乾燥の時期になるとひび割れやあかぎれに悩む方が多くなります。ドラッグストアに軟膏を買いに行っても種類が多く、「私に合うのはどれ?」「手やかかとでは選ぶ薬に違いがあるの?」などさらに悩んでしまいますよね。
今回はCMでもおなじみの「ヒビケア」について効果や成分、軟膏αとftの違いなどを紹介します。自分の症状に合うタイプの薬を見つけてみましょう。
もくじ
ヒビケア軟膏αとは
ヒビケア軟膏αとは虫刺されの「ムヒ」でおなじみの池田模範堂から発売されている、ひび・あかぎれ治療薬です。ひび・あかぎれの修復を早める成分「アラントイン」「パンテノール」の2種類が配合しており、軽いひび割れはもちろん、くり返すぱっくり割れのひび・あかぎれも治療できます。
さらにサポート成分に血行促進成分、保湿成分、かゆみを抑える成分がバランスよく配合されているので、ひび・あかぎれによって起こるお肌のカサカサやかゆみに対してもケアができる商品です。
「ヒビケア軟膏a」と「ヒビケアft軟膏」の2種類ある
ヒビケアには「ヒビケア軟膏α」と「ヒビケアft軟膏」の2種類があります。
ヒビケア軟膏αは主に「手」のひび・あかぎれに対して作られた商品です。
一方、ヒビケアft軟膏は「かかと」や「ひじ」「ひざ」のひび・あかぎれに対して作られた商品です。
ヒビケアの効果

ヒビケア軟膏a
ヒビケア軟膏αはひび、あかぎれ、しもやけに対して効果があります。
ヒビケアft軟膏
ヒビケアft軟膏はひじ・ひざ・かかとのあれ、ひび、あかぎれ、指先・手のひらのあれ、しもやけに対して効果があります。
ヒビケア軟膏αの成分
アラントイン
ヒビケア軟膏αにはアラントインが0.2%配合されています。アラントインの損傷組織修復促進作用によりひび割れた皮膚の修復を助け、ひび、あかぎれの改善をします。
パンテノール(プロビタミンB5)
ヒビケア軟膏αにはパンテノールが1%配合されています。お肌の細胞の正常な働きを助け、ひび、あかぎれの改善をします。
トコフェロール酢酸エステル(ビタミンE誘導体)
ヒビケア軟膏αにはトコフェロール酢酸エステルが0.2%配合されています。血行を良くする働きがあり、ひび、あかぎれの回復を早めます。
グリセリン
ヒビケア軟膏αにはグリセリンが40%配合されています。グリセリンの保湿作用により、ひび、あかぎれに伴う乾燥したお肌にうるおいを与えます。
ジフェンヒドラミン
ヒビケア軟膏αにはジフェンヒドラミンが0.5%配合されています。抗ヒスタミン作用により、かゆみの原因になるヒスタミンの働きを抑え、ひび、あかぎれに伴うかゆみを抑えます。
ヒビケアft軟膏はビタミンAが追加配合
ヒビケア軟膏αには有効成分が5種類配合されていますが、ヒビケアft軟膏は有効成分が6種類配合されています。追加されているビタミンAは皮膚の新陳代謝を促進し、荒れた皮膚をなめらかにすることが期待できます。
さらに血行促進効果を期待してビタミンEの配合量はヒビケア軟膏αの10倍量配合されています。
ひび修復促進成分がぱっくり割れなどを集中的にケア
市販のひび割れ・あかぎれ治療薬には修復促進成分が1種類だけのものが多いですが、ヒビケアにはひび・あかぎれの修復を早める成分「アラントイン」「パンテノール」の2種類が配合されています。
そのためひび割れた場所に修復成分が集中的に働き、くりかえしぱっくり割れて治りにくかったひび割れ・あかぎれを治すことができます。
ヒビケア軟膏aとft軟膏はどう使い分けたらいい?

ヒビケアは塗る部位ごとで使い分ける
基本的にはヒビケア軟膏αは「手」のひび・あかぎれに対して使用します。一方ヒビケアft軟膏は「かかと」や「ひじ」「ひざ」のひび・あかぎれに対して使用します。
特にヒビケアft軟膏は「厚い皮膚」の構造を考えて作られています。かかとやひざなどは本来、皮膚が厚く作られており、乾燥などによりガチゴチに硬く荒れた状態になりやすいです。
そのため、ヒビケアft軟膏にはビタミンAが追加で配合されており、皮膚の新陳代謝を改善して、ガチゴチに硬くなりやすい「かかと」や「ひじ」「ひざ」の皮膚の荒れをなめらかにし、ひび割れにくいようにしてくれます。
ヒビケア軟膏αを「かかと」に使ってもいい?
ヒビケア軟膏αを「かかと」や「ひじ」「ひざ」に使用することもできますし、逆にヒビケアft軟膏を「手」に使うことも可能です。
しかし、ヒビケアft軟膏は「かかと」や「ひじ」「ひざ」の厚い皮膚構造を考えて作られているので、「かかと」「ひじ」「ひざ」の厚い皮膚に使用する場合はヒビケアft軟膏を使用するのが良いでしょう。
ヒビケアの使用感
ヒビケア軟膏α


