めまいに効く市販の漢方薬「メイマック」どんな人に効果的?

『朝起きたときにクラクラする』『家事をしていると、急に目が回る』など場所を選ばずに起こるめまい。めまいは病院での治療が一般的ですが、症状や原因によっては市販薬での対応も可能です。この記事では市販薬として販売されている、めまいの症状を原因から改善する漢方薬メイマックの効果や注意点を解説します。

メイマックは漢方成分配合の市販薬

メイマックは小林製薬から発売されているめまい改善薬で、漢方成分を配合しています。

漢方のはたらきで平衡機能を正常化し、繰り返すめまいを原因から改善します。

また、メイマックは錠剤タイプの漢方薬なので、漢方独特のにおいや味が苦手な方でも服用しやすい工夫が施されています。

メイマックの有効成分とその効果

メイマックには漢方薬の『沢瀉湯(たくしゃとう)』を配合しています。

沢瀉湯はめまいの原因の1つである、耳のリンパ液のむくみを改善することで、平衡機能を正常にし、めまいや頭重を改善します。

また、沢瀉湯は目が回ったり天井がグルグルしたりするなどの『回転性のめまい』に有効な漢方薬として選ばれてきた経験があります。

めまいの原因

人の耳のなかには平衡感覚(バランス感覚)をつかさどる三半規管があります。三半規管のなかにはリンパ液とリンパ液の流れを感知する感覚毛があり、頭を動かしたりするときに、このリンパ液や感覚毛が正常にはたらくことでバランスを感知しています。

しかし、疲労やストレスなどがかかるとリンパ液がむくみます。リンパ液がむくむことで感覚毛に異常な刺激が発生してしまい、うまく働かなくなることでめまいが発生すると考えられています。

めまいの症状

めまいには大きく3つの種類があるといわれています。目や天井がグルグルと回る『回転性めまい』、からだが浮いたような感覚でフワフワとふらつく『浮動性めまい』、気が遠くなるような感覚や目の前が真っ暗になる『前失神性めまい』があります。

代表的なめまいと症状は以下になります。

名称特徴
めまい症ストレスや睡眠不足によって起こるといわれており、検査では異常がみつからない自律神経の不調。更年期障害の症状の1つでもある。
メニエール病突然、回転性のグルグルとしためまいが起こり、吐き気、嘔吐、耳がつまる感じや耳鳴りを感じる。
良性発作性頭位めまい寝返りを打ったときや何かを拾おうと腰をかがめたときなど頭を動かしたときに起こる。加齢や平衡感覚をつかさどる耳石がはがれることが原因で、高齢者ほど起こりやすい。
メンタル疾患によるめまいうつ病や不安障害などによって引き起こされ、気分の落ち込みや不安、不眠、食欲の異常、集中力の低下などに加えて、めまいや耳鳴りが起こる。
前庭神経炎によるめまい風邪を引いたあとからめまいが長期間続き、頭の位置とは関係なくめまいが起こるときは前庭神経炎によるめまいが疑われる
突発性難聴突然、左右の耳のどちらか一方の聞こえが悪くなる病気でめまい症状をともなうこともある。40〜60歳代に多く見られる。

メイマックはどんな人に効果的?

メイマックに配合されている沢瀉湯はめまいのなかでも目が回ったり、天井がグルグルしたりするなどの『回転性のめまい』に効果的であると考えられています。

また、沢瀉湯は水分バランスを整えてめまいを改善する漢方です。そのため、めまい以外にからだのむくみや頭痛、下痢をしやすい体質の方に向いています。

水分バランスの乱れは、疲労やストレス、睡眠不足で起こることから、身体の疲れや体調がすぐれないときにめまいを感じる人はメイマックを服用してみるとよいでしょう。

メイマックを飲んで眠くならない?

 市販で販売されているめまいを改善する薬のなかには眠くなる成分が配合されているものもあります。しかし、メイマックは漢方薬のめまい改善薬のため、眠くなる成分を配合していません。家事や仕事などで眠くなっては困る方にも、眠気を心配せずに服用できます。

使用するうえでの注意点

メイマックを使用するうえで注意する点は、服用のタイミングです。メイマックは1日2回、1回3錠を食前または食間に服用します。食前とは食事をする30分前で、食間とは食後約2〜3時間のタイミングをさします。市販薬の多くは食後に服用するのが基本ですが、漢方薬は胃に食物がない状態の方が有効成分を効率的に吸収できるため、食前または食間で飲むようにしましょう。

他のめまいに効く市販薬は?

