バファリンルナJは大人も飲める?成分の特徴や注意点を解説

もし、自宅にバファリンルナJしかない時、あなたはそれを飲んで良いか迷っていませんか?子ども向けに販売しているバファリンルナJですが、実は大人も服用することができます。子どもから大人まで、服用する場合の方法やコスト面など解説、そしてQ&Aで解決していきましょう。

バファリンルナJとは

腹痛で体調が悪い女子高生

代表的な解熱鎮痛薬としてバファリンシリーズは数多く発売されており、耳にしたことのある方も多いと思います。

その中でもバファリンルナJは有効成分『アセトアミノフェン』のみを配合した解熱鎮痛薬で、7歳のお子様から大人まで幅広く使用できるとても便利なお薬です。また、有効成分が1種類のみで眠くなりやすい成分も含みません。

試験や授業があるお子様も、仕事や家事で大忙しのママでもできます。その上、バファリンルナJに含まれる成分アセトアミノフェンは、安全性や使い勝手の良さから痛み止めや解熱剤として世界中で広く使用されています。では、アセトアミノフェンはどのような成分なのでしょうか。

バファリンルナJの有効成分

バファリンルナJの有効成分は『アセトアミノフェン』のみです。

アセトアミノフェン

アセトアミノフェンは脳の体温調節中枢という部分に作用することで体の熱を逃し、さらに痛みを感じる部分へ働きかけ痛みを感じる限界値を上げることで痛みが和らぐとされています。これにより頭痛や生理痛、腰痛、発熱時の解熱などに効果を示します。

アセトアミノフェンの歴史は古く、約100年以上前から研究されており、欧米では最も使用される解熱鎮痛薬として知られています。その安全性や効果から医療現場でも汎用されており、日本の医療用医薬品では”カロナール”という名前で広く流通しています。

子どもと大人の鎮痛剤の使い分け

寄り添う母娘14

なぜ鎮痛剤は大人用と子ども用に分かれているのでしょうか。それは大人には問題ない成分でも子どもが服用すると副作用のリスクが高まるため、子どもには使用が推奨されないものもあるからです。ここでは子どもと大人の鎮痛剤の使い分けについて説明します。

子どもはアセトアミノフェンの使用を

子どもにはアセトアミノフェンが配合された解熱鎮痛剤を選択しましょう。

例えば、『アスピリン』や『イブプロフェン』という成分を含む大人用の解熱鎮痛剤がありますが、15歳未満の子どもが服用すると重い副作用が出る場合があります。

またインフルエンザや水痘にかかったときに大人用の解熱鎮痛剤を服用することで、脳炎や脳症を引き起こす可能性が指摘されています。

つまり、子どもの解熱剤や風邪薬が切れた場合であったとしても、大人の薬を減量して飲ませばよいというものではありません。

市販で販売されている子ども用の風邪薬や解熱鎮痛剤にはすべて『アセトアミノフェン』が使用されていますので、商品を選ぶ際には必ず『子ども用』を選ぶようにしましょう。

大人になると鎮痛薬の選択肢が広がる

大人は子どもと比べて、アセトアミノフェン以外の解熱鎮痛薬の服用も認められています。しかし大人でも脳炎や脳症のリスクが少なからずあります。

特にインフルエンザが疑われるような高熱の場合、安易な解熱剤の選択により大人でも命を落とす危険性があるため、セルフメディケーションにて市販薬を購入する場合、年齢にかかわらずアセトアミノフェンを選択しましょう。ただし、クリニック受診の処方薬に関しては、医師の指示に従うようにしてください。

カロナールの市販薬についてこちらにて解説しております。

子どもと大人の用法用量の違い

バファリンルナJは年齢によって服用量が異なります。

年齢用法用量
7歳〜10歳まで1回1錠
11歳~14歳まで1回2錠
15歳~1回3錠

1日3回まで服用できます。なるべく空腹時をさけ、かみくだくか、口の中で溶かして服用してください。痛みが軽い場合でも飲む量を減らすと十分な効果が発揮されない場合もあるため、用法・用量を守り服用しましょう。

インフルエンザやコロナの発熱に使える?

インフルエンザや新型コロナウイルスによる発熱にバファリンルナJをは使用することができます。

ただし、高熱が続く、症状が重い、65歳以上、基礎疾患がある(糖尿病、心不全、呼吸器疾患(慢性閉塞性肺疾患)方などは受診するようにしましょう。

特にインフルエンザの場合、初期症状が現れてから12時間以上48時間以内に受診するのが最適といわれています。発症から48時間以内であれば抗インフルエンザ薬を処方してもらえるので、38度以上の高熱が出る、強い倦怠感や悪寒がある、筋肉痛・関節痛がある、激しい頭痛がある場合は早めに受診するようにしましょう。

薬剤師からのポイント

女性薬剤師

バファリンルナJは『チュアブル錠』

バファリンルナJはお子様でも簡単に飲めるよう様々な工夫がされています。その中の一つ『チュアブル錠』であるということがポイントです。チュアブル錠とは口の中で噛み砕いたり、唾液で溶かして飲む薬であり、水なしで服用することができます。

つまり、ラムネのような感覚でガリガリ噛んだり、口の中で舐めることで服用でき、味も苦く無いフルーツ味のため非常に飲みやすくなっています。また薬のシートに用法・用量が掲載しており、服用の際にひと目で飲む量が判別できます。

使いすぎると効きにくくなる?

