龍角散はどのような効果がある?知らない人も多い服用方法を解説

龍角散43g
画像提供 株式会社龍角散

「ゴホン!といえば龍角散」でおなじみの『龍角散』は、約200年前の江戸時代末期に生まれました。大変歴史のある薬ですが、さらに飲みやすくするための努力を惜しみません。さらなる進化を目指す龍角散ゆえ、今なお愛用者が多い薬の理由でしょう。

今回は、龍角散の効果を中心に解説していきます。

龍角散とは

龍角散は、咳止め・痰切り・炎症を鎮める効果を持つ生薬を使った微粉末のOTC医薬品です。20g、43g、90gの3種類があり、株式会社龍角散が販売しています。

龍角散は200年前からある歴史のある薬ですが、今なお進化し続けています。

進化し続けている2つのポイント

・今まで「薬がすべて落ちない」というクレームがあった付属のさじをリニューアル。穴を大きく3つ開けることで改善。

・ウイルス感染症治療薬の開発をしている株式会社AVSSと共同開発を行い、龍角散がまだ開発されていない抗ウイルス薬のために日々研究している。

第三類医薬品

龍角散は、第三類医薬品に分類されています。

第三類医薬品は、薬剤師もしくは登録販売者、薬剤師や登録販売者の管理・指導の下に限り一般従事者からも購入可能です。また、ネット通販でも手に入ります。

龍角散の成分

4つの生薬から構成される

龍角散は以下の4つの生薬から成り立っています。

キキョウ(桔梗)、セネガ

2生薬の有効成分サポニンの粘膜刺激作用によって気道から粘膜分泌が盛んになり、強力な去痰作用があります。

キョウニン(杏仁)

体内で分解された有効成分(青酸)により、咳止め薬として喘息、息苦しさに効果があります。

カンゾウ(甘草)

有効成分のグリチルリチンには、抗炎症、咳止め、抗アレルギーなどの多くの効果を示すことで有名です。

龍角散の効能効果および用法用量

龍角散の効能は、せき、たん、のどの炎症が原因とする諸症状です。

龍角散の服用法は特徴的です。舌の上に薬をおいて、ゆっくりと溶かし、のどの方へ運ぶように飲んでください。

なお、生後3ヵ月より服用できますが、年齢により服用量が異なります。

詳しくは公式サイトをご覧ください。

製品紹介『龍角散』| 株式会社龍角散 

薬剤師からのポイント

必ず水なしで服用しなければならない理由

龍角散は『必ず水なしで服用すること』が記載されていますが、それはなぜでしょうか。

通常、口や鼻から入った空気はのどから気道を通り、肺に達します。その空気中にハウスダストや花粉、ウイルスや細菌などの異物を含んでおり、その異物が肺まで届かないように、気道には粘膜と線毛(せんもう)の防御システムが備わっています。

線毛は鼻~のど~気管まで生えており、1分間で約1,500回もの速さで小刻みに振動することを『線毛運動』といいます。

龍角散は生薬の微粉末がのどの粘膜に直接刺激し、線毛運動を活発にすることで異物(痰)を排出しやすくさせ、咳を鎮める効果があります。

そのため龍角散を水で服用することにより、のどの粘膜で作用する成分が流れるため、効果を十分に発揮できません。

また、薬をしっかり効かせるためにも、服用後15〜30分は飲食しないようにしましょう。

他に漢方薬を服用している人は注意 

龍角散のみで起こることはごく稀ですが、他の漢方薬を飲んでいる人は生薬が重なり合うと、下記の症状がおこる可能性があります。特に下記にある甘草での症状が出た場合は、医師の診察を受けてください。

  • 甘草:浮腫、血圧上昇、疲れやすさ、脱力感など
  • 杏仁:下剤活性で下痢、腹痛

まとめ

今回は龍角散について解説しました。

歴史はある薬ですが、それに甘んじることなく、更なる進化をし続けています。

また、薬の効き方を考えると『必ず水なしで服用すること』という独特な飲み方も納得できるかと思います。

空気が乾燥しやすく、のどを痛めやすい時期では選択肢の一つになるでしょう。

 

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参考資料

龍角散|生薬がのどに直接作用する微粉末ののど薬  

製品紹介|龍角散|株式会社龍角散  

龍角散|添付文書(pmda.go.jp) 

よくあるご質問 株式会社龍角散  

執筆者 / ファクトチェック / 監修者

Author profile
Yuki Ohkoshi

Yuki Ohkoshi

薬剤師

調剤併設ドラッグストアや調剤薬局にて15年以上保険薬剤師として勤務。患者様の心に寄り添う投薬を心掛けています。
また、医療・薬や育児に関する記事を中心に執筆しています。恐竜大好きわんぱく男の子を育てる未婚のシングルマザーで育児奮闘中。

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Yosuke Fukuoka

薬剤師

【薬剤師】ドラッグストア薬剤師を4年間経験。その後、本社教育部門にて市販薬セミナーの講師を務める。広告やパッケージに惑わされないお薬選びのコツを「わかりやすく」伝えられるよう、日々の執筆を行っています。

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