いぼ痔の原因と治療法は?市販薬と生活習慣の改善で症状を和らげよう

いぼ痔の原因と治療法は?市販薬と生活習慣の改善で症状を和らげよう

「座ると痛い…」
「排便時に違和感を感じる…」

そんな『いぼ痔』に悩まされていませんか?いぼ痔は、多くの人が経験する一般的な症状で、生活の質を大きく損なうことがあります。適切なケアと治療を行うことで、痛みや不快感を和らげ、症状を改善することができます。

この記事では、いぼ痔の原因や症状、市販薬を使った対策方法について詳しく解説します。痛みに悩む方が少しでも快適な日常を取り戻せるように、効果的なケア方法をご紹介します。

いぼ痔とは?症状と原因

いぼ痔とは?症状と原因

いぼ痔(痔核)は、肛門周辺の静脈が膨らみ、イボのような形状になった状態を指します。いぼ痔には、内痔核と外痔核の2種類があります。

内痔核

内痔核は、肛門の内側にできるいぼ痔で、初期段階では痛みを感じにくいのが特徴です。しかし、進行すると肛門から飛び出し、出血や痛みを伴うことがあります。

外痔核

外痔核は、肛門の外側にできるいぼ痔で、痛みやかゆみを伴うことが多いです。特に排便時に症状が悪化しやすいのが特徴です。

いぼ痔の主な原因

いぼ痔の主な原因

いぼ痔が発生する主な原因として、以下のようなものが挙げられます。

便秘や下痢

排便時の強い圧力が肛門周辺の静脈に負担をかけ、いぼ痔が発生しやすくなります。

長時間の座位

長時間座っていると、肛門周辺の血流が悪くなり、静脈が膨らんでいぼ痔ができやすくなります。

妊娠・出産

妊娠中や出産時の腹圧の上昇により、肛門周辺の血流が悪化し、いぼ痔が発生しやすくなります。

運動不足

運動不足により、血流が滞りやすくなり、いぼ痔ができやすくなります。

いぼ痔の治療法

いぼ痔の治療法

いぼ痔の治療には、さまざまな方法があります。市販薬を使用するほか、生活習慣を見直すことで症状の緩和が期待できます。

市販薬の使用

いぼ痔の症状を和らげる市販薬には、以下のようなものがあります。

  • 軟膏:いぼ痔に直接塗布することで、痛みやかゆみを軽減する効果があります。炎症を抑える成分や局所麻酔成分が含まれているものが多く、即効性があります。
  • 坐剤:坐剤は肛門内に挿入するタイプの薬で、内痔核の治療に効果的です。局所での効果が高く、痛みや出血を和らげます。
  • 飲み薬:血流を改善し、いぼ痔の症状を緩和するための飲み薬もあります。即効性はありませんが、継続的に使用することで症状を改善する効果があります。

病院での治療

症状が重い場合や、市販薬で効果がない場合は、病院での治療が必要です。医師による診断を受け、手術や硬化療法などの治療法の選択が推奨されます。

いぼ痔に効く主な市販薬

いぼ痔に効く主な市販薬

ここでは軟膏・坐剤・飲み薬に分けて商品を紹介します。

【軟膏】

プリザエース軟膏

大正製薬が販売する軟膏タイプの痔治療薬で、8種の有効成分を配合しています。

痔の炎症を抑えるステロイド成分のヒドロコルチゾン酢酸エステルをはじめ、痛みを抑えるリドカインや出血を抑える塩酸テトラヒドロゾリンなど痔のさまざまな症状がカバーできる商品となっています。

ボラギノールM軟膏

天藤製薬が販売するノンステロイドタイプの痔治療薬で、4種の有効成分を配合しています。

痔の炎症を抑えるグリチルレチン酸をはじめ、痛みを抑えるリドカインや傷の治りを助けるアラントイン、うっ血の改善を助けるトコフェロール酢酸エステルがつらい痔の症状を改善します。

ノンステロイドタイプであるため、妊娠中でも使用できるのが嬉しいポイントです。

【坐薬】

プリザエース坐剤T

大正製薬が販売する座薬タイプの痔治療薬で、7種の有効成分を配合しています。

痔の炎症を抑えるステロイド成分のヒドロコルチゾン酢酸エステルをはじめ、痛みを抑えるリドカインや出血を抑える塩酸テトラヒドロゾリンなど痔のさまざまな症状がカバーできる商品となっています。

座薬タイプはいぼ痔の中でも内痔核タイプの方に適しています。

ボラギノールA坐剤

天藤製薬が販売する座薬タイプの痔治療薬で、4種の有効成分を配合しています。

痔の炎症を抑えるプレドニゾロン酢酸エステルをはじめ、痛みを抑えるリドカインや傷の治りを助けるアラントイン、うっ血の改善を助けるトコフェロール酢酸エステルがつらい痔の症状を改善します。