一方で痛み止めに依存するとだんだん効かなくなるのでは?と心配される方も多くいます。しかし用法・用量をしっかり守っていればそのような問題はありません。痛みを我慢すると逆に体に負担をかける場合もあるため、無理せずに適宜使用しましょう。

なお、用法用量を守った上、5〜6回程度使用しても症状がよくならない場合は服用を中止し、近隣の病院や薬局で相談するようにしてください。

バファリンルナiとは間違えないように

バファリンルナシリーズには『バファリンルナJ』と『バファリンルナi』があります。名前は似ていますが、成分や使用可能年齢が異なります。

購入の際や医療従事者に伝える場合は『バファリンルナ』だけではなくJまたはiまで覚えておくようにしましょう。

詳しい違いはこちらで紹介しています。

>>バファリンルナの成分とは。ルナiとルナJの違いと選ぶポイント 

バファリンルナJに関するQ&A

Q.何歳から服用できますか?

A.7歳から服用できます。

Q.服用できない人はいますか?

A.以下に該当する方は服用をお控えください。

  • 7歳以下のお子様
  • アセトアミノフェンによりアレルギーを起こしたことがある方
  • バファリンルナJ又は他の解熱鎮痛薬、かぜ薬を服用してぜんそくを起こしたことがある人
  • 現在、他の解熱鎮痛薬や風邪薬を服用中の方

Q.誰でも服用できる?(妊娠中・授乳中も含めて)

 A. 以下に該当する場合はお近くの医師や薬剤師に相談するようにしてください

  • 医師又は歯科医師の治療を受けている人
  • 妊婦又は妊娠していると思われる人
  • 高齢者
  • 薬などによりアレルギー症状を起こしたことがある人
  • 心臓病、腎臓病、肝臓病、胃・十二指腸潰瘍の診断を受けたことがある人

なお、アセトアミノフェンは母乳中に出てくる可能性はわずかであり、赤ちゃんへの影響は少ない薬です。授乳中に飲んでも差し支えはありませんが、赤ちゃんの体調変化には十分注意しておきましょう。

Q.飲み忘れたけど、気付いた時に飲んでもいいの?

A.服用間隔が4時間程度あけていれば気づいた時に服用してもかまいません。年齢によって1日の服用量が異なるため注意してください。ただし胃への負担を減らすため、なるべく空腹時は避けて服用が望ましいです。どうしても事前にものを食べられない場合は、服用の際に水を多めに飲みましょう。

Q.水で飲んでも大丈夫?

バファリンルナJは噛み砕くか、口の中で溶かして服用してください。服用した後に味が気になるようであれば、水を服用しましょう。

Q.家族全員が服用できるよう多く買っておくべき?

A.適正な使用のために必要と認められる数量(原則1人1個)を超えて購入しようとする場合は、薬剤師や登録販売者が購入理由等を確認した上で販売することとなります。

しかし、成人がバファリンルナJを使用する際「1回3錠」と使用量が多くなります。1錠あたりの含有量の多い製品を選ぶ、もしくは大人の場合は他の成分の製品を選ぶこともできるため、誰がどういった状況で使用するかを考慮して購入するようにしましょう。

Q.薬剤師がいないと買えないのかな?

A.第2類医薬品のため薬剤師だけでなく、登録販売者からでも購入可能です。

Q.ECサイトなどネットで購入することはできる?

A.インターネットや郵便での購入も可能です。ただし薬剤師や登録販売者が使用者の状況などを確認の上、販売の可否を判断することとなります。

さいごに

子どもの熱を測る

バファリンルナJはアセトアミノフェンを有効成分とする解熱鎮痛薬であり、子どもから大人まで幅広く服用することができます。解熱鎮痛薬の中でも脳炎や脳症を引き起こすリスクも低く、生理痛や頭痛、発熱時など、いざというときにおすすめな市販薬です。

またチュアブル錠のため子どもでも飲みやすいよう工夫されており、眠くなりやすい成分も含まないため生活リズムに影響することなく服用できます。しかし年齢によって服用量が異なるため注意が必要であり、必ず用法・用量を守って服用するようにしましょう。5〜6回程度服用しても改善しない場合は医師や薬剤師に相談するようにしてください。

 

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執筆者 / ファクトチェック / 監修者

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Yosuke Fukuoka

薬剤師

【薬剤師】ドラッグストア薬剤師を4年間経験。その後、本社教育部門にて市販薬セミナーの講師を務める。広告やパッケージに惑わされないお薬選びのコツを「わかりやすく」伝えられるよう、日々の執筆を行っています。

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Ryo Omura

医療編集プロダクションMEDW 代表
株式会社TENTIAL メディアディレクター、リーガルチェック
理念
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