花粉の飛散量が多い時期はつらい鼻みず症状が特徴的です。時には鼻炎薬を服用しても「鼻みずが止まらない!」このような経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか?
ここでは皇漢堂製薬が発売する鼻炎薬A「クニヒロ」とはどのような商品なのか?効果や副作用、成分の特徴について解説します。
鼻炎薬A「クニヒロ」とは
鼻炎薬A「クニヒロ」は急性鼻炎やアレルギー性鼻炎に対して効果のある成分を5つ配合した鼻炎薬です。医薬品分類は指定第2類医薬品(2021年1月時点)に該当し、皇漢堂製薬株式会社が販売しています。
皇漢堂製薬は創業から主にOTC医薬品(ドラッグストアなどで扱う市販薬)を手がけてきましたが、2003年よりジェネリック医薬品(医療用)の製造販売も行っています。
鼻炎薬A「クニヒロ」の成分について
鼻炎薬A「クニヒロ」は鼻炎症状に効果のある5つの有効成分を配合しています。ではそれぞれの有効成分の働きについて見ていきましょう。
d-クロルフェニラミンマレイン酸塩
d-クロルフェニラミンマレイン酸塩は抗ヒスタミン作用により、くしゃみ、鼻みず、鼻づまりの原因になるヒスタミンの働きを抑え、鼻の諸症状を改善します。
ベラドンナ総アルカロイド
ベラドンナ総アルカロイドは抗コリン作用により、鼻みずやなみだなどの分泌を抑えます。
塩酸プソイドエフェドリン
塩酸プソイドエフェドリンは鼻づまりを改善する成分です。血管収縮作用により、鼻粘膜の充血、はれを抑制し、鼻づまりを改善します。
無水カフェイン
無水カフェインは血管収縮作用により、鼻炎症状の際に起きやす頭が重い感じ(頭重)を改善します。
グリチルリチン酸二カリウム
グリチルリチン酸二カリウムは鼻粘膜やのど粘膜の炎症を抑え、頭重やのどの痛みを改善します。
効能効果
鼻炎薬A「クニヒロ」は急性鼻炎、アレルギー性鼻炎または副鼻腔炎によるくしゃみ、鼻みず(鼻汁過多)、鼻づまり、なみだ目、のどの痛み、頭重(頭が重い)に対して効果があります。
服用方法
鼻炎薬A「クニヒロ」は7歳から服用できます。7歳〜14歳は1回1錠、15歳以上は1回2錠、1日3回で服用します。服用間隔は4時間以上あけてください。
副作用
鼻炎薬A「クニヒロ」を服用後に「口のかわき」「眠気」「便秘」「目のかすみ」が現れ、症状が続いたり、症状が強くなる場合は服用を中止して、医師、薬剤師、又は登録販売者に相談してください。
また次の症状があらわれた場合は副作用の可能性があるので、服用を中止して医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください。
関係部位 | 症状 |
皮膚 | 発疹、発赤、かゆみ |
消化器 | 吐き気、嘔吐、食欲不振 |
精神神経系 | めまい、不眠、神経過敏、頭痛、けいれん |
泌尿器 | 排尿困難 |
その他 | 顔のほてり、異常なまぶしさ |
使用するうえでの注意点を解説
服用後の車の運転はできない
鼻炎薬A「クニヒロ」の説明文書には「服用後、乗り物又は機械類の運転操作をしないでください」との記載があります。そのため、車の運転を控えている方は服用しないようにしましょう。
病気のある方は注意
現在、病気の治療中の方は服用前に必ず、主治医やかかりつけの薬局に相談しましょう。なぜなら病気の種類や服用薬によって今の病気が悪化するおそれや、薬の効果が得られなくなる可能性があるからです。
特に前立腺肥大による排尿困難の症状がある人や、高血圧、心臓病、甲状腺機能障害、糖尿病がある方は服用できません。現在の症状が悪化したり、副作用が起こりやすくなる可能性があるので注意しましょう。
花粉症の市販薬で複数成分入り商品は珍しい?
花粉症の市販薬と言えば、アレグラやアレジオンなどの鼻炎薬を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?花粉の時期にCMなどでよく目にするこれらの商品は、1種の有効成分がほとんどであり、花粉症薬としての認知度が高い製品です。
一方、鼻炎薬A「クニヒロ」は複数成分入りの鼻炎薬です。複数成分入りの鼻炎薬は花粉症に効果があるの?と感じる方もいるとおもいますが、花粉などのアレルギー性鼻炎に効果があります。
また、鼻炎薬A「クニヒロ」以外にも複数成分入りでアレルギー性鼻炎に効果がある製品はいくつも存在します。
ではアレグラやアレジオンなどの1種の有効成分の花粉症薬と比べ、複数成分入りの鼻炎薬にはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?
