暑い夏になるとどうしても食欲が落ちてしまう方も多いかと思います。食欲不振はいわゆる夏バテの症状のひとつですがここで適切な栄養を摂らないと夏バテはより悪化してしまうことがあります。
そこで、今回は夏バテの原因や症状から夏バテになってしまったときにとりたい栄養素や食材、食欲が落ちていても食べやすいレシピを紹介します。
そもそも夏バテってなに?
「夏バテで食欲がない」「体がだるくて夏バテかもしれない」など「夏バテ」という言葉をよく聞きますが、そもそも「夏バテ」とは病気の名前ではありません。高温多湿な環境下で身体に不調が起きている状態のことをいいます。
人の体温などを調節する自律神経の乱れが原因のひとつでもあり、熱い屋外と冷房の効いた屋内を出入りすることで自律神経による切り替えがうまくできずに起きてしまうことが多いといわれています。また他の理由としては汗を多くかくことによってビタミンやミネラルを失うことで体調不良に繋がることがあります。
夏バテの主な症状
夏バテによる不調の内容は人によって様々です。その中でも代表的な症状を紹介します。
- 全身の倦怠
- 食欲不振
- 頭痛
- 立ち眩み
- 下痢、便秘などの胃腸の不調
夏バテ対策に摂取したい栄養素と食材
タンパク質
夏バテで食欲がなくなると、食べやすいそうめんやゼリー、アイスで食事を済ませがちになると「タンパク質」が不足してしまいます。「タンパク質」は筋肉や血など体の源であり、不足すると免疫力や集中力の低下が低下してしまうことがあります。自律神経に深く関わる神経伝達物質の材料にもなりますので意識的に普段の食事に取り入れてみましょう。
ビタミンB1
ビタミンB1は糖質をエネルギーに変える代謝をサポートします。「疲労回復のビタミン」ともいわれており、不足すると倦怠感や食欲不振などの不調を引き起こします。ビタミンB1は水に溶けやすく、汗によって損失しやすいビタミンです。こまめに摂取しましょう。
アリシン
アリシンはビタミンB1の吸収を助けるので一緒に食べることで効率的にビタミンB1を摂取することができます。アリシンは細胞が潰れたり切断されると活性化するのですり下ろしたり、繊維と垂直に切るように調理すると良いでしょう。熱に弱いので生食か、弱火での加熱にするよう気を付けましょう。
カリウム
汗をかくことで失われるミネラルのひとつである「カリウム」は不足することで脱力感、むくみなどの症状が出ます。ひどい場合はカリウム不足による脱水症状で熱中症になってしまうこともあるため夏場は特に必要となる栄養素です。
食物繊維
夏バテの症状にもある、胃腸の不調を改善するには食物繊維の摂取が有効です。腸内環境を改善することで免疫力を高めることができ、夏バテの予防にもなります。
夏におすすめ!夏バテ予防の簡単レシピ
簡単にできる、夏バテ予防におすすめのレシピを2つ紹介します。
1人暮らしの人にも!ほうれん草とツナとニンジンのナムル
材料(1人分)
- ほうれん草:1束
- ニンジン:1/3本
- ツナ缶:1つ
- ごま油:小さじ2
- 鶏がらスープの素:小さじ2
- すりおろしニンニク:小さじ1
- ごま:適量
- 沸騰したお湯に小さじ1/2の塩を入れ、ほうれん草を1分間ゆでる。
- ゆでたほうれん草は流水にとって冷まし、水気を切った後4~5cmに切る。
- ニンジンは細切りにして耐熱容器に入れてふわっとラップをかけて電子レンジ(600W)で1分30秒温める。
- ボウルでほうれん草、ニンジン、ツナ、ごま油、鶏がらスープの素を和えて最後にごまをかけて完成。
食欲不振の方に!アボカド納豆丼
材料
- アボカド1個
- 納豆 1パック
- ごはん 適量
- お好みで… しらす、梅干し、のり、キムチ、ごま など
- アボカドを1cmの角切りにする。
- ボウルでアボカドと納豆をよく和える。
- お好みで、しらす、梅干し、のり、キムチなどと一緒にごはんに乗せて完成。
夏バテは食事で予防・対策しよう
夏バテは、気温差による自律神経系の乱れや発汗によるビタミンやミネラル不足から起きてしまいます。食欲不振や体調不良で食事をとらないと、スタミナ切れや栄養不足でさらに症状が悪化してしまいます。夏バテの予防にも改善にもなるので、1日3食のバランスの良い食事を心がけましょう。
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執筆者 / ファクトチェック / 監修者
Mizuki Ochiai
一般皮膚科・美容皮膚科勤務6年目 / 医師事務作業補助者 / 医療事務
現役皮膚科スタッフとしてお肌のトラブルや食物アレルギーなどを中心に管理栄養士の視点からわかりやすく有益な情報を発信していきます!
Yuri Kido
大学で管理栄養士の資格を取り、現在は大学院にて肥満と糖尿病の研究をしています。医学と栄養の視点から健康をサポートしていきたいと思います。