寒くなり風邪をひく方も増えてきていますね。「学校や仕事を休めないから…」と無理している方も少なくないと思いますが、風邪はひきはじめにしっかり対応することで悪化を防ぐことができます。今回は「風邪のひきはじめ」のときに役に立つ知識を紹介していきます。
薬剤師からのポイント
鼻水や喉の痛みなど初期症状はどれ?
風邪のひきはじめは、鼻水や喉の痛み、咳、急な発熱など人によって症状はさまざまです。全ての症状に共通した対処法もありますが、それぞれの症状に適した対処法もあります。ポイントを押さえて、症状が軽いうちに治しましょう。
体に休養を与える意識をもつ
風邪のひきはじめに大切なことは、体に十分な休養を与えることです。仕事が忙しいから、風邪薬や栄養ドリンクもひとつの手段ですが、風邪の引き始めは『身体が休養を求めている』大切なサインでもあります。バランスの取れた食事をとること、睡眠をしっかりとることは免疫力を上げるためにとても大切なことです。体のためにも意識して行ってください。
症状に合った市販薬を選ぶ
風邪のひきはじめとひとことでいっても、上述の通り人によって症状はさまざまです。鼻水に特化した薬や喉の痛み、咳、漢方薬などたくさんの種類があります。自身の症状に合う薬を見つけ、早めに対応することが大切です。
風邪(かぜ)とは
風邪は、のどの痛みや鼻水、咳、場合によっては発熱を伴い、多くは命に別状はなく、数日で治る症状のことをいいます。じつは『風邪』という病気は存在しません。正式名称は『風邪症候群』『感冒』『急性上気道炎』などです。
風邪のひきはじめに出る主な症状
風邪のひきはじめに出る症状として、のどの痛みや鼻水、鼻づまり、くしゃみ、咳、たん、発熱、悪寒、頭痛、筋肉や関節の痛み、全身の倦怠感などがあります。
風邪をひきやすい人とは
- 睡眠不足気味
- 無理なダイエットをしており、栄養バランスの整っていない食事をしている
- 寒気を感じても、身体を温めようとしない
- 水分をあまりとらない
- 最近、生活環境が大きく変わった
- 最近、とても忙しくなった
上記の項目に当てはまる方は風邪をひきやすい体質です。チェックしてみてください。
症状を長引かさない7つの対策
風邪をひかない、長引かせないようにするには何をすればよいのでしょうか。
ここでは症状を長引かさない7つの対策方法を紹介するので、参考にしてください。
良質な睡眠を確保する
睡眠は免疫機能を保ち、強化する作用もあるので、風邪予防や風邪のひきはじめにおいて重要となります。疲れているときはいつもより睡眠時間を長めにとったり、アロマなどでリラックスできる環境を整えてください。最も落ち着く方法で良質な睡眠をとるようにしましょう。
栄養ドリンクやスポーツドリンクで水分補給
風邪をひいたときは体内の細胞がフル活動しているので、水分が不足しがちです。水やスポーツドリンクなどご自身の飲みやすいものでしっかり水分補給をしてください。また、免疫力を下げないためにはビタミンなどの栄養が必要になるため、栄養ドリンクなどの飲み物も良いでしょう。
消化の良い食事で栄養補給
風邪をひいているときは健康なときに比べて体力の消耗が大きくなります。食欲がないときは無理に食べる必要はありませんが、お口に合うものを少しずつ摂取していきましょう。スタミナをつけようと消化の悪いものを食べるより、おかゆなど消化にいいものを食べるようにしましょう。
身体を温める(お風呂は状態にあわせて)
風邪の初期症状のひとつである悪寒は、筋肉を震えさせて熱を上げようとしているサインです。この段階で身体を温めてあげると、免疫力が高まり、ウイルスを撃退しやすくなります。お風呂に入ってもいいのかという質問がよくあるのですが、熱が38℃以上のときや体力が落ちている場合を除いては入っても問題ありません。
加湿して乾燥を防ぐ
ウイルスの大半は低温低湿の条件下で活発になるため、風邪の予防には湿度の調整が大切になります。風邪をひいたあとでも鼻やのどの潤いを保つために、加湿器や濡れたタオルを干して室内を乾燥させないようにしましょう。
症状に合った風邪薬を服用する
鼻症状(鼻水など)やのどの痛み、発熱などの風邪症状は、病原体に対して体が抵抗しているサインです。しかし、体ががんばりすぎてしまうことで、体力を消耗してしまい風邪が長引いてしまうことも考えられます。そこで、症状に合わせた風邪薬を使用し症状を緩和することも手段のひとつです。どの風邪薬を選べばよいか分からない方は薬剤師や登録販売者に相談してみましょう。
医療機関へ受診する
症状が続くまたは悪化した場合は他の病気が隠れている可能性もあります。症状を長引かさないために自己判断をせず早めに医療機関を受診しましょう。
まとめ
学校や仕事、子育てが忙しく風邪症状を自覚していても、自身の体調をおろそかにしてしまうと長引いてしまうかもしれません。症状の悪化を防ぐためには、風邪のひきはじめからしっかり対処しておくことが大切です。
今回の記事が読者の皆様の参考になれば幸いです。
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参考資料
・かぜ症候群について | メディカルノート (medicalnote.jp)
https://medicalnote.jp/diseases/%E3%81%8B%E3%81%9C%E7%97%87%E5%80%99%E7%BE%A4
・呼吸器の病気 (jrs.or.jp)
https://www.jrs.or.jp/uploads/uploads/files/disease_qa/disease_a01.pdf
・急性気管支炎|一般社団法人日本呼吸器学会 (jrs.or.jp)
https://www.jrs.or.jp/modules/citizen/index.php?content_id=3
執筆者 / ファクトチェック / 監修者
Ayano Iha
総合病院で4年、保険薬局で3年勤務。がん治療期~緩和ケア領域、小児科、耳鼻科、透析、心療内科を経験。現在はフリーランスとして猫3匹とのんびり生活しています。
症状に適したお薬選びができるよう、読者の皆様の手助けができればと思います。
Yosuke Fukuoka
【薬剤師】ドラッグストア薬剤師を4年間経験。その後、本社教育部門にて市販薬セミナーの講師を務める。広告やパッケージに惑わされないお薬選びのコツを「わかりやすく」伝えられるよう、日々の執筆を行っています。