タイレノールAとは?解熱鎮痛成分「アセトアミノフェン」のみ配合の市販薬の特徴

頭が痛い。熱がある。そのような時、どの市販薬を選ぶべきか迷うことはないでしょうか?「総合感冒薬は成分が多く副作用が心配」「解熱鎮痛薬でも、似たような製品や色々な成分を配合しているから分からない」など購入者泣かせです。

そのような時にタイレノールAはいかがでしょうか?タイレノールはアセトアミノフェンという有効成分1種類のみの市販薬です。では、誰が?どんな時に?服用できるかなど解説、Q&Aで解決しましょう。

タイレノールAについて

タイレノールは頭痛や生理痛の痛みから、発熱時の熱冷ましとしても効果があります。解熱剤や痛み止めは、各メーカーから数多くの種類が発売されていますが、その中でもタイレノールは有効成分がアセトアミノフェンのみという非常に珍しい薬です。

「1種類しか入っていない薬は少し不安、、、」と思う方もいるかもしれません。しかしタイレノールに含まれるアセトアミノフェンは安全性や使い勝手の良さから痛み止めや解熱剤のファーストチョイスとして世界中で広く使用されています。

またウイルス性の病気のお子様に間違った解熱剤を選択してしまうと、脳症を起こす危険性がありますが、アセトアミノフェンはそういった心配がなく安心して使用することができます。では、アセトアミノフェンはどういった成分なのでしょうか。詳しく解説していきます。

タイレノールAに含まれている有効成分

タイレノールAの有効成分は『アセトアミノフェン』です。

アセトアミノフェン

アセトアミノフェンは別名パラセタモールとも呼ばれています。その安全性や効果から医療現場でも汎用されており、医療用のカロナールいう名前を聞いたことのある方は多いのではないでしょうか。

アセトアミノフェンの歴史は古く、約100年以上前から研究されており、欧米では最も使用される解熱鎮痛薬として知られています。その名の通りアセトアミノフェンは痛みや熱を鎮め、頭痛や生理痛、腰痛、発熱時の解熱などに効果を示します。

これはアセトアミノフェンが脳の体温調節を担う部分に働きかけ体の熱を外に逃したり、痛みを伝える物質を抑える作用により発熱や痛みが和らぐとされています。さらにアセトアミノフェンは胃の粘膜に対してほとんど影響を与えないため、胃にやさしく、空腹時でも飲むことができます。

痛みが出たとき食後などの服用時間を考慮することなく使用可能であることは、アセトアミノフェンを選ぶメリットのひとつと言えるのではないでしょうか。

ただし、かぜによる悪寒や発熱時にはなるべく空腹時を避けて服用するようにしてください。

アセトアミノフェンの副作用はこちらで紹介しています。

医療現場ではカロナールとして幅広い世代に使用されている

市販薬の選び方と使用方法

医療用としてはカロナールという名で知られており、タイレノールと同様にカロナールも頭痛や生理痛、急性上気道炎による痛みや熱に効果を示します。

また錠剤だけでなく粉薬やシロップ、坐剤も発売されており、目的や使用量により子供から大人まで幅広く使用できます。ちなみに子供用として使用されることの多いカロナール細粒やカロナールシロップは、飲みやすくなるようオレンジ風味が付けられています。しかし後味に苦味が残ることがあるため注意してください。

薬剤師からのポイント

チェックポイント

アセトアミノフェンは医療用医薬品だけでなく市販の風邪薬などにも使用されています。そのうえ配合薬といった2種類以上の成分を含む薬にアセトアミノフェンが含まれていることも多く、商品名だけではどういった成分が含まれているか判断がつかないこともあります。

様々な薬を服用している場合、知らず知らずのうちに過量服用してしまっている危険性も考えられます。現在飲んでいる薬がある方はお近くの医師や薬剤師に相談すると良いでしょう。

どんな症状のときに服用すべきか

カロナールと他の頭痛薬の比較

タイレノールは頭痛や生理痛、腰痛や神経痛などの痛み、さらに悪寒や発熱時の解熱に効果があります。しかし痛みや発熱の原因となっている病気を治すのではなく、症状を一時的に和らげる対症療法として使われるものです。

症状が改善しない時に漫然と使い続けてはいけません。5〜6回服用しても症状が改善しない場合は病院を受診するか、身近な医師や薬剤師に相談するようにしましょう。

タイレノールAに関するQ&A

Q.何歳から服用できますか?

