要があります。不足だけでなく、過剰摂取も健康リスクになる栄養素です。

バランスの良い食事心がけることで、ビタミンAの摂取推奨量を満たしやすくなります。ビタミンAをしっかり摂取し、健康な生活を手に入れましょう。

 

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参考資料

・脂溶性ビタミン|厚生労働省
・日本人の食事摂取基準(2020 年版) – 厚生労働省
・ビタミンAの過剰摂取による影響 – 食品安全委員会
・食品成分データベース
・ビタミンAの働きと摂取目安量、ビタミンAを含む食品を紹介

執筆者 / ファクトチェック / 監修者

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Ryunosuke Koriyama

Ryunosuke Koriyama

薬剤師

調剤薬局勤務の薬剤師

その他、准看護学校講師、地域薬剤師会理事、地域学校薬剤師といった地域薬剤師会の業務を行なっている。

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Yuri Kido

Yuri Kido

管理栄養士 / 研究者

大学で管理栄養士の資格を取り、現在は大学院にて肥満と糖尿病の研究をしています。医学と栄養の視点から健康をサポートしていきたいと思います。

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