気温もぐっと下がり、いよいよ冬の季節が近づいてきました。お肌の乾燥が気になり始めた方も多いのではないでしょうか?特に女性は、頑張って水仕事を終えた後の『手のガサつき』やお風呂上がりに気づいてしまった『スネのカサカサ』『かかとのガサガサ』など冬の乾燥悩みは女性には切ってもきれない悩みの1つです。
そんな冬の肌トラブルを1本のクリームで解決!今回はお肌をみずみずしく、なめらかに保つ尿素配合の医薬品『ケラチナミン20』について、成分の特徴や、使用する上でのポイントについて解説していきます。
ケラチナミンとは?
ケラチナミンとは1991年に興和株式會社から日本で初めて発売された医療用と同濃度尿素20%を配合した医薬品です。配合されている『尿素』が、角質層水分保持作用や角質軟化作用によって肌の潤いとなめらかさを保つ働きが特徴です。
つまり、気温の低下や強い乾燥によって起こるお肌の『乾燥』や『ガサつき』を改善する商品です。
どんな症状に使える?
ケラチナミンは手指のあれ、ひじ・ひざ・かかと・くるぶしの角化症、老人の乾皮症、さめ肌に効果があります。
角化症とは
角化症は皮膚の角質層(皮膚の一番外側の部分)が『厚くなる』『かたくなる』疾患です。多くの病気の中でも皮膚が硬くなる病気の総称として角化症と呼びます。原因は遺伝的なものと外部の刺激によるものに大きく別れます。特に女性がイメージしやすいのが『かかと』の角化症で、かかとがカチカチに厚く・硬くなります。
さめ肌とは
さめ肌は皮膚の毛穴に『ブツブツ』とした発疹ができる疾患で主に二の腕にできるのが特徴です。正式のは毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)と呼ばれ、発疹は触ると『ザラザラ』とした感触ですが、痛みなどの自覚症状を伴うことはまずありません。二の腕以外に太もも、肩、背中、おしりにできることもあります。
製品の特徴
ケラチナミンには『尿素』が20%配合されており、主にお肌にうるおいとなめらかさを与える目的で配合されてます。
尿素配合の保湿クリームでは尿素濃度が『10%』と『20%』のタイプに大きく分かれており、一般的には20%タイプの方がよりお肌をやわらかく、なめらかに保つことができます。
また尿素には大きく2つの働きがあります。
尿素の働き
角質層水分保持作用
難しく聞こえるかもしれませんが、簡単に言うと保湿作用です。尿素には角質の水分をしっかりとつかまえて、お肌の乾燥を防ぐ働きがあります。そのため、お肌に尿素を塗ることで、お肌をみずみずしい状態に保つことができます。
角質軟化作用
ケラチナミンに配合している尿素で意外と知られていないもう1つの働きが角質軟化作用です。効能効果にある『角化症』とは皮膚の角質層が硬く厚くなり、お肌がガサつく状態です。尿素にはお肌の余分な角質を取り除き、お肌をやわらかく、なめらかにする働きがあります。
薬剤師からのポイント
うるおいを保つ+肌をやわらかく、なめらかにしたい方に向いている
尿素の働きに、角質層水分保持作用と角質軟化作用があります。そのため、冬場のお肌の乾燥だけでなく、『ひじ』『ひざ』『かかと』の硬くなったお肌や『ガサつき』を改善したい方にも向いている商品です。
ケラチナミンに関するQ&A
Q.何歳から使用できますか?
A.15歳以上の方から使用できます
Q.使用できない部位はありますか?
A.以下の部位には使用できません。
- 目のまわり、粘膜等
- 引っかき傷等のきずぐち、亀裂(ひび割れ)部位
- かさぶたの様に皮膚がはがれているところ
- 炎症部位(ただれ・赤くはれているところ)
また、以下の人は使用前に医師、薬剤師、登録販売者に相談しましょう。
- 医師の治療を受けている人
- 薬などによりアレルギー症状を起こしたことがある人
Q.顔には使用できますか?
A.メーカーにも問い合わせたところ、顔面への使用はできません。
Q.妊娠中・授乳中でも使用できますか?
A.使用できます
Q.1日何回塗ればいいの?
A.お肌の症状が気になる時に、1日数回、適量を患部に塗ってください。
Q.かゆみには効きますか?
A.かゆみ止め成分は配合されていません。かゆみもケアしたい場合は『ケラチナミンコーワ乾燥かゆみクリーム20』『ケラチナミンコーワ乳状液10』『ケラチナミンコーワ乳状液20』がおすすめです。
Q.ステロイドは入っていますか?
A.ステロイドは配合されていません
Q.薬剤師がいないと買えない?
A.購入可能です
ケラチナミンは第3類医薬品です。薬剤師が不在でも、登録販売者のいるドラッグストアなどで購入できます。
Q.ECサイトなどネットで購入することはできる?
A.インターネットなどの通販サイトでの購入が可能です。
さいごに
ケラチナミンは尿素20%配合で、『お肌の乾燥』『お肌のガサつき』を改善できる商品です。そのため、冬場のお肌の乾燥だけでなく、ガサついたお肌をなめらかにしたい方に最適です。ただし、尿素20%配合商品は人によって刺激感(ピリピリ感)を感じる場合もあるので、その時は使用を中止して、低濃度の尿素10%を試してみてください。
参考資料
・「角化症」の原因・症状を解説|ロート製薬
執筆者 / ファクトチェック / 監修者
Yosuke Fukuoka
【薬剤師】ドラッグストア薬剤師を4年間経験。その後、本社教育部門にて市販薬セミナーの講師を務める。広告やパッケージに惑わされないお薬選びのコツを「わかりやすく」伝えられるよう、日々の執筆を行っています。