 A.15歳以上の方から服用できます。

Q.服用できない人はいますか?

 A.今までアセトアミノフェンを服用してアレルギー症状を起こしたことがある方、他の解熱鎮痛薬や風邪薬を飲んでぜんそくを起こしたことがある方の服用はお控えください。

Q.誰でも服用できる?(妊娠中・授乳中も含めて)

 A.下記に当てはまる方はお近くの医師や薬剤師、登録販売者に相談してください。

・現在医師または歯科医師の治療を受けている方

・75歳以上の高齢者の方

・妊娠または妊娠の可能性のある方

・心臓、腎臓、肝臓等に疾患をお持ちの方

・胃潰瘍や十二指腸潰瘍の診断をされたことがある方

なお、アセトアミノフェンは母乳中に出てくる可能性はわずかであり、赤ちゃんへの影響は少ない薬です。授乳中に飲んでも差し支えはありませんが、赤ちゃんの体調変化には十分注意しておきましょう。

Q.飲み忘れたけど、気付いた時に飲んでもいいの?

 A.1日3回までで、服用間隔は4時間程度あけていれば気づいた時に服用してもかまいません。空腹時でも服用できますが、かぜによる悪寒や発熱時にはなるべく空腹時を避けて服用するようにしてください。

Q.家族分備蓄したいけど何個も買っていいの?

 A.適正な使用のために必要と認められる数量(原則1人1個)を超えて購入しようとする場合は、薬剤師や登録販売者が購入理由等を確認した上で販売することとなります。

Q.薬剤師がいないと買えないのかな?

 A.タイレノールは第2類医薬品のため薬剤師だけでなく、登録販売者からでも購入可能です。

Q.ECサイトなどネットで購入することはできる?

 A.インターネットや郵便での購入も可能です。ただし薬剤師や登録販売者が使用者の状況などを確認の上、販売の可否を判断することとなります。

さいごに

タイレノールはアセトアミフェンのみを有効成分とする解熱鎮痛薬であり、胃に負担をかけることなく痛みや熱を抑える効果があります。

その安全性や効果が認められアセトアミノフェンは世界中で使用されています。さらに脳症への影響も少なく、インターネットでも気軽に購入ができるため、自宅の置き薬にしたり、外出が困難な場合でも入手することができるのも良いですね。

しかし市販の風邪薬や解熱鎮痛剤などアセトアミノフェンを含んでいる薬は数多くあるため飲み合わせには注意が必要です。また病気そのものを治す効果はないため、症状が改善しない場合は医師や薬剤師に相談するようにしましょう。

参考資料
郡司 敦子郡司 明彦田村 幸彦平尾 功治町田 光秋田 季子小林 奈緒美藤井 彰:古くて新しい鎮痛薬アセトアミノフェン.歯科薬物療法.28巻,3号,2009年,p109-116

執筆者 / ファクトチェック / 監修者

Author profile

Nobuhiro Nagao

病院薬剤師として6年勤務。主にがん領域を経験。
現在は調剤薬局にて経営者かつ薬剤師として地域の健康サポートに取り組んでいます。
また、webライターとしてOTCやセルフメディケーションについて正しい医療情報を発信し、悩みを解消できる記事作成に励んでいます。

一緒にセルフメディケーションについて知識を増やしていきましょう。

Author profile

Ryo Omura

医療編集プロダクションMEDW 代表
株式会社TENTIAL メディアディレクター、リーガルチェック
理念
・誰にでもわかりやすい医療ヘルスケア情報を発信
・医療職の働き方にも自由度を。リモートワーク環境の構築
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