アンメルツシリーズの種類や成分、特徴の違いを徹底比較

長時間同じ姿勢でパソコンやスマートフォンを見ていると、首や肩さらには背中が痛いなんてことはありませんか。痛みに効くお薬を探してみても、湿布薬や塗り薬など種類が多くて選ぶのも大変だと思います。今回は、種類も豊富なアンメルツシリーズについて詳しく解説します。有効成分だけでなく、製品の特徴についても詳しく解説しているので最後までご覧ください。

アンメルツシリーズとは

アンメルツシリーズは小林製薬株式会社から発売されている肩こり・筋肉痛に効果のあるお薬です。配合されている成分の違いによって、第2類医薬品や第3類医薬品に該当し、薬局やドラッグストアなどで医師の処方箋が無くても購入することができます。

アンメルツシリーズの種類とその特徴

アンメルツヨコヨコ

アンメルツヨコヨコという商品名を皆さんも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。有効成分として消炎鎮痛効果のある「サリチル酸メチル」が配合されています。容器の首が曲がっているため、塗りにくい背中や腰の患部にもスムーズに塗布することができます。また、アンメルツシリーズの中で価格が最も安いという特徴があります。

アンメルツゴールドEX

アンメルツゴールドEXは有効成分として消炎鎮痛効果のある「フェルビナク」が配合されています。また、「ノナン酸バニリルアミド」という有効成分が患部の滞った血流を改善します。製品には容量が46mlのものと90ml入ったロングボトルがあります。ロングボトルは首の部分が通常と比べて長いため、より一人でも患部に塗りやすくなっています。

アンメルツゴールドEX NEO

アンメルツゴールドEX NEOは有効成分として消炎鎮痛効果のある「ジクロフェナクナトリウム」が配合されています。また、EX に配合されていた「ノナン酸バニリルアミド」に加えて、「トコフェロール酢酸エステル」および「ニコチン酸ベンジルエステル」が配合されており血流を促します。この製品にも46mlのものと90ml入ったロングボトルがあります。

アンメルツゴールドEX NEO ロング グイ塗り

この製品は、先ほど説明したアンメルツゴールドEX NEOと同様の成分が配合されています。アンメルツゴールドEX NEO ロング グイ塗りという名前の通り、ロングボトルの先端に3つの突起が配置されているという特徴があります。突起を患部に押し付けてマッサージするように塗ることができる製品です。

アンメルツレディーナ

アンメルツレディーナは有効成分として消炎鎮痛効果のある「サリチル酸グリコール」が配合されています。感の良い読者の方は「アンメルツヨコヨコ」と有効成分が似ていることに気づいたと思います。「サリチル酸グリコール」は「サリチル酸メチル」に比べて匂いがなく、湿布薬の様な特徴的なニオイが気になる方にお勧めです。また、アンメルツレディーナはオレンジシトラスの香り付けがされており、女性の方でも使用しやすい製品になっています。

ニューアンメルツヨコヨコA

ニューアンメルツヨコヨコAは有効成分としてアンメルツレディーナと同様の「サリチル酸グリコール」が配合されています。オレンジシトラスの香りは要らないけれど、湿布薬のようなニオイも嫌だという方はニューアンメルツヨコヨコAを試してみると良いかもしれません。

解説した製品の特徴を下の表にまとめたので、参考にしてください。

*有効成分の配合量は 100ml あたりの量を記載しています。

商品名消炎鎮痛成分血行促進成分その他の成分
アンメルツヨコヨコサリチル酸メチル
5000
ノナン酸バニリルアミド
10
l-メントール 5200
クロルフェニラミンマレイン酸 100
dl-カンフル 5200
チモール 700
アンメルツゴールドEX
フェルビナク 3000ノナン酸バニリルアミド 12l-メントール 6000
クロルフェニラミンマレイン酸 100
アンメルツゴールドEX NEOジクロフェナクナトリウム 1000ノナン酸バニリルアミド 12
ニコチン酸ベンジルエステル 10
トコフェロール酢酸エステル 100
l-メントール 5000
アンメルツゴールドEX NEO
ロング グイ塗り
ジクロフェナクナトリウム 1000ノナン酸バニリルアミド 12
ニコチン酸ベンジルエステル 10
トコフェロール酢酸エステル 100
l-メントール 5000
アンメルツレディーナサリチル酸グリコール 2500トコフェロール酢酸エステル 100l-メントール 3000
クロルフェニラミンマレイン酸 100
ニューアンメルツヨコヨコAサリチル酸グリコール 2500ノナン酸バニリルアミド 12
ニコチン酸ベンジルエステル 10
l-メントール 3000
クロルフェニラミンマレイン酸 100

