便秘薬に頼りたくないあなたへ。整腸剤による便秘解消のはたらきを紹介

便秘は食物繊維や水分の摂取不足、加齢、ストレスなどが原因となり誰にでも起こりうる疾患です。特に、女性や高齢者の方で悩まれた方も多いのではないでしょうか。便秘を解消したいけれども便秘薬に対して不安が残る、そんな方に知っていただきたいのが整腸剤です。この記事では便秘に対して効果が期待される整腸剤のはたらきや具体的な製品について詳しく解説します。

薬剤師からのポイント

キーポイント

便秘の原因の1つに腸内フローラが関係

便秘の原因の1つに腸内フローラが関係していることをご存知でしょうか。腸内フローラとは腸内に存在するさまざまな細菌の集まりを指します。腸内細菌には大きく『善玉菌』『悪玉菌』『日和見菌』の3種類が存在し、正常時にはバランスよく保たれています。しかしながら腸内フローラのバランスが崩れると便秘や下痢など身体の不調が現れることがあります。

腸内フローラを整えるのが整腸剤

腸内フローラのバランスは、体調や食生活、年齢、ストレス、お薬の使用などさまざまな要因によって日々変化しています。整腸剤はこの腸内フローラのバランスを整える役割を担っています。

整腸剤は便秘以外にも効果がある

整腸剤は便秘だけでなく、軟便や腹部膨満感にも効果があります。腸内フローラのバランスが崩れることによって引き起こされる軟便や腹部膨満感は便秘と同様に整腸剤によって改善できます。

整腸剤の成分とはたらき

整腸剤の主な成分とその働きについて解説します。

主な成分は『乳酸菌』

整腸剤の主な成分は乳酸菌です。乳酸菌はその名のとおり、発酵によって糖から乳酸という成分をつくる細菌の総称です。人体に有益な菌のため善玉菌とも呼ばれることがあります。

食品としてはヨーグルト・チーズなどの乳製品をはじめ、漬物や日本酒などの発酵食品の製造に使われています。ヨーグルトなどでよく知られているビフィズス菌も乳酸菌の一種です。

乳酸菌のはたらき

乳酸菌は腸内で悪玉菌の増殖を抑え、腸内フローラのバランスを整える役割をはたしています。腸内フローラのバランスを整えることで、便秘や下痢などの改善だけでなく、血中コレステロールの低下や免疫機能を高めるなどさまざまな働きがあると言われています。

代表的な整腸剤

代表的な整腸剤は以下のとおりです。皆さんも耳にしたことがある製品があるのではないでしょうか。

新ビオフェルミンS

ビオフェルミンS は3種の乳酸菌 (ビフィズス菌、フェーカリス菌、アシドフィルス菌) が配合された製品です。

錠剤と細粒の2種類の剤形があり、好みに応じて使用する製品を選択することができます。特に細粒タイプのものは生後3ヵ月から服用することができるという特徴があります。

効果・効能

整腸 (便通を整える)、便秘、軟便、腹部膨満感

食後に服用すると乳酸菌が胃酸の影響を受けることなく腸まで届くため、より効果的です。

具体的な用法・用量は製品に記載の説明文書をお読みください。
https://www.biofermin.co.jp/products/biofermin_s/info/ 

ビオフェルミンSプラス

ビオフェルミンSプラスはビオフェルミンSに配合されている3種類の乳酸菌に加え、ロンガム菌と呼ばれる乳酸菌が追加され4種類の乳酸菌が配合されている製品です。

ロンガム菌は大腸で酢酸と呼ばれる酸を産生し悪玉菌の増殖を抑制する働きがあります。

ビオフェルミンSと同様に錠剤と細粒の2種類の剤形があり、細粒タイプのものは生後3ヵ月から服用することができます。

効果・効能

整腸 (便通を整える)、便秘、軟便、腹部膨満感

ビオフェルミンSと同様、食後に服用すると乳酸菌が胃酸の影響を受けることなく腸まで届くため、より効果的です。

具体的な用法・用量は製品に記載の説明文書をお読みください。
https://www.biofermin.co.jp/products/biofermin_s_plus/ 

ビオスリー

ビオスリーは酪酸菌、ラクトミン、糖化菌の3種類の菌が配合された整腸剤です。

先ほどまでの製品とは異なり乳酸菌はラクトミンのみですが、酪酸菌や糖化菌は善玉菌である乳酸菌の働きを助ける効果が期待されます。

錠剤と散剤の2種類の剤形があり、好みに応じて使用する製品を選択することができます。散剤タイプのものは生後3ヵ月から、錠剤タイプは5歳から服用することができます。

効果・効能

整腸 (便通を整える)、便秘、軟便、腹部膨満感

具体的な用法・用量は製品に記載の説明文書をお読みください。
https://bio-three.jp/products/ 

まとめ

今回は便秘に対して効果のある整腸剤について詳しく解説しました。便秘を解消したいけれども、便秘薬を使用するのには抵抗がある方にとって整腸剤は1つの選択肢になるのではないでしょうか。

使用するお薬のことをよく理解し、正しくご使用ください。

 

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新ビオフェルミンSの特徴

参考文献

ヒトの腸内細菌叢
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jhas/8/1/8_1_8/_pdf 

新ビオフェルミンS錠説明文書
https://www.biofermin.co.jp/products/biofermin_s/pdf/bfsj_temp.pdf 

新ビオフェルミンSプラス錠説明文書
https://www.biofermin.co.jp/products/biofermin_s_plus/pdf/bfpl_jou.pdf 

ビオスリーH製品説明
https://bio-three.jp/products/ 

執筆者 / ファクトチェック / 監修者

Author profile

Nobuhiro Nagao

病院薬剤師として6年勤務。主にがん領域を経験。
現在は調剤薬局にて経営者かつ薬剤師として地域の健康サポートに取り組んでいます。
また、webライターとしてOTCやセルフメディケーションについて正しい医療情報を発信し、悩みを解消できる記事作成に励んでいます。

一緒にセルフメディケーションについて知識を増やしていきましょう。

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Yosuke Fukuoka

薬剤師

【薬剤師】ドラッグストア薬剤師を4年間経験。その後、本社教育部門にて市販薬セミナーの講師を務める。広告やパッケージに惑わされないお薬選びのコツを「わかりやすく」伝えられるよう、日々の執筆を行っています。

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