のどが痛いと食べ物を飲み込むときに痛かったり、いつも通りの声がでなくなって辛いですよね。でも、ドラックストアでのどの痛みに効く薬を探してみても、スプレータイプやトローチタイプなどいろいろな薬があって迷ってしまいます。今回は、飲むタイプの『ぺラックT錠』について、内容成分や服用タイミングと併せて解説します。
「ペラックT錠」の特徴
ぺラックT錠は炎症やアレルギーを抑える作用のある、トラネキサム酸およびカンゾウエキスの他に、皮膚や粘膜の機能を正常に働かせるビタミンB2、ビタミンB6が配合されている薬です。空気の乾燥、風邪などが原因となるのどの炎症によく効き、7歳から服用できる薬です。
どのような症状に効果がある?
のどの痛みの原因には、ウイルスや細菌への感染、カラオケや大声によるのどの使いすぎ、タバコや辛い食べ物による直接的刺激などが挙げられます。これらの原因がのどにおいて炎症を引き起こし、痛みを引き起こします。
のどで炎症が起こっている際、体内ではプラスミンという物質が過剰に作られます。『ぺラックT錠』に配合されているトラネキサム酸という抗炎症成分は、このプラスミンの過剰な生成を抑制することで炎症を鎮めます。
「ペラックT錠」は口内炎にも効きます
のどの痛みに使われる「ぺラックT錠」ですが、実は口内炎にも効果があります。口内炎とは、主に口腔内で起きている炎症です。抗炎症物質のトラネキサム酸は、痛みを和らげる物質ではなく、直接の原因となるプラスミンの働きを抑えます。そのため、『ぺラックT錠』はのどの痛みの他に口内炎も効果があります。
「ペラックT錠」に配合している成分
ペラックT錠に配合している有効成分は、5種類あります。
トラネキサム酸
「ぺラックT錠」に最も多く配合されている成分はトラネキサム酸です。トラネキサム酸は医療現場でも使われており、抗炎症作用・抗アレルギー作用・色素沈着抑制作用など様々な作用を有しています。
カンゾウ乾燥エキス
カンゾウは古来から漢方薬や甘味料の一種として用いられる成分で、抗炎症・抗アレルギー作用を有し、トラネキサム酸と併せて抗炎症効果を発揮します。
ピリドキシン塩酸塩
ピリドキシンはビタミンB6の一種で、タンパク質や脂質の代謝を促進し、皮膚や粘膜を正常に保つ作用を有しています。
リボフラビン
リボフラビンはビタミンB2であり、糖質や脂質、タンパク質の代謝に関与しています。不足すると口が荒れたり、皮膚が乾燥したりすることがあります。
リボフラビンは水に溶けやすい成分であるため、尿が黄色くなることがあります。
L-アスコルビン酸ナトリウム
L-アスコルビン酸は体内でのコラーゲン合成に関与しており、皮膚や骨の健康を維持するためには欠かせません。また、ストレスや風邪などの病気に対する抵抗力を強める働きがあります。
「ペラックT錠」の製品について
用法・用量
次の量を1日3回、朝昼晩に服用してください。
成人(15歳以上):1回2錠
7歳以上15歳未満:1回1錠
7歳未満:服用しないでください。
服用タイミングは食前、食後に関わらず服用していただけます。症状を感じた際に早めの対処が可能です。
注意情報
次の方は服用しないでください。
1)カンゾウまたはその主成分グリチルリチンを含有する内服薬を使用している人
2)トラネキサム酸を含有する内服薬(風邪薬、解熱鎮痛薬、鎮咳去痰薬等)
次の人は服用前に医師又は薬剤師に相談してください。
1)医師又は歯科医師の治療を受けている人
2)妊娠又は妊娠していると思われている人
3)薬などによりアレルギー症状を起こしたことがある人
服用後次の症状が現れた場合には副作用の可能性がありますので服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
1)発疹・発赤、かゆみ
2)吐き気、胸やけ、食欲不振
3)めまい
4)頻尿
まれに下記症状が起きることがあります。その場合は医師の診療を受けてください。
偽アルドステロン症:手足のだるさ、しびれ、ツッパリ感やこわばりに加えて脱力感、筋肉痛が現れ徐々に強くなる
5-6日間服用しても症状が良くならない場合には服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
薬剤師からのポイント
のどの症状に特化した処方
「ぺラックT錠」は抗炎症作用を持つトラネキサム酸を750 mg配合しているだけでなく、口腔内粘膜の機能を正常に働かせる機能をもつビタミンを複数配合しているため、口やのどで起こるトラブルに特化した内服薬です。
眠くなりやすい成分を含まない
抗アレルギー成分が配合されいる薬の多くには「服用後、乗り物又は機械等の運転操作をしないでください」と記載されています。しかし、「ぺラックT錠」眠くなりやすい抗ヒスタミン成分を含まないため、仕事中や運転中、受験生にも安心して服用していただけます。
まとめ
今回はのどの痛みに対する内服薬として「ぺラックT錠」について解説しました。抗炎症作用をもつトラネキサム酸、カンゾウエキスだけでなく、様々な成分が配合されている薬です。
のどの痛みは様々な要因で起こり、生活の質を低下させます。辛いのどの痛みを放置するのではなく、薬を飲んですぐに治すことも選択肢の1つになるのではないでしょうか。のどの痛みに対する薬は飲み薬だけでなく、トローチやスプレータイプなどもあります。症状、使いやすさを考慮し自分にあったものを使用してください。
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参考資料
・ぺラックT錠|第一三共ヘルスケア
・ビタミンの概要|MSDマニュアル家庭版
執筆者 / ファクトチェック / 監修者
Ryo Omura
医療編集プロダクションMEDW 代表
株式会社TENTIAL メディアディレクター、リーガルチェック
理念
・誰にでもわかりやすい医療ヘルスケア情報を発信
・医療職の働き方にも自由度を。リモートワーク環境の構築
メディアから医療を変える「デジタルチーム医療」を中心に活動。
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