「シナールEX pro」の効果は?薬剤師が特徴や注意ポイントを紹介

昨今、サプリメントや市販薬でビタミンCが含まれている製品は多数発売されています。今回はその中でもシナールシリーズの新製品である「シナールEX pro顆粒/チュアブル錠」について解説していきます。

「シナールEX pro」の特徴

「シナールEX pro」は2020年8月にシオノギ製薬から発売された第三類医薬品になります。

新発売された「シナールEX pro」ですが、今までの商品と比べてどのような特徴を持っているのか解説していきます。

成人1日最大量2000㎎のビタミンCを配合

純度99%以上の⾼純度のビタミンCが肌の細胞に直接アプローチし、最大限の効果を発揮してくれます。後に記載していますが、ビタミンCは体にとって重要な役割をもっているビタミンです。しかし、水溶性であるためすぐに尿中に排泄されてしまいます。

「シナールEX pro」は1日最大量であるビタミンCを配合しているため、普段の食生活だけでは不足になりがちなビタミンCを補充してくれます。

「顆粒」「チュアブル錠」の2タイプを販売

「顆粒」は口の中でさっと溶けやすく服用しやすいタイプで、「チュアブル錠」は水を必要とはせず、口の中で溶かすか噛み砕いて服用できるタイプの剤型です。どちらの剤型もシュガーフリー、ナトリウムフリーのゆず味となっています。

「シナールEX pro」の成分について

「シナールEX pro」には4つの有効成分が配合されています。それぞれの成分・効果について解説していきます。

ビタミンC(アスコルビン酸)

ビタミンCは抗酸化作用があり、活性酸素を消去して体を保護するとても大切は役割を持っているビタミンの一種です。しみ・そばかすのもとであるメラニン色素の増殖を抑制をすることで美白効果が期待されています。コラーゲンの生成促進、鉄の吸収促進など女性にとっては欠かせない役割をしています。

また、疲れを感じた時、風邪を引いた時にも必要なビタミンです。ビタミンCが不足すると皮下出血を起こしたり、貧血になることがあるので、不足しないよう摂取することが大切です。

パントテン酸カルシウム

パントテン酸カルシウムはビタミンB5と言われているビタミンの一種です。主に糖質・脂質・タンパク質の代謝に関わっており、皮膚を正常に保つために必要なビタミンです。パントテン酸カルシウムが不足すると、疲れやすくなったり、食欲がなくなったり、便秘になったりといった様々な症状が見られます。パントテン酸カルシウムも定期的に摂取する事が必要なビタミンです。

ビタミンB2

体に吸収されたビタミンB2は糖質、たんぱく質、脂質の代謝、エネルギー産生に関与する酸化・還元の働きを補う働きをします。「発育のビタミン」ともいわれ、発育促進に重要な役割を果たすほか、皮膚、髪、爪などの細胞の再生にも関与しています。

牛乳・乳製品、動物性食品、豆類に多く含まれていますが、これらの摂取量が少ない場合ビタミンB2が不足することがあります。ビタミンB2は皮膚や粘膜の機能を正常に保つ働きをしているので、不足すると口内炎・口角炎・舌炎などの症状を起こします。また、エネルギーの消費量が多い人ほどビタミンB2を必要とするので、活動量の多い子どもの場合は不足しないように注意が必要です。

ビタミンE

ビタミンEには強い抗酸化作用があり、生体膜の機能を正常に保つことや、赤血球の溶血の防止、生殖を正常に保つことに関与しています。

​​脂溶性ビタミンであるビタミンEは、脂質とともに体内に吸収されます。抗酸化作用が非常に強く、生体膜を構成する不飽和脂肪酸などを酸化から守る役割をもっています。また、動脈硬化を予防したり、赤血球の破壊を防止する作用もあります。細胞の酸化を防ぐことから老化予防にも効果があります。

「シナールEX pro」の製品について

効能効果

添付文書には下記の通り記載がされています。

1)次の場合のビタミンCの補給

  肉体疲労時、妊娠・授乳期、病中病後の体力低下時、老年期

2)次の諸症状の緩和

  しみ、そばかす、日やけ、かぶれによる色素沈着

3)次の場合の出血予防

  歯ぐきからの出血、鼻血

用法用量

・シナールEX pro顆粒

年齢1回量1日服用回数
成人(15歳から)1〜2包
7歳から14歳まで1包2回
1歳から6歳まで1/2包
1歳満たない服用させないこと

・シナールEX proチュアブル錠

年齢1回量1日服用回数
成人(15歳から)2〜4錠
7歳から14歳まで1〜2錠3回
3歳から6歳まで1錠
3歳満たない服用させないこと

注意情報

用法用量の注意点ですが、顆粒は1歳から服用できるのに対してチュアブル錠は3歳からの服用となっているので注意が必要です。

副作用として吐き気・嘔吐などの消化器症状がでることがあるので、症状がでた方は服用を中止してください。また、1ヶ月服用しても色素沈着や、出血の症状が良くならない場合は医師、薬剤師、歯科医師に相談してください。

薬剤師からのポイント

ベストな服用のタイミングは?

