「トランシーノⅡ」成分の効果と飲み方|副作用や飲み合わせに注意

ふと鏡を見たときに、「あれ? こんなところにしみなんかあったかしら……」と思ったことはありませんか?毎朝忙しいのに、お化粧するたびにコンシーラーを使って、しみを隠すのも手間がかかりますよね。

今回はしみ改善が期待できる「トランシーノⅡ」について紹介します。

「トランシーノⅡ」の特徴

トランシーノⅡの最大の特徴は何といっても、しみの中でも「肝斑」に的を絞った日本で唯一*のOTC医薬品であることです。(*2021年6月現在)

しみの中でも「肝斑」に効く

ひとえに「しみ」といっても、様々な種類があります。ここでは、代表的な4種類のしみについて紹介します。

【代表的な4種類のしみ】

table1

肝斑は、他のしみと判別がしづらい場合があるため、自分で判断しかねるときには皮膚科医または薬剤師にご相談ください。

詳しくはこちらで解説しております。

また、しみは一種類だけができているとは限りません。複数のしみが同じ場所にできていることも多く見られます。その場合は治療の順番を考えながら対処していく必要がありますが、まずは肝斑治療から始めましょう。肝斑はしみの中でも治りづらいといわれています。

また、肝斑の治療中に、異なる種類のしみが現れることもしばしばあります。

8週間の服用期間

トランシーノⅡには8週間の服用期間が設けられています。8週間の服用が過ぎましたら、トランシーノⅡは一旦お休みしてください。

「なぜ8週間目以降は飲んではいけないの?」と思われる方も多いと思いますが、メーカーによるトランシーノⅡの臨床試験において、8週間の服用で十分な肝斑改善効果が認められたことによります。

それにより、トランシーノⅡの服用を漫然と続けるのを避けるためです。

「トランシーノⅡ」の成分について

トランシーノⅡは、5種類の有効成分で成り立っています。

トラネキサム酸

【トランシーノⅡの主成分】4錠(一日量)中 750mg
トラネキサム酸はアミノ酸の一種です。

しみの元となるメラニン色素を発生させるメラノサイトを活性化させるのがプラスミンと呼ばれる酵素ですが、そのプラスミンを抑制する働きがあるため、色素沈着抑制効果を発揮します。

L-システイン

【肌の代謝に関与する成分】4錠(一日量)中 240mg

紫外線を浴びると、肌細胞を守るためにメラニン色素が生成されます。正常であれば、28日周期で皮膚のターンオーバーが起こり、古い皮膚細胞は垢となり剥がれ落ちます。そのときに、メラニン色素も細胞と共になくなるため、色素沈着は起こりません。

しかし、紫外線を長時間浴びたり、過度な肌への刺激、ストレスなどにより、皮膚のターンオーバーがうまく回らず、メラニン色素が消えずに増える一方。これが、しみの原因となります。

L-システインはタンパク質を構成するアミノ酸の一つ。ビタミンCやビタミンB群と共に用いることで、メラニン色素の生成を抑制・体外への排出し、皮膚の色素沈着を改善します。

アスコルビン酸(ビタミンC)

【酸化防止作用のある成分】4錠(一日量)中 300mg

アスコルビン酸は、水溶性ビタミンのビタミンCです。ビタミンCの酸化防止作用により、体内で紫外線などからのダメージからわたしたちの細胞を守ってくれる働きがあります。

L-システイン同様、メラニン色素の生成の抑制をするほか、色素沈着したメラニン色素を還元する効果が認められており、しみの色を薄くさせる効果が期待できます。

ピリドキシン塩酸塩(ビタミンB6)

【皮膚に関与するビタミン】4錠(一日量)中 6mg

水溶性ビタミンであるビタミンB6は、タンパク質の代謝に関与するほか、皮膚や粘膜を正常に保つ働きがあります。

パントテン酸カルシウム

【皮膚の新陳代謝を促す働き】4錠(一日量)中 24mg

パントテン酸は、水溶性ビタミンであるビタミンB5です。ビタミンCの働きを助け、皮膚の健康を維持する効果があります。
※パントテン酸カルシウムは、パントテン酸の吸収を高めるために、カルシウムと結合されたものです。

「トランシーノⅡ」の製品について

効能効果

トランシーノⅡの効能・効果は『しみ(肝斑に限る)』(トランシーノⅡ添付文書より抜粋)となっています。肝斑以外のしみでは服用できないので、ご注意ください。

用法用量

トランシーノⅡの飲み方は、1日2回食後に1回2錠です。

15歳未満では服用できません。

早く肝斑を治したいからと、用法用量以上に服用しても改善するものではありません。まずは4週間、用法用量を守って服用していただき、少しでも改善傾向が見られれば、ぜひ計8週間飲み続けてください。

また、トランシーノⅡの含まれるビタミンCにより、胃が弱い方は胃もたれや胃痛を感じること可能性があるため、食後すぐの服用をお勧めします。

注意情報

トランシーノⅡを服用するにあたり、注意していただきたい点があります。

尿検査や便潜血検査において、影響が出る可能性あり

トランシーノⅡに含まれるビタミンCは水溶性ビタミンです。万が一過剰摂取してしても、余分なビタミンCは尿として体から排出されます。ただし、健康診断などで行われる尿検査では、尿中のビタミンCによりブドウ糖やビリルビン、潜血反応などの項目で、偽陰性になる恐れがあります。

ビタミンCの強い還元作用により、尿試験紙の酸化反応を用いて確認する一部の検査項目で、本来よりも反応が弱まってしまうためです。例えば、本来ならば尿糖(ブドウ糖)陽性のはずがスルーされ、糖尿病などの重要な疾患が見落とされてしまうケースも考えられます。

