マスク生活にもすっかり慣れた今日このごろ。当初はしっかりとスキンケアを行っていたものの、「マスクで隠れるから」と徐々に肌の手入れがおろそかになっている方も多いのではないでしょうか。
これだけ長い間マスクを着用し続けることは、みなさんにとって初めての経験であり、その影響で肌荒れやニキビなど肌トラブルに悩む方が増加しています。
マスク生活の肌荒れについて4パートに分けてご紹介しており、今回は④日常生活での注意点です。
※「①肌トラブルの原因」「②対策」「③おすすめの市販薬」を先に学びたい方はこちらをご覧ください)
肌荒れ以外にもマスク生活による影響があります。どのようなものがあるか把握し、事前に対策をおこないましょう。
「耳の食い込み」「脱水」「マスク焼け」に注意
マスクによるトラブルは肌荒れだけではありません。その他の注意点として「耳の食い込み」「脱水」「マスク焼け」があります。
マスクのゴムによる耳の食い込みや擦り傷
一日中マスクをつけることが多く、耳の付け根にマスクの紐の圧力が長時間かかっているため、痛みを感じやすくなります。特にマスクの紐が細いと、耳に食い込み、より痛く感じます。
対策として4点あります。
ゴムの幅が広いタイプのマスクを選ぶ
耳に当たる部分が広くなることでゴムの引っ張る力が分散され、肌への食い込みが軽減されます。
自分に合うサイズを選ぶ
マスクが顔に対して小さいと、ゴムが無理に伸びて耳への負荷が大きくなります。マスクは自分に合ったサイズを選びましょう。
では、マスクのサイズはどうやって測ればいいのでしょうか。
まずは親指と人差し指でL字形を作ります。L字形にした状態で、耳の付け根の一番高いところに親指の先端を当て、鼻の付け根から1cm下のところに人差し指の先端を当てます。
親指から人差し指までの長さを測れば、それがサイズの目安になります。人それぞれ顔のサイズは違うため、自分の顔にフィットするマスクを選ぶようにしましょう。
対策グッズを活用する
マスクバンドや首にかけるタイプの商品など対策グッズも増えてきているため、これらのアイテムも活用してみましょう。
市販薬を活用する
マスクのゴムが当たる耳の後ろに、あらかじめワセリンを塗っておくのもおすすめです。ワセリンには肌表面に保護膜をつくることで、外からの刺激をやわらげる効果があります。
それでも炎症が悪化する場合は、抗炎症成分を含むお薬を使用しましょう。抗炎症成分を含むおすすめ市販薬は「トレンタムG」です。
水分の補給不足による脱水
マスクをしたままでは口の渇きを感じづらく、気づかないうちに脱水になっているかもしれません。脱水は熱中症をひき起こす可能性があります。特に夏場での長期のマスク着用はこれまでの生活様式にはなく、熱中症のリスクが高まります。実際にマスク生活中の令和2年6月の熱中症による救急搬送状況はマスク生活前の令和元年6月に比べて1.5倍ほど増加しています。
対策としては厚生労働省が示すように
参考:https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000642298.pdf
特にご高齢の方は、そもそも口の渇きを感じづらく脱水のリスクは高いです。身近にご高齢の方がおられる場合、こまめに水分補給をするように促してあげましょう。
紫外線によるマスク焼け
「今はマスクを着けているから日焼けは大丈夫」と思っている方はいませんか?
不織布マスクは紫外線を透過してしまうものもあるため、マスクをしていても紫外線対策は必要です。日焼け止めなど紫外線対策を怠ってしまい、うっかりマスク焼けをしてしまうと恥ずかしいですよね。
外出するときは、必ず顔全体に日焼け止めを塗るようにしましょう。
続くマスク生活を快適に過ごしましょう
マスク生活と肌荒れについて全4パートでご紹介してきました。
マスク生活は今後も続くと予想されます。肌荒れやかゆみ、熱中症などのトラブルを回避して快適なマスク生活を送るためにも、なぜ起こるのか原因を知り、症状に合わせた対策をおこなうことが大切です。症状や悩みは人それぞれであり、対処法も人とは異なります。自分の悩みを解決してくれる方法を探して実践し、快適なマスク生活を送りましょう。
参考文献
・【医師監修】ヘパリン類似物質油性クリームとは? 気になる効果と副作用について [乾燥肌] | 健栄生活
・ヒルマイルドの使い方 | 乾燥肌治療ヒルマイルド|健栄製薬
・【医師監修】ワセリンの効果や注意すべきポイントについて [乾燥肌] | 健栄生活
・ワセリンが保湿ケアに選ばれる理由|コラム|ベビーワセリンリップ|健栄製薬
・トレンタムクリーム | 製品検索 | 薬と健康を見つめる製薬会社 佐藤製薬株式会社
・ヒルドイドサイト 保湿剤とは / 医療関係者向け情報|マルホ株式会社
・「新しい生活様式」における熱中症予防行動のポイントをまとめました
・マスク熱中症は、防げる。マスクの合間に経口補水療法| かくれ脱水JOURNAL
・紫外線はマスクを透過する?今だから知りたいマスク焼け対策と美肌のポイント
・【皮膚科医監修】マスクによる肌荒れ。トラブル別の原因と対策 コラム
・化粧水と乳液はどっちを先につけるのが正解?順番には理由があります| COLUMN | ドクターシーラボ(DR.CI:LABO)
執筆者 / ファクトチェック / 監修者
Yosuke Fukuoka
【薬剤師】ドラッグストア薬剤師を4年間経験。その後、本社教育部門にて市販薬セミナーの講師を務める。広告やパッケージに惑わされないお薬選びのコツを「わかりやすく」伝えられるよう、日々の執筆を行っています。