ステロイド外用剤は顔に塗ってもよい?各部位の吸収率について

顔に塗る女の子

「ステロイド外用剤は顔に塗ってもいいの?」

このようなステロイド外用剤の使い方についてよく質問をいただきます。

それに対して単刀直入に言いますと、

「ステロイド外用剤は顔に使うことができますが、なかには使えない商品もあります。」

が答えとなります。ステロイド外用剤は湿疹や皮膚炎などかゆみや赤らみに使われますが、なぜ部位によって使える商品と使えない商品があるのでしょうか。

今回は、その理由のひとつであるステロイド外用剤と皮膚の吸収率の関係について紹介します。

ステロイド外用剤とは

ステロイドとお薬手帳

ステロイド外用剤とは、ステロイド(合成副腎皮質ホルモン)という薬効成分を配合した塗り薬です。湿疹や皮膚炎などの治療で用いられており、医療現場では欠かせない医薬品として子どもからお年寄りまで幅広く使われています。

医療用で使われるステロイド外用剤の種類は豊富で、市販薬としてもいくつか販売されています。詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

そもそもステロイドってなに?

ステロイドとは腎臓の上端にある「副腎」で作られる副腎皮質ホルモンのひとつです。下記の効果があり、かゆみや赤みなどの症状を改善します。

ステロイドの効果

・炎症を鎮める(抗炎症作用)

・赤らみを鎮める(血管収縮作用)

・炎症をひき起こす細胞の増殖をおさえる(細胞増殖抑制作用)

・抗体の産生をおさえて免疫機能を低下させる(免疫抑制作用)

顔やからだなど使用できる部位が異なる

病院でステロイド外用剤を処方するとき、「顔」「手足」「からだ」など部位によって種類の違う薬が出されます。これはなぜでしょうか。

理由は2つあり、『ステロイドの種類によって強さが違う』ことと、『顔やからだなど皮膚の部位によってステロイドの吸収率が違う』からです。

ステロイド外用剤を適正に使用するためには、ステロイドの強さ皮膚の吸収率の違いを知っておきましょう。今回は皮膚の吸収率を紹介します。

ステロイドの強さに関する情報はこちらにて解説しております。(ステロイドの強さについて)

ステロイドの皮膚の吸入率について

ヒトの皮膚は同じように見えますが、それぞれの部位で厚さが異なります。そのため、皮膚の厚い部位に比べて薄い部位の方が、外用剤の吸収率は上がります。

各部位における吸収率の違い

※前腕(内側)での吸収を1.0とした場合の比率(ヒドロコルチゾンを使用)

部位吸収率
頭部3.5
下顎(したあご)13.0
前頭6.0
腋窩(わき)3.6
背中1.7
前腕(外側)1.1
前腕(内側)1.0
陰嚢(いんのう)42.0
手掌(手のひら)0.83
足底0.14
足首0.42

は手足などに比べて、ステロイド外用剤の吸収率が13倍ほど高いことがわかります。そのため、顔には原則としてミディアムランク以下のステロイドを使うことが勧められています。

傷口や赤ちゃんの肌は吸収率が高くなる

肌の状態によっては薬の吸収率が高くなるケースがあります。例えば、傷などで角質が剥がれた状態の皮膚や赤ちゃんの肌などは注意が必要です。

薬剤師や登録販売者に確認しましょう

女性薬剤師

病院で処方されるステロイド外用剤は医師や薬剤師から部位の指示や使い方の指導がありますが、自分で購入できる市販薬ではそうはいきません。そのため、なぜ使用できる部位と使用できない部位があるのか知っておきましょう。また、市販の商品には使用方法などが記載してある説明書がついていますが、わからないことがあれば購入前に薬剤師や登録販売者に確認することをおすすめします。

参考資料
基礎からわかる外用剤|薬剤師向け情報|医療関係者向け情報|マルホ株式会社 
アトピー性皮膚炎診療ガイドライン 2018 

執筆者 / ファクトチェック / 監修者

Author profile

Ryo Omura

WEBプロデューサー / 薬剤師 / メディア責任者

医療編集プロダクションMEDW 代表
株式会社TENTIAL メディア責任者
理念
・誰にでもわかりやすい医療ヘルスケア情報を発信
・医療職の働き方にも自由度を。リモートワーク環境の構築
メディアから医療を変える「デジタルチーム医療」を中心に活動。
スマートなメディア制作を心がけております。

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