「ムヒアルファEX」の効果や成分とは。薬剤師のポイントや注意点を解説

「かゆみにムヒ」という誰もが聞いたことのあるフレーズ。長年多くの方に使われている薬ですが、成分や具体的な適応などムヒについて知っていますか?今回はムヒシリーズのひとつであるムヒアルファEXについて成分や適応、使用する際の注意点などを解説していきます。

ムヒアルファEXとは

「あれ?なんだか腕がかゆい…!!」と見てみれば、知らない間に虫に刺されたような跡が…。一刻も早くかゆみを抑えたい、そんな時に手に取る「ムヒ」は家庭での常備薬として使用されている方も多いのではないでしょうか。

ムヒシリーズの中でもムヒアルファEXは、ダニやノミ、ムカデ、毛虫等による虫刺され、その他のかゆみに効くべたつきの少ないクリームタイプの塗り薬です。

また、抗炎症作用を示すプレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル(PVA)と、素早くかゆみを抑えるジフェンヒドラミン塩酸塩がバランスよく配合されています。それでは、その特徴を詳しくみていきましょう。

成分の特徴

プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル(PVA)

プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル(PVA)は、ステロイド成分の一種です。ステロイドは主に痛みや炎症を引き起こす体内物質の産生を抑制して、痛みやかゆみ、炎症を抑える作用を示します。特にムヒアルファEXに含まれているPVAは、一般薬の中では比較的抗炎症作用のランクが高いステロイドに分類されており、患部で効き目をもたらした後、体内に吸収されると分解され、効き目のない、もしくは効き目の低い物質へと変化します。このような薬を「アンテドラッグ」といい、患部にて効果が得られ、体内では作用を抑えるといった特徴があります。

ジフェンヒドラミン塩酸塩

ジフェンヒドラミン塩酸塩は、かゆみを抑える作用を示す成分です。体内でかゆみをもたらす原因物質(ヒスタミン)の働きを抑制します。

ℓ-メントール

ℓ-メントールはハッカの主成分でもあり、スーッとする清涼感(冷感刺激)をもたらします。その冷感刺激でかゆみを感じさせにくくする効果が期待されています。

dl-カンフル

ℓ-メントールと同じようにスーッとする清涼感をもたらす成分です。その冷感刺激でかゆみを感じさせにくくする効果が期待されています。

クロタミトン

クロタミトンはℓ-メントールやdl-カンフルと同様にかゆみを感じさせにくくする成分ですが、少し効き方が異なります。クロタミトンは皮膚に軽い温感刺激を与えることで、かゆみを感じさせにくくする効果が期待されています。

イソプロピルメチルフェノール

殺菌作用をもつ成分です。医薬品だけでなく、歯磨き粉やハンドソープ、化粧水といった様々な製品でも幅広く使用されています。

どのような症状に使える?

虫刺され

蚊の他に、ダニ、ノミ、毛虫、ムカデ、クラゲ等による虫刺され・かゆみに使います。虫刺され以外でも、湿疹や皮膚炎、じんましんにも使用することができます。

薬剤師からのポイント

女性薬剤師

ムヒアルファEXのようなステロイド外用剤は使い方がとても大切です。患部を洗って、清潔にしてから使用するようにしましょう。使用する際は、以下にも気を付けてください。

・塗る前に手をきれいに洗う

・患部にのみ使用する(患部の周りに塗り広げないようにする)

・塗る時はすり込まないようにする(優しく塗るだけで十分です)

・むやみに長期間使用しない(5~6日間使用しても症状が良くならない場合は、医師や薬剤師に相談しましょう)

患部の場所によっては、化粧水やクリームなどの保湿剤と一緒に使用したい場合もあるかと思います。ムヒアルファEXをはじめとするステロイド外用剤は、その他の保湿剤や化粧水との併用も問題ありません。併用する場合は、必ず最後にステロイド外用剤を塗るようにしましょう。

また、塗る量の目安は「大人の人差し指の第一関節まで薬を押し出した量(約0.5g)で、大人の手のひら2枚分」別名1FTU(ワンフィンガー・チップユニット)と言われています。適量使用を心掛けましょう。

ちなみに、ムヒアルファEXの液体タイプもあります。

ムヒアルファEXに関するQ&A

Q.何歳から使用できますか?

 A.生後6か月以上を目安に使用できます。 

Q.使用できない人はいますか?

 A.以下のような使用は控えてください。

・水痘(水ぼうそう)、水虫、たむし等又は化膿している患部への使用

・顔面での広範囲の使用

Q.誰でも使用できる?(妊娠中・授乳中も含めて)

 A.以下に該当する場合は、使用する前にお近くの医師や薬剤師に相談してください。

  • 医師の治療を受けている人
  • 妊婦又は妊娠していると思われる人
  • 薬などにより、アレルギー症状(発疹・発赤、かゆみ、かぶれ等)を起こしたことがある人
  • 患部が広範囲の人
  • 湿疹やただれのひどい人

ムヒアルファEXのようなかゆみ止めの塗り薬では、皮膚から吸収される有効成分はとても少ないため、妊娠中でも使用することができます。特に虫刺されなど、塗る範囲が部分的で、短期間の使用に関して問題ありません。ただし、広範囲に使用する場合や、長期間使用する場合は、念のために医師へ相談しましょう。

Q.1日何回塗ればいいの?

 A.1日5~6回を目安にご使用ください。症状に合わせて塗る量を調節しても問題ありません。症状がひどい時はこまめに塗り、良くなってきたら回数を減らしていくことをおすすめします。

ただし、長期連用は控えてください。顔面への使用は2週間以内、その他部位への使用は4週間以内を限度とします。

Q.保湿剤と一緒に使用してもよい?

 A.保湿剤と一緒に使用しても問題ありません。保湿すること自体が、患部のかゆみを抑えることも期待できます。保湿剤を併用する場合には、保湿剤を先に塗ってからムヒアルファEXを塗るようにしてください。ムヒアルファEXを塗った後に保湿剤を使用すると、患部以外にも有効成分を塗り広げてしまう可能性があり、副作用の原因になることがあります。

Q.薬剤師がいないと買えないのかな?

 A.第2類医薬品ですので、薬剤師がいない場合でも登録販売者から購入することができます。

Q.ECサイトなどネットで購入することはできる?

 A.インターネットでも購入可能です。使用に際して不安点等がある場合は、インターネット上であっても薬剤師や登録販売者に相談してから購入するようにしましょう。

さいごに

歩く女性の足

ムヒアルファEXは手軽に使用できるかゆみ止めの薬です。ダニやノミ、ムカデ、毛虫等による虫刺されにも効きます。有効成分としてアンテドラッグ型のステロイド成分であるプレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル(PVA)を含有するのが特徴です。

ステロイド成分が含まれていることで、使用するのが少し怖いと感じるかもしれませんが、適正使用することで症状を改善します。用法・用量をきちんと守りながら使用し、5~6日間使用しても症状が良くならない場合は、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。

かゆみ止めの薬で有名な「キンカン」の記事はこちら

参考文献:

ムヒアルファEX|商品紹介|池田模範堂

ステロイド外用剤の上手な使い方|くすりと健康の情報局|第一三共ヘルスケア

執筆者・監修者プロフィール

Yosuke Fukuoka

薬剤師

【薬剤師】ドラッグストア薬剤師を4年間経験。その後、本社教育部門にて市販薬セミナーの講師を務める。広告やパッケージに惑わされないお薬選びのコツを「わかりやすく」伝えられるよう、日々の執筆を行っています。