用法は特に記載がありませんので、食前食後気にせず服用可能です。ですが、ビタミンEが脂溶性ビタミンであることから、ビタミンEの吸収をよくするためにも食後服用の方が効果は高く出ると考えられます。

併用注意の医薬品はある?

併用してはいけない医薬品はありませんが、ビタミンEには耐用上限量がありますので、他のビタミンE製剤を服用する際には上限を超えていないか確認が必要です。定期的に服用している薬がある方は、医師・薬剤師に相談し、その判断のもとで服用するか検討してください。

服用してはいけない人は?

用法用量にも記載した通り、顆粒は1歳に満たない人、チュアブル錠は3歳に満たない人は服用しないこととなっています。また、服用してはいけないわけではないですが、健康診断などを受ける際に尿検査や検便などの検査値に影響を及ぼすことがありますので、前もって服用していることを申告するようにしてください。

ビタミンCはたくさん摂取してもいいの?

以前まではビタミンCの摂取に上限はないとされていましたが、毎日数グラムの摂取で腎臓でシュウ酸結石が起こった事例が報告されており、シュウ酸結石で腎臓に損傷を与えてしまうことがあります。このような副作用を防ぐためにも、用法用量を守って服用してください。

医療用医薬品のシナールとの違いは?

医療用医薬品のシナール配合顆粒/配合錠にはビタミンCとパントテン酸カルシウムの2種類しか配合されていませんが、シナールEX proはそれに加えてビタミンB2とビタミンEの4種類が配合されています。その点では医療用医薬品より多くのビタミンが摂取できるので優秀と言えます。また、病院を受診しないと入手できないシナール配合顆粒/配合錠に対して、シナールEX proはドラッグストアで購入できるので、手軽に手に入りやすいのも良いところといえます。

小児への飲ませ方と注意点

シナールEX pro顆粒は非常に溶けやすいので、オレンジジュースなどに混ぜてあげるとお子さんでも飲みやすいかと思います。また、チュアブルタイプを服用させる場合は、そのまま飲み込んでしまうとのどに引っかかり呼吸ができなくなることがありますので、保護者の方はお子さんが噛み砕いているかしっかり確認するようにしてください。

まとめ

シナールEX proにはビタミンCを含む体の成長や健康、美容に大切な4つのビタミンが配合されています。食事からの摂取も大事ですが、消費が激しく不足しがちなビタミンを補給し、健康維持をしていくためにも市販薬に頼るのもいいことだと思います。

服用する場合は、用法用量を守って適正な使用をしましょう。

 

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参考文献:
ビタミンC剤ならシナールEX pro【第3類医薬品】|シオノギヘルスケア
ビタミンB2の働きと1日の摂取量 |健康長寿ネット
パントテン酸の働きと1日の摂取量 | 健康長寿ネット
ビタミンEの働きと1日の摂取量 | 健康長寿ネット
・「健康食品」の安全性・有効性情報|国立健康・栄養研究所

執筆者 / ファクトチェック / 監修者

Author profile
Ayano Iha

Ayano Iha

薬剤師

総合病院で4年、保険薬局で3年勤務。がん治療期~緩和ケア領域、小児科、耳鼻科、透析、心療内科を経験。現在はフリーランスとして猫3匹とのんびり生活しています。
症状に適したお薬選びができるよう、読者の皆様の手助けができればと思います。

Author profile

Yosuke Fukuoka

薬剤師

【薬剤師】ドラッグストア薬剤師を4年間経験。その後、本社教育部門にて市販薬セミナーの講師を務める。広告やパッケージに惑わされないお薬選びのコツを「わかりやすく」伝えられるよう、日々の執筆を行っています。

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Ryo Omura

薬剤師 
 

医療編集プロダクションMEDW 代表
株式会社TENTIAL メディアディレクター、リーガルチェック
理念
・誰にでもわかりやすい医療ヘルスケア情報を発信
・医療職の働き方にも自由度を。リモートワーク環境の構築
メディアから医療を変える「デジタルチーム医療」を中心に活動。
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