メイマックは疲労やストレス、睡眠不足などで起こるめまいに効果的ですが、他にもストレスによるめまいや乗り物酔いによるめまいに効く市販薬も販売されています。

ストレスによるめまい

ストレスによるめまいに効く漢方薬に『ツムラ漢方釣藤散エキス顆』があります。ストレスをはじめ、肩こりや血圧が高めの方にむいている漢方薬です。

日頃のストレスが多い方や怒りっぽい方は身体に必要な潤いが不足しているため、熱がこもりやすく、そのせいでめまいが起こることがあります。ツムラ漢方釣藤散エキス顆は神経の高ぶりを抑え、身体にこもった熱を冷ますことでめまいを改善します。

乗り物酔いによるめまい

乗り物酔いによるめまいには『トラベルミンR』や『アネロンニスキャップ』などの乗り物酔いの薬が効果的です。車や飛行機などに乗っていると、減速や加速、カーブによって平衡感覚が混乱してしまうことでめまいや頭痛、吐き気などの症状が起こることがあります。

トラベルミンRやアネロンニスキャップはあらかじめ症状を予防する効果と乗り物酔いしてしまってからの効果のどちらも兼ね備えているのもポイントです。

日常生活で気を付けること

疲れやストレスなど身体が無理をしている状態でめまいは起こることが多いため、睡眠時間をしっかり確保したり、ゆっくり湯船につかったり、マッサージを受けてリラックスすることが大切といわれています。

また、スマートフォンの使いすぎによる『ストレートネック』がめまいの原因になることもあるので、スマートフォンの使用時間や使用するときの姿勢に気をつけてみるとよいでしょう。

病気のサイン?病院受診をするべき症状とは

めまいといっても、症状や原因によっては脳の病気や他の病気が隠れていることもあります。めまいだけでなく、激しい頭痛、ろれつが回らない、手足が動かない、しびれ、、物が二重に見える、意識障害などの症状があるときは、すぐに病院を受診するようにしましょう。

またメイマックを1ヵ月くらい飲んでも症状が改善しないときは、他の原因が考えられるので服用を中止して病院を受診するようにしましょう。

まとめ

めまいを改善する市販薬のメイマックは疲労やストレス、首こり、肩こり、睡眠不足によってからだの水分バランスが乱れることでおこるめまいに効果がある漢方薬です。体質を気にせずに服用でき、錠剤タイプの漢方薬なので、漢方独特のにおいや味が苦手な方でも服用しやすく工夫されています。ご自身のめまいのタイプが過労やストレスからであれば、1度試してみるのもよいでしょう。

参考文献

めまいを原因から改善する漢方薬/メイマック/小林製薬
https://www.kobayashi.co.jp/brand/meimac/index.html#product 

めまい(眩暈)とは/メイマック/小林製薬
https://www.kobayashi.co.jp/brand/meimac/memai/ 

メイマック-製品情報-小林製薬株式会社
https://www.kobayashi.co.jp/seihin/meimk/ 

めまいと耳鳴りの漢方治療/漢・方・優・美クラシエ薬品
https://www.kampoyubi.jp/learn/practice/18.html 

ツムラ漢方釣藤散エキス顆粒(ちょうとうさん):一般漢方製剤・一般用医薬品
https://www.tsumura.co.jp/products/ippan/032/index.html 

【漢方解説】釣藤散(ちょうとうさん)/漢方セラピー/クラシエ
https://www.kracie.co.jp/ph/k-therapy/prescription/tyotosan.html 

トラベルミンRの製品情報/トラベルミン/エーザイ株式会社
https://www.eisai.jp/products/travelmin/travelmin_r 

乗り物酔いによるはきけ・めまいにには、アネロン「ニスキャップ」製品情報/エスエス製薬https://www.ssp.co.jp/product/all/annys/ 

執筆者 / ファクトチェック / 監修者

Author profile

Yosuke Fukuoka

薬剤師

【薬剤師】ドラッグストア薬剤師を4年間経験。その後、本社教育部門にて市販薬セミナーの講師を務める。広告やパッケージに惑わされないお薬選びのコツを「わかりやすく」伝えられるよう、日々の執筆を行っています。

Author profile

Nobuhiro Nagao

病院薬剤師として6年勤務。主にがん領域を経験。
現在は調剤薬局にて経営者かつ薬剤師として地域の健康サポートに取り組んでいます。
また、webライターとしてOTCやセルフメディケーションについて正しい医療情報を発信し、悩みを解消できる記事作成に励んでいます。

一緒にセルフメディケーションについて知識を増やしていきましょう。

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