水虫は男性のイメージが強いですが、実は女性の水虫も増えています。ある調査では20代女性の2割以上が「水虫の経験がある」と回答しており、年齢とともにその割合は増加傾向です。男女比は1:0.9とほぼ等しく、女性も油断できない病気です。
なぜ女性の水虫が増えたのでしょうか。今回は、女性の水虫が増えた理由と対処法を紹介します。
水虫とは
水虫とは、白癬菌(はくせんきん)と呼ばれる真菌(カビ)が皮膚の角質に寄生することで引き起こす感染症です。指と指の間や足の裏にかゆみを生じたり、カサカサ肌、かかとのガザガザ、水ぶくれなどの症状が特徴です。
女性の水虫は増えている
水虫といえば男性のイメージが強いと思いますが、女性の割合も増えています。特に若い女性の水虫が増えており、女性だからといって水虫になりにくいわけではありません。
水虫=恥ずかしい?
「水虫を打ち明けるのは恥ずかしい」と思う方は多いでしょう。特に女性の場合、水虫に対して良いイメージを持っていないことが要因と思われます。しかし、女性の水虫は増えています。打ち明けられないまま放っておくと、症状が進行してしまう恐れや家族に感染させてしまう可能性があります。
水虫は恥ずかしい疾患ではありません。早めに治療を開始し家族にも協力してもらいましょう。
水虫が増えた原因
では、なぜ女性の水虫が増えたのでしょうか。それは昔に比べて以下のような生活環境の変化が原因と考えられています。
ブーツやストッキングを履く習慣
昔に比べて女性の働く割合が増えたことにより、長い時間くつやストッキングを履く習慣が増えました。また、ブーツの流行などファッションも変化しています。
水虫は高温多湿の環境を好む性質があり、ブーツやストッキングなどは通気性が悪いため蒸れやすく水虫になりやすいです。
スポーツジムや温泉施設の利用
スポーツジムや温泉施設など女性の利用者も増えていることも水虫が増えた原因と考えられます。
特にジムの更衣室やシャワールーム、温泉施設の脱衣所などは裸足で歩くことが多く、他の利用者の白癬菌が皮膚に付着するなど水虫をうつされやすい環境です。
家族からうつる
スリッパやバスマットなどを利用する家庭が増えています。家族の誰かが水虫を発症している場合、それらを共有することで水虫をうつされることがあります。
清潔に保つことが大切
「もうジムとか温泉に行けないじゃん」と思ったかもしれませんが、そうではありません。白癬菌は皮膚に付着してから最低24時間(傷口では12時間)で感染するとの報告があります。
そのため、スポーツジムや温泉施設を利用したあと、帰宅してから足を洗うなど清潔に保つことで水虫を防ぐことができます。
また、スリッパやマットなどは洗ったり天日干しをするなど清潔に保つことが大切です。
「水虫かも」と思ったら早めの行動を!
「水虫=恥ずかしいこと」と思い、放置すると症状が悪化する恐れや他人へうつす可能性が高まります。
水虫は角質に入り込むと、角質のタンパク質を栄養として増殖します。そのまま放置すると、足全体や爪にも広がるため、早めの対策が必要です。かゆみや足裏のカサカサ、かかとのガザガザなど「水虫かも」と思ったら早めに皮膚科に受診しましょう。
また、スリッパやバスマット、タオルなどは自分専用のものを作り、家族や他人にうつさないよう早めの行動を心がけましょう。
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参考資料
・白癬(水虫・たむしなど) Q15 – 皮膚科Q&A(公益社団法人日本皮膚科学会)
・水虫「あきらめ」派が1割‐男性の半数は経験者|薬事日報ウェブサイト
・ Clinical Derma Vol.11 No.2 発行/鳥居薬品株式会社
執筆者 / ファクトチェック / 監修者
Nobuhiro Nagao
病院薬剤師として6年勤務。主にがん領域を経験。
現在は調剤薬局にて経営者かつ薬剤師として地域の健康サポートに取り組んでいます。
また、webライターとしてOTCやセルフメディケーションについて正しい医療情報を発信し、悩みを解消できる記事作成に励んでいます。
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