薬局やドラッグストアで購入可能な一般用医薬品ロキソニンSクイック。「頭痛・生理痛に効くのは知っているけど、お薬の詳しい違いまではわからない」という方も多いのではないでしょうか。本記事ではロキソニンSクイックに配合されている成分やロキソニンシリーズとの違いについて詳しく解説します。ぜひ最後までご覧ください。
ロキソニンSクイックとは
ロキソニンSクイックは第一三共ヘルスケア株式会社から発売されている一般用医薬品です。医師の処方箋がなくても、薬局やドラッグストアなどで購入することができ、突然の頭痛・生理痛に使用可能なお薬です。ロキソニンSクイックは独自の製剤技術が採用されており、服用後すぐに崩壊することで痛みに対して速くアプローチすることが可能です。
ロキソニンSクイックを含むロキソニンシリーズは第1類医薬品に分類されているため、薬剤師がいる薬局やドラッグストアで購入することが可能です。
ロキソニンSクイックの特徴
ロキソニンSクイックには解熱鎮痛成分である(ロキソプロフェンナトリウム)が配合されています。また、ロキソニンSクイックのみに使われている『クイックブレイク製法』という特徴があります。
解熱鎮痛成分のロキソプロフェンを配合
ロキソニンSクイックにはその名前の通り「ロキソプロフェンナトリウム水和物」という有効成分が配合されています。「ロキソプロフェンナトリウム水和物」は身体の中で産生され痛み原因物質である「プロスタグランジン」の生成を抑制し、頭痛・生理痛をはじめとする様々な痛みに対して効果を発揮します。
速く溶ける『クイックブレイク製法』
第一三共ヘルスケア株式会社のホームページにはこの製品について「服用後、錠剤がすばやく崩壊する独自の製剤技術(クイックブレイク製法)を採用しており、ロキソニンS内服薬シリーズ史上最短の錠剤崩壊時間を実現した鎮痛薬です。」と記載されています。
内服薬は服用後,胃や小腸において崩壊→分散→溶解→吸収というプロセスを経て身体の中に取り込まれます。つまりプロセスの初期段階である、崩壊までの時間を短縮することで辛い痛みに少しでも速く対処したい方に適した製品と考えられます。
胃に優しい
ロキソニンSクイックの重要な特徴として胃にやさしいことが挙げられます。有効成分である「ロキソプロフェンナトリウム水和物」は鎮痛効果が優れているものの、副作用として胃腸障害が広く知られています。胃腸障害を防ぐために、ロキソニンSクイックには「メタケイ酸アルミン酸マグネシウム」が配合されています。「メタケイ酸アルミン酸マグネシウム」は胃酸を中和する制酸作用と胃粘膜を覆うことで胃を守る胃粘膜保護作用の2つの作用で胃への負担を軽減します。
ロキソニンSシリーズとの比較
ロキソニンSクイックにはその他のロキソニンSシリーズとは異なる点がいくつかあります。ここではロキソニンSおよびロキソニンSプラスとの違いについて解説します。
ロキソニンSとの違い
ロキソニンSとロキソニンSクイックの違いについて解説します。ロキソニンSは有効成分として「ロキソプロフェンナトリウム水和物」のみが配合されています。一方ロキソニンSクイックは有効成分である「ロキソプロフェンナトリウム水和物」に加え、胃を守る成分である「メタケイ酸アルミン酸マグネシウム」が配合されています。
また、ロキソニンSクイックには独自の製剤技術が採用されていることから、服用後すぐに崩壊するという特徴があります。
ロキソニンSプラスとの違い
ロキソニンSプラスとロキソニンSクイックの違いについて解説します。
ロキソニンSプラスには胃を守る成分として「酸化マグネシウム」が配合されています。この成分は胃酸を中和する制酸作用を有しており、胃粘膜保護作用は有していません。一方ロキソニンSクイックには先ほど説明した通り、制酸作用に加え胃粘膜保護作用を有している「メタケイ酸アルミン酸マグネシウム」が配合されています。
また、ロキソニンSクイックには独自の製剤技術が採用されていることから、服用後すぐに崩壊するという特徴があります。
コロナワクチン後の副反応で使える?
ロキソニンSクイックを含むロキソニンシリーズはコロナワクチン接種後の発熱や接種部位の痛みに対して使用可能です。
しかしながら、他の病気の治療のために服用されているお薬がある場合や、激しい痛みや熱などの重い症状が続く場合には医療機関を受診してください。
また、症状が出る前の予防的な服用は、現在推奨されていませんので注意してください。
詳しくは以下のサイトをご覧ください。
ワクチンを受けた後の発熱や痛みに対し、市販の解熱鎮痛薬を飲んでもよいですか。|新型コロナワクチンQ&A|厚生労働省
薬剤師からのポイント
ロキソニンSクイックは次の方に特におすすめです。
どんな人が服用すればいい?
胃にやさしい痛み止めをお探しの人
胃を守る成分である「メタケイ酸アルミン酸マグネシウム」が配合されており、制酸作用および胃粘膜保護作用の2つの作用で胃への負担を軽減します。胃にやさしいお薬をお求めの方におすすめです。
少しでも早く効き目を実感したい人
ロキソニンSクイックは服用後、錠剤が素早く崩壊する独自の製剤技術「クイックブレイク製法」が採用されており、少しでも速く痛みを対処したい人におすすめです。
まとめ
・解熱鎮痛成分の「ロキソプロフェンナトリウム水和物」に加え胃を守る成分である「メタケイ酸アルミン酸マグネシウム」が配合されている
・錠剤が崩壊するまでの時間を短縮する独自の製剤技術である「クイックブレイク製法」を採用
・新型コロナワクチン接種後の副反応に対しても使用可能
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参考文献
・ロキソニンSクイック 添付文書
https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/package_insert/pdf/loxonin-s_quick_1.pdf
・スピーゲル添付文書
https://www.fuso-pharm.co.jp/cnt/seihin/parts/055/055.pdf
・ロキソニンSクイック|頭痛・生理痛・歯痛に速く効く「ロキソニンS内服薬シリーズ」|第一三共ヘルスケア
https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/site_loxonin-s/naifuku/loxonin-s-quick.html
執筆者 / ファクトチェック / 監修者
Nobuhiro Nagao
病院薬剤師として6年勤務。主にがん領域を経験。
現在は調剤薬局にて経営者かつ薬剤師として地域の健康サポートに取り組んでいます。
また、webライターとしてOTCやセルフメディケーションについて正しい医療情報を発信し、悩みを解消できる記事作成に励んでいます。
一緒にセルフメディケーションについて知識を増やしていきましょう。
Yosuke Fukuoka
【薬剤師】ドラッグストア薬剤師を4年間経験。その後、本社教育部門にて市販薬セミナーの講師を務める。広告やパッケージに惑わされないお薬選びのコツを「わかりやすく」伝えられるよう、日々の執筆を行っています。