漢方薬の適した飲み方とは。食前の理由や苦手でも飲める方法を紹介

漢方イラスト

お客さん・患者さん「漢方は食前に飲むように言われたんだけど、けっこう飲み忘れることがある」

薬剤師・登録販売者「飲み忘れたら食後でも良いですよ」

お客さん・患者さん「え、そうなの?」

このようなやり取りがしばしば行われます。漢方薬は子どもから高齢の方まで年齢問わず使われていますが、なぜ服用方法が「食前」「食間」なのか知っていますか?今回は、漢方薬の飲み方や市販の漢方薬の剤形について紹介します。

漢方薬とは

クコの実

漢方薬とは、草や木、動物や鉱物などの「生薬」を原料とし、生薬の種類や量、組み合わせなどが工夫されて、薬と確立されたものです。「足りないものを補う、多すぎるものを取り除く」を大原則とし、身体にもともと備わっている自然治癒力を助けて治療します。

医療用医薬品として医師の約9割が処方し、治療の手段として活用されています。また、医療用と同じ組み合わせの漢方が市販薬でも販売されており、購入されている方も多いのではないでしょうか。

なぜ漢方は食事の前に飲むと良いの?

考える女性

病院やクリニックで処方されるお薬は、だいたい「朝食後・毎食後」など食事のあとに服用しましょうと言われることが多いですが、そもそも、漢方はなぜ「食前・食間」なのでしょうか。

漢方は、生薬の種類や量をバランスよく組み合わせて作られています。食後に服用すると胃の中にある食べ物と混ざり、このバランスが崩れてしまうため胃に食べ物が入っていない「食前・食間」が良いとされています。

つまり、「食前・食間」の方が身体に吸収されやすいのです。

※多くのお薬が「食後」になっているのは、胃の負担を避けたり飲み忘れを防ぐなどの意味があります。しかし、お薬によっては「食前」「空腹時」などが指定されていることがあるため、用法用量はよく確認するようにしましょう。

服用タイミングの違いについて

これまで出てきた「食前・食間・食後」などが言葉の意味を確認しましょう。

食前

食事の30分前

食間

食事の2時間後(食事中と間違われやすい)

食後

食事の30分後

食直前

食事の5分前から直前

食直後

食事の直後から5分以内

ポイント:飲み忘れが多ければ食後でもかまわない

女性薬剤師

漢方薬を飲む前に食事をしてしまい、「飲み忘れてしまった…。次はちゃんと飲もう」と1日の服用回数を飲み忘れにより減らしていませんか?

漢方薬は食事の前のほうが吸収されやすいですが、食後だと効果がなくなるというわけではありません。そのため、食後でも思い出したときに服用することをおすすめします。ただし、1回1包のところを飲み忘れたからといって1回2包飲むなど方法は禁物です。
※医師から処方されて服用している場合は、飲み忘れや飲み方について一度相談してみましょう。

漢方を飲む時間を決める

目覚まし時計

そうはいっても、用法用量は守って服用することがベストです。対策として、「漢方を飲む時間を決める」ことをおすすめします。

これは食事の時間がある程度決まっている方におすすめの方法ですが、朝であれば「起きてすぐ飲む」、夕食の時間がだいたい19時くらいであれば「18時に飲む」など自分の生活のスケジュールに組み込むことで飲み忘れを防ぐことができます。

時計のアラームや、スマートフォンをお持ちの方は服薬管理アプリの活用してみましょう。服薬管理アプリは服用時間を事前に設定しておくことで知らせてくれます。

漢方が苦手な方へ。飲みやすくする方法を紹介

最後に補足情報として、漢方薬が苦手な方へ飲みやすくなる工夫を紹介します。

オブラートに包む

どうしても味が苦手な方にはオブラートに包んで飲むことをおすすめします。オブラートは水に溶ける性質があり、漢方の苦味をおさえつつ小さく丸めて飲むことができます。

『袋に入れる袋型タイプ』『真ん中に置いて包む丸型タイプ』『味付きタイプ(袋型)』など種類も豊富なため、色々と試してみてはいかがでしょうか。

服薬ゼリー

お薬をゼリーに混ぜて飲む方法です。粉薬が飲みにくい子どもや、飲み込む力が弱い高齢の方に使われる商品ですが、漢方の苦味や飲み込みにくさを解消する目的としてもよく用いられています。

先に溶かす

漢方の顆粒が飲みにくい方は先に溶かして飲んでみましょう。昔から漢方は煎じて飲んでおり、今でもその方法で処方されることがあります。苦味は大丈夫だけど顆粒が飲みにくい方にはおすすめです。

錠剤やゼリータイプを選ぶ

漢方 剤形

漢方薬の種類によっては顆粒状ではないタイプの剤形もあります。例えば、足のつり、こむら返りに用いられる「芍薬甘草湯」では錠剤タイプやゼリータイプなど飲みやすい工夫をしている商品もありますので、自分が服用している漢方がどのような剤形があるか確認してみましょう。

まとめ 

OKする女性

漢方薬は「必ず食事の前に飲まなければならない」というわけではありません。それよりも1日2回、1日3回など服用回数を守ることが大切です。食事の前や食事の間に飲み忘れた場合は、食後でもかまわないので服用しましょう。

また、飲み忘れを減らす工夫も大切です。自分の生活リズムから服用する時間を決めるなど工夫していきましょう。

こちらも一緒にチェック

参考資料
・漢方薬を飲みやすくする工夫 : 知っておきたい! 漢方薬のこと|漢方のツムラ
・漢方の飲む時間。食後?食前?食間?|漢方薬師堂
・よくあるご質問 : ご質問・お問い合わせ|漢方のツムラ

執筆者 / ファクトチェック / 監修者

Author profile

Ryo Omura

WEBプロデューサー / 薬剤師 / メディア責任者

医療編集プロダクションMEDW 代表
株式会社TENTIAL メディアディレクター、リーガルチェック
理念
・誰にでもわかりやすい医療ヘルスケア情報を発信
・医療職の働き方にも自由度を。リモートワーク環境の構築
メディアから医療を変える「デジタルチーム医療」を中心に活動。
スマートなメディア制作を心がけております。

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