二の腕のブツブツや黒ずみに効果があるザラプロAの特徴とは

2021.03.26 / 最終更新日：2024.09.26

肌のざらざらやブツブツ、黒ずみなど肌トラブルで悩まれている方は年齢問わず多くおられます。市販の塗り薬は様々な種類の商品が販売されていますが、症状にあった成分が配合している商品を選ばなければ良い効果が得られません。

今回は肌のざらざらやブツブツ、黒ずみに効果のあるザラプロAについて成分やポイントについて解説していきます

ザラザラ・ブツブツな肌は「毛孔性苔癬」という皮膚疾患

二の腕や太もも、おしりなどにできるブツブツやザラザラした肌は痛みやかゆみを伴わないため、体質かな？と放置してしまいがちです。しかし、それは毛孔性苔癬（もうこうせいたいせん）かもしれません。

毛孔性苔癬（もうこうせいたいせん）とは、毛孔性角化症の一種で「さめ肌」とも呼ばれます。皮膚の毛穴にブツブツとした湿疹ができる皮膚疾患のことです。二の腕にみられることが多く触るとザラザラとしています。毛穴の中にある毛包の角化が過度に進むことで起こっています。

痛みを伴うことはほとんどありませんが、赤みのある発疹を伴ったり、色素沈着により黒ずんだりする場合があります。10代に多くみられ、30代以降には目立たなくなっていきます。

ザラプロAとは

ザラプロAは、二の腕のザラザラやブツブツをなめらかな肌に導くことを目的とした第３類医薬品の皮膚軟化薬です。皮膚の角質層のターンオーバーに有効な4つの有効成分（尿素20％、トコフェロール酢酸エステル、グリチルリチン酸-アンモニウム、ビタミンA油）が配合されています。

医薬品ではめずらしいふんわりとやさしいフローラルの香りも特徴で、伸ばしやすくなめらかなクリームです。気になるザラザラやブツブツの肌症状を自分自身でケアすることを目的とした塗り薬です。

ザラプロAの効能・効果

ザラプロAは手指の荒れやさめ肌、ひじ・ひざ・かかと・くるぶしの角化症、老人の乾皮症に効果があります。さめ肌や角化症は馴染みが少ない言葉のため、下記で簡単に説明します。

さめ肌

さめ肌は正式には「毛孔性苔癬（もうこうせいたいせん）」と呼ばれる皮膚疾患で、角化症の一種でもあります。皮膚の毛穴にブツブツとした発疹ができ、ザラザラとした感触があります。最もできやすいのは二の腕で、肩や背中、お尻、太ももにできることもあります。

ひじ・ひざ・かかと・くるぶしの角化症

角化症とは皮膚が厚く硬くなる皮膚疾患の総称です。皮膚が硬くなる原因はさまざまありますが、遺伝性の先天的なものと、外部からの刺激により引き起こされる後天的なものがあります。毛穴の内側に古い角質がたまり、たまった角質が盛り上がることで起こる症状です。

老人の乾皮症

乾皮症とはいわゆる乾燥肌（ドライスキン）のことです。加齢に伴い皮膚表面の角層の保湿機能が低下し、皮膚表面の脂が減少することで水分も減少し乾燥が生じている状態で、かゆみを伴う事もあります。

有効成分とそれぞれの役割

ザラプロAに含まれている4つの有効成分は、それぞれに肌の生まれ変わりを促進し治療するため役割があります。ここではその4つの有効成分がもつ効果をご紹介します。

尿素

尿素は硬くなった角質を柔らかくし、取り除く作用があります。また、角質で水分を保つ作用も持っているため、皮膚をしっとりさせ、正常に保つことができます。

ビタミンA油

ビタミンAは脂溶性ビタミンであり、皮膚組織にも存在しています。塗布することで皮膚から吸収され、肌の生まれ変わりを助けます。皮膚表皮の新陳代謝を高め、ケラチン（角層を構成している繊維状のタンパク質）形成を抑えることで異常な角化の進行を抑えます。

トコフェロール酢酸エステル

トコフェロール酪酸エステルは、化学的に合成されたビタミンEの誘導体です。脂溶性ビタミンであるビタミンEも皮膚組織にも存在しています。塗布することで吸収され患部の血行を促進し、修復を助けます。また、ビタミンEはビタミンAの働きを助けてくれます。

グリチルリチン酸モノアンモニウム

生薬の甘草由来の成分で、抗炎症作用があります。炎症を抑えることで赤みを改善します。

薬剤師からのポイント

ザラプロAを使用する際に知っていただきたいことをご紹介します。

塗ることができる部位

以下のような症状がある部位に使用できます。

ざらざらした箇所（二の腕、内もも、お尻）
硬くなった部位（肘、膝、かかと、くるぶしなど）
手指の荒れ

ただし、目や目のまわり、粘膜、傷口、赤く炎症が起こっているような箇所は避けてください。

2週間は使用してみましょう

肌全体の生まれ変わり（ターンオーバー）は、基底層で細胞が作られてから垢として排出するまで約6週間と言われております。その中で肌表層にある角質層のターンオーバーは2週間程度と言われています。

ザラプロAは角質層に働きかける皮膚軟化薬ですので、角質層のターンオーバーにあわせて2週間は続けて使用してみましょう。

肌が柔らかくなってきたら、効果が得られているサインです。ただし、使用を始めて症状が悪化したり、刺激感を感じたりした場合は中止してください。

塗布のポイント

お風呂上がりの塗布をおすすめします。入浴後は皮膚表面の汚れが落ち、なめらかになった状態の皮膚は有効成分がよく浸透します。塗布をするときは、塗り拡げることによる患部での摩擦を起こさないためにたっぷりと製剤を手に取り塗りましょう。

さいごに

ザラプロAは、二の腕や太もものざらざら、ブツブツとした皮膚症状を自分自身で治療することを目的とした医薬品です。このような症状に年間を通して悩んでいる方は多く、適切なケアをすることで症状の改善が期待されます。自分自身でケアをすることを目的とした塗り薬ですので、肌の生まれ変わりにあわせてまずは2週間の使用をおすすめします。

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ザラプロAに関するQ&A

ザラプロAに関するご質問をQ＆A形式でお答えします。

Q.何歳から使用できますか？

A.1歳以上から高齢者まで幅ひろい年齢層の方にご使用いただけます。小さいお子様がご使用の際は、必ず保護者の監督の下にご使用ください。

Q.使用できない人はいますか？

A.基本的にはどなたにでもご使用いただけます。ただし、以下のような方は、医師、薬剤師または登録販売者に相談が必要です。

・医師の治療を受けている人

・薬などでアレルギー症状やぜんそくを起こしたことがある人

Q.誰でも使用できる？（妊娠中・授乳中も含めて）

A.基本的にはどなたにでもご使用いただけます。妊娠中や授乳中の方もご使用いただけます。ただし、妊娠中は体調の変化が起こりやすい時期ですので使用に関しては医師へご相談ください。

Q.1日何回塗ればいいの？

A.他の保湿剤との併用は避けましょう。本剤に含まれている尿素は、保湿剤としての効果があります。また、他の保湿剤を併用することで製品に含まれている成分が重複したり、それぞれの製品に変化を引き起こしたりする可能性があります。適切な量を使用しても症状が改善されない場合は、医療機関への受診をおすすめします。