実際に使用してみましたが、クリームはやわらかめで軽さを感じられました。クリームのなじみも良かったです。10回ほど刷り込めばお肌がしっとりした感じになりました。ヒビケア ft軟膏と比べると手に刷り込みやすいのはやはりヒビケア 軟膏αだと感じました。
ヒビケア ft軟膏


こちらも実際に使用してみました。クリームは硬めで少し重さも感じられます。ただ、すごい「硬い」「重い」というわけでもなく、こちらも10回ほど刷り込めばお肌にしっかり馴染んで、お肌がしっとりした感じになりました。またヒビケア 軟膏αと比べ密着感が高く感じられました。
そのため、外部からの刺激を多く受けやすい「かかと」やぱっくり割れた部分をしっかり保護したいという方はヒビケア ft軟膏の方がおすすめです。
薬剤師からのポイント

ステロイドなど抗炎症作用を有する成分は含まれていない
ヒビケア軟膏α、ヒビケアft軟膏共にステロイドなどの抗炎症成分は配合されていません。そのため、皮膚の赤みや腫れが気になる方は抗炎症成分の配合されたひび割れ・あかぎれ治療薬を使用するのが良いでしょう。
グリセリン配合でしっとり感を感じられる
ヒビケア軟膏α、ヒビケアft軟膏共に、有効成分にグリセリンが配合されています。グリセリンは化粧品などでも保湿成分として使用されるので、使用感が「しっとり」したものを好まれる方や、乾燥感が強い方におすすめです。
さいごに
ヒビケアにはひび・あかぎれの修復を早める成分「アラントイン」「パンテノール」の2種類が配合されていて、軽いひび割れはもちろん、くり返すぱっくり割れのひび・あかぎれも治療できます。
またヒビケア軟膏αは「手」のひび・あかぎれに対して、ヒビケアft軟膏は「かかと」や「ひじ」「ひざ」のひび・あかぎれに対して作られているので、「どの部位」のひび・あかぎれを治すかを明確にすることで商品が選びやすくなります。
実際にお店でお客様にお話を聞くと、みなさん我慢をして症状が悪化している状態の方が非常に多く見受けられました。大切なのは「早めの治療」です。早めに薬でケアすることで症状の悪化を最小限に抑えられるので、我慢せずに薬を塗ってくださいね。
寒さが厳しいこれからの季節、ふと症状に気づいた時にすぐ塗れるようヒビケアを1本常備しておくと安心ですね。
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ヒビケアに関するQ&A
Q.何歳から使用できますか?
A.生後1ヶ月から使用できます。ただし小児に使用させる場合は保護者の指導監督のもとに使用させてください。
Q.唇のひび割れには使用できますか?
A.唇には使用できません。唇には唇専用の治療薬をお使いください。
Q.妊娠中・授乳中でも使用できますか?
A.使用できます。
Q.1日何回塗ればいいの?
A.1日5〜6回を目安に塗ってください。またヒビケア軟膏αは水に流れやすいクリームですのでこまめに塗って頂くことをおすすめします。
Q.ステロイドは入っていますか?
A.ヒビケア軟膏α、ヒビケアft軟膏共にステロイドは入っていません。
Q.薬剤師や登録販売者による販売が必要?
A.登録販売者がいれば購入できます。
ヒビケアは第3類医薬品です。薬剤師が不在でも、登録販売者のいるドラッグストアなどで購入できます。
Q.ECサイトなどネットで購入することはできる?
A.インターネットなどの通販サイトでの購入が可能です。
参考資料
・パックリ割れるひび・あかぎれに/ヒビケア ft/池田模範堂
・ヒビケアft説明文書
・ヒビケア説明文書
執筆者 / ファクトチェック / 監修者
【薬剤師】ドラッグストア薬剤師を4年間経験。その後、本社教育部門にて市販薬セミナーの講師を務める。広告やパッケージに惑わされないお薬選びのコツを「わかりやすく」伝えられるよう、日々の執筆を行っています。