またボラギノールA坐剤は刺激が少なく、挿入しやすい油脂性基剤ハードファットが傷ついた患部を保護し、スムーズな排便を助けてくれます。

座薬タイプはいぼ痔の中でも内痔核タイプの方に適しています。

【飲み薬】

内服薬ジーフォー

佐藤製薬が販売する飲むタイプの痔治療薬で、5種の有効成分を配合しています。

痔の炎症を抑えるセイヨウトチノミエキスをはじめ、患部のうっ血を改善する乙字湯加大棗エキスや血管強化を助けるカルバゾクロム・ビタミンB2・トコフェロール酢酸エステルを配合することで、内側から痔のさまざまな症状を改善します。

ヘモリンド舌下錠

小林製薬が販売する飲むタイプの痔治療薬で、有効成分に静脈血管叢エキスを配合しています。

静脈血管叢エキスには抗浮腫作用により痔の腫れを改善する作用や拡張した血管の弾力性を高めることで患部のうっ血を改善する働きがあります。

またヘモリンドは舌の下で溶かして服用する舌下錠タイプのいぼ痔専用薬です。

いぼ痔を予防する生活習慣

いぼ痔を予防する生活習慣

いぼ痔を予防するためには、日常生活の中での予防策も重要です。以下のポイントを押さえて、いぼ痔の発生を防ぎましょう。

便秘を予防する

便秘を防ぐためには、食物繊維を多く含む食事を心がけ、十分な水分を摂取することが大切です。排便時に強くいきむことを避け、スムーズに排便ができるようにしましょう。

適度な運動を取り入れる

適度な運動は血流を促進し、いぼ痔の予防につながります。特に、ウォーキングや軽いジョギングなどの有酸素運動が効果的です。

長時間の座位を避ける

長時間同じ姿勢で座ることを避け、こまめに立ち上がって体を動かすようにしましょう。デスクワークの合間に立ち上がり、ストレッチを行うことも有効です。

衛生管理を徹底する

肛門周辺を清潔に保つことも、いぼ痔の予防に役立ちます。トイレの後は、やさしく拭き取り、シャワーで洗い流すことが推奨されます。

いぼ痔のケアに役立つアイテム

いぼ痔のケアに役立つアイテム

いぼ痔の症状を軽減するために、次のようなアイテムを活用することができます。

専用のクッション

いぼ痔に負担をかけないよう、ドーナツ型のクッションを使用することで、座位による圧迫を軽減します。長時間のデスクワークや車の運転時に特に役立ちます。

衛生用ウェットティッシュ

トイレの後に、やさしく拭き取るための衛生用ウェットティッシュを使用すると、清潔を保ちやすくなります。特に外出先での使用に便利です。

温浴

温かいお湯にゆっくりと浸かる温浴は、血行を良くし、いぼ痔の痛みを和らげる効果があります。適度な温度で、リラックスしながら行うと効果的です。

まとめ

いぼ痔は、放置しておくと症状が悪化することがあるため、早めの対処が重要です。市販薬の使用や生活習慣の改善を通じて症状を和らげます。いぼ痔に悩んでいる方は、今回紹介した対策を参考にしてください。

市販薬を使用する際には、必ず薬剤師に相談し、正しい使用方法を守ることが大切です。また、症状が重い場合は、早めに医師の診断を受けましょう。

参考資料

痔って一体どんなもの!? |ボラギノール公式ブランドサイト  
いぼ痔(内痔核・外痔核)の特徴と症状|ボラギノール公式ブランドサイト
プリザエース軟膏 
ボラギノールM軟膏 
プリザエース坐剤T 
ボラギノールA坐剤 
内服用ジーフォー|痔の痛み、出血、はれ、かゆみに効く痔の専用薬「ジーフォーシリーズ」(佐藤製薬) 
ヘモリンド舌下錠|小林製薬

執筆者 / ファクトチェック / 監修者

Author profile

Yosuke Fukuoka

薬剤師

【薬剤師】ドラッグストア薬剤師を4年間経験。その後、本社教育部門にて市販薬セミナーの講師を務める。広告やパッケージに惑わされないお薬選びのコツを「わかりやすく」伝えられるよう、日々の執筆を行っています。

Author profile

Nobuhiro Nagao

薬剤師

病院薬剤師として6年勤務。主にがん領域を経験。
現在は調剤薬局にて経営者かつ薬剤師として地域の健康サポートに取り組んでいます。
また、webライターとしてOTCやセルフメディケーションについて正しい医療情報を発信し、悩みを解消できる記事作成に励んでいます。

一緒にセルフメディケーションについて知識を増やしていきましょう。

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