また、ビタミンCによって便潜血検査も偽陰性になる可能性もあります。さらに、トランシーノⅡの主成分であるトラネキサム酸は止血作用を持つため、消化管のいずれかで出血しているにも関わらず、一時的に止血され、結果が偽陰性となることも考えられます。

健康診断や尿検査や検便の予定があれば、検査前3日前よりトランシーノⅡの服用中止が無難でしょう。また、急な検査の場合などは、トランシーノⅡを服用していることをあらかじめ医師に伝えましょう。

咽頭炎や口内炎でトラネキサム酸が処方されることが多い

トラネキサム酸は、医療用医薬品としていろいろな用途で使われていますが、特に咽頭炎など『のどの赤みや腫れ』『口内炎』で病院にかかったとき、多くの場合処方されます。

トランシーノⅡには、トラネキサム酸が一日あたり750mg含まれています。一般的に、咽頭炎や口内炎で医師が処方するる量として、一日当たり750mg~2000mg(添付文書を参考)になるため、一緒に服用してしまうと過剰摂取になる恐れがあります。

そのため、必ずトランシーノⅡを服用していることを、医師または薬剤師に伝えてください。

薬剤師からのポイント

第1類医薬品に分類

トランシーノⅡは、第一類医薬品に分類されています(2021年6月現在)。OTC医薬品分類で第一類医薬品は、要指導医薬品に次いで厳しい規制になり、『副作用、相互作用などの項目で安全性上、特に注意を要するもの。店舗においても、生活者が薬剤師の説明を聞かずに購入することがないよう、すぐには手の届かない場所に陳列などすることとされています。』

※日本OTC医薬品協|OTC医薬品の販売方法について | OTC医薬品の分類について | 第一類医薬品 より抜粋

薬剤師から書面上での説明は義務となっていますが、オンライン販売は認められているため、買い求めやすくなっています。

8週間服用後はお休み

トランシーノⅡを8週間服用後お休みしてください。もし、服用後に肝斑が再発した場合、最低でも2ヶ月は空け、再開する場合も8週間までの服用になります。もし、8週間服用しても効果が得られない場合には、肝斑以外の可能性もあります。8週目以降の服用はせず、皮膚科などの専門医に一度診てもらいましょう。

服用休止期間もしみ・そばかすへの対策は忘れずに

トランシーノⅡを8週間飲んだから、もう何もケアする必要はないというわけではありません。服用休止期間中も、紫外線によるしみ・そばかすへの対策を怠らないことが必要です。

例えば、

  •  紫外線カット効果のあるつばの大きな帽子や日傘を使う
  •  夏以外でも、日焼け止めクリームやUVカット効果のある化粧下地を使う
  •  化粧水や乳液、美容液などで十分な保湿をする
  •  過度に紫外線を浴びない
  •  規則正しい生活を送る(十分な睡眠時間、栄養バランスのよい食事など)
  •  ストレスを溜めこまず、上手にストレス発散する

途中で服用を中止でもOK

トランシーノⅡは、服用4週目から5週目で改善状況が明らかになってきます。メーカーによる臨床試験の結果、1ヵ月服用の改善率は約63%、更に2ヵ月服用においては約85%の改善率と報告されています。

ご自身の判断により、1ヵ月の服用で十分な効果を感じたならば、その時点でトランシーノⅡの服用を中止しても問題ありません。

肝斑以外のしみ・そばかすの対策として、同シリーズの「トランシーノ ホワイトCクリア」に切り替えてもいいでしょう。L-システインやビタミンC、ビタミンB群、ビタミンEが入っており、お肌のターンオーバーが正常化し、黒色メラニンが排出されることで、しみ・そばかすの色が徐々に薄くなっていき、お肌の調子もよくなるでしょう。

まとめ

笑顔の女性

どんなに小さなしみであっても、女性は常にキレイでいたいものです。肝斑で悩んでいる30代から40代の女性に、おススメしたい「トランシーノⅡ」。

女性ホルモンのバランスの乱れというのは、女性なら誰もが避けては通れない道ではありますが、トランシーノⅡの力を借りて、しみのない肌を目指してみませんか?

 

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参考資料
トランシーノⅡ|トランシーノ|第一三共ヘルスケア
トランシーノII(詳細)|第一三共ヘルスケア
トランシーノⅡ | 添付文書
そのシミは肝斑かもしれない。シミに悩む女性のためのかんぱん専用サイト | 肝斑information
あなたのシミの種類をチェック|ハイチオール【エスエス製薬】
シミの症状・原因|くすりと健康の情報局
OTC医薬品の販売方法について | OTC医薬品の分類について | OTC医薬品協会
シミ・そばかす |  症状・疾患を知ろう | シミ・そばかす対策チェック | エスエス製薬

執筆者 / ファクトチェック / 監修者

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Yuki Ohkoshi

Yuki Ohkoshi

薬剤師

調剤併設ドラッグストアや調剤薬局にて15年以上保険薬剤師として勤務。患者様の心に寄り添う投薬を心掛けています。
また、医療・薬や育児に関する記事を中心に執筆しています。恐竜大好きわんぱく男の子を育てる未婚のシングルマザーで育児奮闘中。

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Yosuke Fukuoka

薬剤師

【薬剤師】ドラッグストア薬剤師を4年間経験。その後、本社教育部門にて市販薬セミナーの講師を務める。広告やパッケージに惑わされないお薬選びのコツを「わかりやすく」伝えられるよう、日々の執筆を行っています。

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Ryo Omura

医療編集プロダクションMEDW 代表
株式会社TENTIAL メディアディレクター、リーガルチェック
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