ナロンエースシリーズを徹底比較。成分や特徴の違いについて|薬剤師

痛みや発熱に対して使用できるOTC医薬品『ナロンエース』皆さんも薬局やドラッグストアで見かけたことがあるのではないでしょうか。ナロンエースシリーズにはナロンエースTをはじめ、ナロンエースPREMIUMやナロンエースプラスがあり、どれを選べばよいかわからない方も多いでしょう。

今回は有効成分の解説だけでなく、それぞれの商品の違いについても詳しく解説しますので最後までご覧ください。

ナロンエースとは

『ナロンエース』とは大正製薬から発売されている解熱鎮痛薬で、頭痛・生理痛をはじめとした様々な部位で起こる痛み、悪寒・発熱時の解熱に効果があるOTC医薬品です。

OTCとは「Over the counter」の略で、薬局やドラッグストアなどで購入できる医薬品のことを指します。医師の処方箋がなくてもお薬を購入できる半面、お薬のことをよく理解し、正しく使用することが大切になります。

ナロンエースシリーズの商品とその特徴

ナロンエースシリーズには、ナロンエースTをはじめ、ナロンエースPREMIUMやナロンエースプラスなどがあります。どのお薬も解熱鎮痛効果を持つ有効成分が2種類配合されているものの、配合量やそのほかの有効成分が異なります。今回はそれぞれの製品について詳しく解説します。

ナロンエースT

先に挙げたナロンエースシリーズの中でもっとも基本的な製品と言えます。

『イブプロフェン』と『エテンザミド』という2種類の解熱鎮痛成分が配合されており、痛みや熱に対して効果を発揮します。

ナロンエースPREMIUM

ナロンエースPUREMIUMはナロンエースTと比較して主に次のような違いがあります。

・『イブプロフェン』の配合量が144mgから150mgに増量されている
・『エテンザミド』の配合量が84mgから500mgに増量されている
・胃粘膜を保護する『乾燥水酸化アルミニウムゲル』が配合されている
・ナロンエースTと比較し製品の値段が高い

ナロンエースプラス

ナロンエースプラスは『イブプロフェン』と『エテンザミド』の配合量はナロンエースTと同じものの、ナロンエースプラスはナロンエースTと比較して主に次のような違いがあります。

・胃粘膜を保護する『乾燥水酸化アルミニウムゲル』が配合されている
・ナロンエースTと比較し製品の値段が高い

製品ごとの違いを以下の表にまとめました。

成分(1回量2錠中)ナロンエースTナロンエースPREMIUMナロンエースプラス
イブプロフェン144mg150mg144mg
エテンザミド84mg500mg84mg
ブロモバレリル尿素200mg×200mg
無水カフェイン50mg×50mg
乾燥水酸化アルミニウムゲル×66.7mg66.7mg

成分の働き

製品の違いについては理解いただけたと思います。ここからは配合されている各成分の働きについて解説し、さらに理解を深めていただきたいと思います。

イブプロフェン

『イブプロフェン』は非ステロイド性抗炎症薬に分類されるお薬です。この分類のお薬は主に体内で炎症を引き起こすプロスタグランジンという物質の生成を抑制します。プロスタグランジンの生成を抑制することで痛みや熱に対して効果を発揮します。

エテンザミド

『エテンザミド』も『イブプロフェン』と同様に非ステロイド性抗炎症薬に分類される解熱鎮痛剤で、古くから使用されています。『エテンザミド』には先ほど説明した非ステロイド性抗炎症薬の作用に加え、痛みを伝える神経をブロックするという作用と『イブプロフェン』による胃粘膜障害を軽減する作用があることが報告されています。

ブロモバレリル尿素

『ブロモバレリル尿素』は不眠症などに使用される催眠・鎮静剤です。『イブプロフェン』と『エテンザミド』の鎮痛作用を補助する役割があります。『ブロモバレリル尿素』が配合されている製品を服用後は運転や危険が伴う機械操作は行わないように注意してください。

無水カフェイン

『無水カフェイン』は眠気に対する覚醒作用と頭痛に対する鎮痛作用が報告されています。

乾燥水酸化アルミニウムゲル

『水酸化アルミニウムゲル』は制酸作用と粘膜保護作用が報告されている成分です。胃酸を中和することに加え、ゲル状の被膜を形成することで保護作用を発揮します。

薬剤師からのポイント

あくまで対処療法

解熱鎮痛剤はあくまで対処療法でしかありません。原因が完治しないと痛みや熱は続きます。長期の使用は控え、5-6回使用しても良くならない場合は病院やクリニックなどの医療機関を受診しましょう。

ワクチン接種後の発熱にも効果がある

厚生労働省の新型コロナワクチンQ&Aにおいて「市販の解熱鎮痛薬」の例として、『アセトアミノフェン』や非ステロイド抗炎症薬(『イブプロフェン』や『ロキソプロフェン』)が挙げられています。

あくまで痛みや発熱を確認してから服用するようにしましょう。

まとめ

今回は痛みや発熱に使用可能な解熱鎮痛剤『ナロンエースシリーズ』について詳しく解説しました。ナロンエースシリーズにはそれぞれの製品によって配合成分や配合量に違いがあり、ご自身の状態に併せて使い分けることができます。

痛みや発熱はそれ自体が肉体的・身体的ストレスとなります。つらい症状を我慢せずにお薬を使用することも選択肢の1つになるのではないでしょうか。この記事を読むことでお薬の使い方をよく理解し、正しく服用してください。

参考資料
・ナロンエースT使用上の注意
・ナロンエースPUREMIUM使用上の注意
・ナロンエースプラス使用上の注意
ブルフェン錠100/ブルフェン錠200/ブルフェン顆粒20%
エテンザミドの新たな薬理作用についての日本薬学会年会発表に関するお知らせ|大正製薬

執筆者 / ファクトチェック / 監修者

Author profile
Nobuhiro Nagao

Nobuhiro Nagao

コンテンツディレクター/薬剤師

病院薬剤師として6年勤務。主にがん領域を経験。
現在は調剤薬局にて経営者かつ薬剤師として地域の健康サポートに取り組んでいます。
また、webライターとしてOTCやセルフメディケーションについて正しい医療情報を発信し、悩みを解消できる記事作成に励んでいます。

一緒にセルフメディケーションについて知識を増やしていきましょう。

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Yosuke Fukuoka

薬剤師

【薬剤師】ドラッグストア薬剤師を4年間経験。その後、本社教育部門にて市販薬セミナーの講師を務める。広告やパッケージに惑わされないお薬選びのコツを「わかりやすく」伝えられるよう、日々の執筆を行っています。

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Ryo Omura

WEBプロデューサー / 薬剤師 / メディア責任者

医療編集プロダクションMEDW 代表
株式会社TENTIAL メディア責任者
理念
・誰にでもわかりやすい医療ヘルスケア情報を発信
・医療職の働き方にも自由度を。リモートワーク環境の構築
メディアから医療を変える「デジタルチーム医療」を中心に活動。
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