複数成分入りの鼻炎薬のメリット・デメリット
メリット
鼻炎薬A「クニヒロ」などの複数成分入りの鼻炎薬のメリットは1製品でさまざまな症状に対応できる点です。
くしゃみ・鼻みず・鼻づまりのような一般的な鼻炎症状はもちろん、なみだ目やのどの痛み、頭の重い感じ(頭重感)に対しても対応できる成分が含まれていることが多いです。
また複数成分入りの鼻炎薬は第一世代抗ヒスタミン成分を配合していることが多く、鼻炎症状に対しての効果を実感しやすい点もメリットです。
デメリット
複数成分入りの鼻炎薬は第一世代抗ヒスタミン成分を配合していることが多く服用後の眠気や口のかわきを感じやすいデメリットがあります。複数成分入りの鼻炎薬は眠気のリスクから、お薬の説明書には服用後の車の運転を禁止とされています。
また複数の成分が配合しているので、必要ではない成分を服用するほど身体への負担も考えられるということです。例えば鼻炎薬A「クニヒロ」に配合している、ベラドンナ総アルカロイドは身体の分泌液が出るのを抑える成分です。
そのため出すぎた鼻みずを抑えますが、一方で唾液などの分泌液の分泌も抑えます。つまり喉や口がかわくなどの副作用がより起こりやすくなる可能性があります。
鼻炎薬A「クニヒロ」はどんな方におすすめ?
鼻炎薬A「クニヒロ」は第一世代抗ヒスタミン成分を配合した鼻炎薬です。また鼻づまり改善する塩酸プソイドエフェドリンや頭の重い感じ(頭重)を改善する無水カフェインを配合した鼻炎薬です。
したがって、効き目にこだわりたい方や、鼻炎症状の中でも特に鼻づまりや頭の重い感じを改善したい方におすすめの商品です。
効果とリスクを見て商品を選びましょう
効果を重視するなら、第一世代抗ヒスタミン成分を配合した鼻炎薬A「クニヒロ」がおすすめです。一方眠気や口のかわきなどのリスクが少ないものをお探しの方は第二世代抗ヒスタミン成分を配合した鼻炎薬がおすすめです。
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鼻炎薬A「クニヒロ」に関するQ&A
Q.何歳から服用できますか?
A.7歳から服用できます。
Q.服用できない人はいますか?(妊娠中・授乳中を含めて)
下記に当てはまる方は服用できません。服用すると、現在の症状が悪化したり、副作用・事故が起こりやすくなります。
・鼻炎薬A「クニヒロ」又は鼻炎薬A「クニヒロ」の成分でアレルギー症状を起こしたことがある人
・前立腺肥大による排尿困難の症状のある人
・高血圧、心臓病、甲状腺機能障害、糖尿病の診断を受けた人
・他の鼻炎用内服薬、抗ヒスタミン剤を含有する内服薬等(かぜ薬、咳止め薬、乗り物酔い薬、アレルギー用薬等)、胃腸鎮痛鎮痙薬を服用中の人
また、下記に当てはまる方はお近くの医師や薬剤師、登録販売者に相談してください。
・医師の治療を受けている方
・妊婦または妊娠していると思われる方(産婦人科の主治医にご相談ください)
・授乳中の方
・かぜ薬、咳止め薬、鼻炎用内服薬等により、不眠、めまい、脱力感、震え、動悸を起こしたことがある人
・高熱、排尿困難がある人
・緑内障、腎臓病の診断を受けた人
・モノアミン酸化酵素阻害剤(セレギリン塩酸塩等)で治療を受けている人
・高齢者の方
・薬などによりアレルギー症状を起こしたことがある方
Q.薬剤師や登録販売者による販売が必要?
A.薬剤師もしくは登録販売者の常駐時に購入可能です。パブロン鼻炎カプセルは指定第2類医薬品※です。薬剤師が不在の場合でも、登録販売者のいるドラッグストアなどで購入できます。※2020年1月時点
Q.ECサイトなどネットで購入することはできる?
A.通販サイトなどで購入できます。
参考資料
・鼻炎薬A「クニヒロ」添付文書
・鼻炎薬A「クニヒロ」の効果とは。市販薬の花粉症薬との違いについて
執筆者 / ファクトチェック / 監修者
Yosuke Fukuoka
【薬剤師】ドラッグストア薬剤師を4年間経験。その後、本社教育部門にて市販薬セミナーの講師を務める。広告やパッケージに惑わされないお薬選びのコツを「わかりやすく」伝えられるよう、日々の執筆を行っています。