突然の歯痛に襲われたとき、どうすればいいの?と焦ってしまいますよね。歯医者さんに行けないタイミングでの痛みには、市販薬を使って一時的に痛みを和らげることができます。
この記事では、歯痛に効果的な市販薬の選び方や使用方法、そして自宅でできる対処法を詳しく解説します。
痛みを和らげ、早めの対策で快適な生活を送りましょう。
歯痛の原因とは?
歯痛にはさまざまな原因があります。痛みの程度や症状に応じて、市販薬を上手に使い分けることが重要です。
虫歯
歯痛の主な原因の一つは虫歯です。虫歯が進行すると、歯の内部の神経に達し、激しい痛みを引き起こします。この場合、歯医者に行って適切な治療を受けることが必要ですが、応急処置として市販薬を使用することもできます。
歯茎の炎症
歯茎の腫れや炎症も歯痛の原因となります。特に、歯茎が腫れて出血する場合は、歯周病の可能性があります。炎症が進行すると、歯が浮いているような感覚や鈍い痛みを感じることがあり、適切なケアが必要です。
知覚過敏
冷たいものや甘いものを食べた時に歯が痛む場合、知覚過敏が原因であることがあります。歯のエナメル質が薄くなり、歯の内部にある神経が刺激されやすくなることで、痛みを感じやすくなります。
歯の損傷
歯が割れたり、詰め物が取れた場合にも、鋭い痛みを感じることがあります。これも歯医者での治療が必要ですが、市販薬で一時的に痛みを和らげることができます。
歯痛に効く市販薬の種類
歯痛を和らげるために、市販薬にはいくつかの種類があります。症状に応じて適切な薬を選ぶことが重要です。
鎮痛剤(解熱鎮痛薬)
歯痛に最も一般的に使用される市販薬は、鎮痛剤です。これらの薬は、痛みを感じる神経や痛みの原因物質に働きかけ、痛みを抑える効果があります。
- イブプロフェン:痛みや炎症を抑える効果があり、特に歯茎の炎症や腫れを伴う歯痛に効果的です。
- ロキソプロフェン:痛みの原因物質の1つであるプロスタグランジンの発生を抑えることで歯痛を改善します。
- アセトアミノフェン:炎症を伴わない痛みに対して効果があります。胃への負担が少ないため、長期間の使用にも適しています。
鎮痛成分を含むジェル・塗り薬
歯痛が局所的に感じられる場合、直接痛む部分に塗るジェルや塗り薬も効果的です。これらの薬は、患部に直接作用し、素早く痛みを和らげます。
- リドカイン、ジブカイン:局所麻酔成分で、痛みを即座に緩和する効果があります。特に急な痛みに対して応急処置として使用できます。
- アミノ安息香酸エチル:局所麻酔成分で、痛みを即座に緩和する効果があります。特に急な痛みに対して応急処置として使用できます。
抗炎症成分を含むうがい薬
歯茎の炎症が原因で痛みが生じている場合、抗炎症成分を含むうがい薬を使用することで、痛みを緩和し、炎症を抑えられます。
- アズレンスルホン酸ナトリウム:抗炎症作用があり、口内の炎症を軽減します。歯茎の腫れや痛みがある場合に効果的です。
市販薬を使う際の注意点
市販薬を使用する際には、いくつかの注意点があります。正しい使い方を守ることで、安全に痛みを和らげられます。
用法・用量を守る
市販薬は、必ずパッケージに記載された用法・用量を守って使用しましょう。過剰に服用すると、副作用が発生する恐れがあります。特に、鎮痛剤は長期間の連用を避け、痛みが続く場合は歯医者に相談することが大切です。
食事の後に服用する
鎮痛剤は、空腹時に服用すると胃に負担がかかることがあります。食後に薬を飲むことで、胃への負担を軽減できます。
他の薬との併用に注意
市販薬には、他の薬と併用するときに注意が必要なものがあります。特に、市販の総合風邪薬、鼻炎薬などの抗ヒスタミン薬との併用は成分の重複リスクや副作用の発生リスクが高まるため、併用する前に必ず薬剤師や登録販売者に確認しましょう。
歯痛を予防するためのセルフケア
市販薬を使って一時的に歯痛を和らげることができますが、根本的な原因を解消するためには、日常的なセルフケアが重要です。3つのポイントを参考に、歯痛の予防をしましょう。
正しい歯磨き習慣をつける
歯磨きの際には、優しく丁寧に磨くことが大切です。歯茎を傷つけないよう、柔らかい歯ブラシを使い、1日3回毎食後の歯磨きを心がけましょう。また、歯と歯の間の汚れを取るために、デンタルフロスや歯間ブラシも併用すると効果的です。
定期的に歯医者に通う
定期的に歯医者での検診を受けることで、虫歯や歯周病の早期発見が可能になります。早期に問題を見つけて対処することで、歯痛を防げます。
甘いものや酸性の食べ物を控える
甘いものや酸性の食べ物(炭酸飲料や柑橘類)は、虫歯の原因になることが多いです。これらの食べ物を摂取した後は、しっかりと歯磨きを行い、口内を清潔に保つようにしましょう。
まとめ
歯痛に悩んでいるとき、市販薬を使って痛みを一時的に和らげられますが、根本的な原因を解決するためには、歯医者での診察が必要です。市販薬の適切な使い方を理解し、正しいセルフケアを取り入れて、歯の健康を守りましょう。
痛みが続く場合や、歯茎の炎症がひどい場合は、早めに専門医に相談することが大切です。歯痛をしっかりケアして、健康な歯を維持していきましょう。
参考資料
歯痛の対策|くすりと健康の情報局
歯周病の進行と症状
知覚過敏 – 歯とお口のことなら何でもわかる テーマパーク8020
ブラッシング – 歯とお口のことなら何でもわかる テーマパーク8020
執筆者 / ファクトチェック / 監修者
Yosuke Fukuoka
【薬剤師】ドラッグストア薬剤師を4年間経験。その後、本社教育部門にて市販薬セミナーの講師を務める。広告やパッケージに惑わされないお薬選びのコツを「わかりやすく」伝えられるよう、日々の執筆を行っています。
Nobuhiro Nagao
病院薬剤師として6年勤務。主にがん領域を経験。
現在は調剤薬局にて経営者かつ薬剤師として地域の健康サポートに取り組んでいます。
また、webライターとしてOTCやセルフメディケーションについて正しい医療情報を発信し、悩みを解消できる記事作成に励んでいます。
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