非ステロイド剤「トレンタムGクリーム」の成分と注意点について解説

トレンタムGクリーム

かゆみや炎症などの肌トラブルに対して様々な市販薬が販売されています。

炎症を抑える代表的な成分としてステロイド』が挙げられますが、商品によってはステロイドを含まない『非ステロイド』があるのをご存知でしょうか。

今回は『非ステロイド』のトレンタムGクリームについて成分や適応、注意点などを解説します。

トレンタムGクリームとは?

夏場は汗や紫外線で肌への刺激が増えたり、冷房によって肌が乾燥したりします。今はウイルス感染対策で毎日マスクをしている人が多いですよね。

化粧品や汗、気温変化によって湿疹がでたり、マスクがこすれて顔がかゆくなったり、原因はよくわからないけど、皮膚トラブルが起きることはありませんか?

トレンタムGクリームは『非ステロイド』性のクリームで顔や首、赤ちゃんの肌などデリケートな皮膚に使用できます。

有効成分『ウフェナマート』は医療用と同濃度配合で皮膚の炎症を抑えます。他にもかゆみや治りを助ける成分が配合がされており、原因のわからないかぶれや湿疹などの皮膚トラブルに効果的です。

比較的肌に優しい成分で、赤ちゃんのおむつかぶれに使用することもできます。ベトつきがなく伸びの良いクリームで使いやすいです。

どのような症状に効く?

トレンタムGクリームは皮膚炎、かぶれ、湿疹、かゆみ、おむつかぶれ、ただれ、あせもに効きます。

皮膚トラブルの原因は様々ですが

  • 乾燥や、マスクの刺激によって肌のバリア機能が低下する
  • 外からのアレルギー物質による刺激
  • 化粧品など肌に合わないものを使用した

以上のような原因でかゆみが起きたり、炎症が起きたりします。

成分の特徴

ウフェナマート

非ステロイド性の炎症を抑える成分です。皮膚の炎症を引き起こしている部分に直接効き、それに伴う痛みなどを抑えます。

リドカイン

局所麻酔の成分です。皮膚炎、かぶれに伴う不快なかゆみや痛みを抑えます。

クロルフェニラミンマレイン酸塩

抗ヒスタミン作用により、炎症を和らげてかゆみを抑えます。

グリチルリチン酸二カリウム

皮膚炎、あせも、湿疹などの炎症を鎮めます。

トコフェロール酢酸エステル

皮膚の血行を促すことにより、カサカサのした患部の症状を改善したり、皮膚のターンオーバーを正常化にする働きがあります。

薬剤師からのポイント

女性薬剤師

ステロイドと非ステロイドの違い

『ステロイド』は、もともと体の中にあるステロイドホルモンを薬として応用したものです。抗炎症作用以外にも炎症を起こす細胞が増えるのを抑えたり、炎症部分の血管を縮めて赤みを抑えたり、免疫を抑える作用があります。

ステロイド薬は効果の強弱があり、塗る場所や症状によって使い分けます。副作用を引き起こす恐れがあるため、使用する前に医師・薬剤師・登録販売者に相談するのが良いでしょう。

『非ステロイド』はステロイドと作用点が異なり、体内で炎症を起こすプロスタグランジンという成分が生成するのを抑えることで抗炎症作用を示します。

顔にも塗れる

皮膚の薄い顔や首に塗ることができます。

化粧品の上からも使用可

化粧品の上からも使用できますが、肌の状態を見て判断してください。化粧品が刺激になり、症状が悪化してしまう事があります。

塗り方のアドバイス

トレンタムGクリームを塗る量の目安は厳密に決まっていません。クリーム剤は1FTUという量を目安に塗りましょう。1FTUとは、人差し指の先端から第一関節まで絞り出した量が、両手のひら分の面積に相当します。症状がある間は1日5〜6回を目安に塗りましょう。

保湿剤や化粧品と一緒に使えます。洗顔した後、お手入れの最後にトレンタムGクリームを塗ります。化粧品の上から塗り直す事ができますが、症状があるうちは、刺激となるファンデーションなどはなるべく控えましょう。

皮膚トラブルがない場合は予防で使わないようにしましょう

トレンタムGクリームは肌荒れ予防や化粧下地として使わないでください。肌トラブルがない時は保湿をしっかりして、肌のバリア機能を高めてください。

クリームが適さない症状

ジュクジュクしていたり、傷がある場合、クリームタイプではしみてしまったりと刺激になることがあります。軟膏タイプの薬を薬剤師、登録販売者にご相談ください。

トレンタムGクリームに関するQ&A

Q.何歳から使用できますか?

A.赤ちゃんから使用することが可能です。おむつかぶれにも使うことができます。かゆみや痛みを抑える成分を配合しているので、赤ちゃんの不快な症状も和らげてくれます。 

Q.使用できない人はいますか?

A.どなたでもお使いいただけますが、初めて使う方は試し塗りをしましょう。

また、以下の人は使用前に医師、薬剤師、登録販売者に相談しましょう。

  • 医師の治療を受けている人
  • 薬などによりアレルギー症状を起こしたことがある人
  • 患部がじゅくじゅくしたり、ただれている人

Q.誰でも使用できる?(妊娠中・授乳中も含めて)

A.どなたでも使用することができます。トレンタムGクリームは塗った場所に作用します。妊娠中・授乳中の方でも使用できます。     

Q.1日何回塗ればいいの?

A.1日数回、適量を患部に塗布します。明確な決まりはありませんが、数回とは5~6回使用していただけます。患部を清潔にしてから塗りましょう。

Q.保湿剤と一緒に使用してもよい?

A.保湿剤と一緒に使えます。保湿剤を先にぬってから、患部にトレンタムGクリームを塗ってください。保湿剤で皮膚の乾燥を防ぐことで、皮膚のバリア機能が回復して、かゆみを軽減したり、皮膚トラブルを予防できます。 

Q.薬剤師がいないと買えないのかな?

A.トレンタムGクリームは第2類医薬品です。薬剤師が不在でも、登録販売者のいるドラッグストアなどで購入できます。

Q.ECサイトなどネットで購入することはできる?

A.インターネットなどの通販サイトでの購入が可能です。

さいごに

トレンタムGクリームは「非ステロイド」性の塗り薬で赤ちゃんから大人まで使えます。日頃のささいな皮膚トラブルに対処するのにぴったりなので、家の常備薬にすることもできます。

5~6日間使用しても症状が良くならない、または悪化する場合は使用を中止して病院にかかりましょう。

 

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参考資料
トレンタムGクリーム | 薬と健康を見つめる製薬会社 佐藤製薬株式会社 
基礎からわかる外用剤 
1日数回とは|佐藤製薬 
皮膚バリア機能|マルホ 
クリームと軟膏の違い|第一三共ヘルスケア 
ステロイドってどんな薬?|第一三共ヘルスケア 
皮膚科領域の薬の使い方 Q3

執筆者 / ファクトチェック / 監修者

Author profile

Yosuke Fukuoka

薬剤師

【薬剤師】ドラッグストア薬剤師を4年間経験。その後、本社教育部門にて市販薬セミナーの講師を務める。広告やパッケージに惑わされないお薬選びのコツを「わかりやすく」伝えられるよう、日々の執筆を行っています。

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