アンメルツにはパッチタイプもある

アンメルツシリーズには塗り薬だけでなく、アンメルツ温キューパッチという貼付薬もあります。主な有効成分として「サリチル酸グリコール」や「ノニル酸ワニリルアミド」を含み、肩こりや筋肉痛に効果があります。貼付薬は塗り薬と異なり、使用後にはがす必要があるため、皮膚が弱い方はあまり適していません。

薬剤師からのポイント

シリーズすべてに消炎鎮痛と血行促進含む

先ほどの表からも見てわかる通り、アンメルツシリーズの製品すべてに消炎鎮痛効果および血行促進効果のある成分が配合されています。消炎鎮痛効果が痛みを和らげ、血行促進効果が患部の滞った血流を改善します。

肩こりには適度な運動や休憩を

肩こりの原因の一つとして、肩の筋肉に長時間負荷がかかり血行が滞ることが挙げられます。肩こりの予防として長時間同じ姿勢にならないようストレッチを行う、もしくはゆっくりお風呂につかり身体を温めることなどが効果的です。

刺激感が強くなる場合がある

アンメルツを使用する時は、

  • 入浴後
  • 運動直後
  • 汗をかいた後

のタイミングを避けて使用しましょう。

入浴後、運動直後、汗をかいた後など皮膚の温度が上昇している状態では汗腺が開いた状態になるため、薬剤が浸透しやすくなり、刺激感(ヒリヒリ感など)が強くなる場合があるためです。

肌への刺激感を強く感じた場合は、早めにシャワー(水やぬるま湯)や石鹸などで洗い流すと刺激感が緩和します。それでも刺激感が残るようであれば、お肌を冷やしてみるとよいでしょう。

まとめ

今回は、肩こり・筋肉痛に効果がある、アンメルツシリーズについて有効成分だけでなく製品の特長についても詳しく解説しました。

コスパ重視の方には「アンメルツヨコヨコ」や「ニューアンメルツヨコヨコA」、効き目重視の方には「アンメルツゴールドEX」や「アンメルツゴールドEX NEO」、塗り薬特有の匂いが気になる方は「アンメルツレディーナ」、背中などの届きにくい場所には「ロングボトルタイプ」といったようにアンメルツシリーズは好みに併せて選べことができます。

コスパ重視アンメルツヨコヨコ
ニューアンメルツヨコヨコA
効き目重視アンメルツゴールドEX
アンメルツゴールドEX NEO
匂いが気になる方アンメルツレディーナ
背中などの届きにくい場所ロングボトルタイプ

効き目があまり感じられない時や塗りすぎている場合は、痛みやコリの根本的な原因を改善することも大切になってきます。適度な運動や入浴(湯船にゆっくり浸かる)も取り入れて、日頃から血行を良くするように心がけてみてください。

それでも改善しない場合は、整形外科などの医療機関に相談してみましょう。

 

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アンメルツヨコヨコの特徴

腰痛と湿布

・アンメルツ│製品名・ブランドから探す│製品情報│小林製薬株式会社
https://www.kobayashi.co.jp/seihin/brand/anmerutsu/index.html 

・エアーサロンパス 医薬品インタビューフォーム
https://www.hisamitsu.co.jp/medical/data/airsalo_i.pdf 

・「肩こり」|日本整形外科学会 症状・病気をしらべる
https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/stiffed_neck.html 

執筆者 / ファクトチェック / 監修者

Author profile

Nobuhiro Nagao

病院薬剤師として6年勤務。主にがん領域を経験。
現在は調剤薬局にて経営者かつ薬剤師として地域の健康サポートに取り組んでいます。
また、webライターとしてOTCやセルフメディケーションについて正しい医療情報を発信し、悩みを解消できる記事作成に励んでいます。

一緒にセルフメディケーションについて知識を増やしていきましょう。

Author profile

Yosuke Fukuoka

薬剤師

【薬剤師】ドラッグストア薬剤師を4年間経験。その後、本社教育部門にて市販薬セミナーの講師を務める。広告やパッケージに惑わされないお薬選びのコツを「わかりやすく」伝えられるよう、日々の執筆を行っています。

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