市販の風邪薬を買う前に!選ぶときのポイント3つを薬剤師が解説

ほとんどの方が体の調子が悪くなった際、薬局やドラッグストアなどで風邪薬を購入すると思います。その時どんなことに注目してお薬を選んでいますか?

この記事では、市販の風邪薬に着目し風邪薬の分類から購入する際の注意点まで薬剤師が詳しく解説します。お薬を買う前にチェックしてみましょう。

薬剤師から3つのポイント

皆さんは市販の風邪薬を購入する際にどのようなことに注意して購入していますか?

病院にて医師からの診察を受けてから処方される医療用医薬品とは異なり、市販薬を購入する際にはご自身で使用するお薬を選ぶことになります。

薬局やドラッグストアなどで風邪薬を購入する際は次の点に着目してお薬を選んでみてください。

風邪薬は特に「ツライ」症状に合わせて選ぶ

現在市販されている風邪薬には、風邪のさまざまな症状の中でも、「発熱」「のどの痛み」「鼻水」「せき」のように、特にツライ症状に合わせて作られた風邪薬が発売されています。

お薬によって配合されている有効成分や成分量が異なるため、症状に合った風邪薬を選択することが重要です。

ほとんどの風邪薬には「眠くなりやすい成分」が配合

風邪薬の中には「抗ヒスタミン成分」や「解熱鎮痛剤の効果を高める成分」など「眠くなりやすい成分」が配合されているものがあります。

それらの成分は鼻水を抑えたり、薬の効果を高めるために配合されていますが、運転中や勉強中など状況によって眠くなっては困るという方もいらっしゃると思います。

眠くなりにくいお薬をお探しの方は、眠くなる成分が含まれていない市販薬を探していただくことをおすすめします。眠くなる成分が配合されていない市販薬の多くはパッケージや説明文書に眠くなる成分が配合されていないことが記載されています。

風邪薬でも服用に注意が必要な人がいる

ただの風邪薬と言っても服用にあたって注意が必要な方がいます。

代表的な方としては以下の通りです。

・薬の服用によって副作用が現れたことのある方
・15歳未満の小児
・妊娠中または授乳中の方
・治療中の疾患がある方
・かぜ薬、解熱鎮痛薬を服用して喘息を起こしたことがある人

上記に該当する方のみならず、お薬の服用にあたってはお薬に付属している説明文書をよく読み正しく使用してください。

風邪薬とは

皆さんは風邪といわれてどのような症状を思い浮かべますか?

かぜとは一般的に「発熱」「のどの痛み」「鼻水」「せき」など体に起こるさまざまな不調を指します。市販の風邪薬にはそれらの症状を1つのお薬で抑える働きがあり、別名「総合感冒薬」「総合かぜ薬」とも呼ばれます。

現在市販されている風邪薬の多くは、複数の有効成分が配合されているため、1つのお薬でさまざまな症状に効果を発揮します。

症状に特化した商品も豊富

風邪薬の多くは複数の症状に対して使用可能です。一方で「発熱」「痛み」「鼻水」「せき」といった、風邪のさまざまな症状の中でも特にツライ症状に特化した商品も豊富に存在しています。

ご自身が今現在ツライと思う症状に対して効果のあるお薬を選択することが重要です。

主な副作用

市販の風邪薬にも副作用は存在します。

代表的な副作用は次の通りです。

・皮膚:発疹/発赤、かゆみ
・消化器:吐き気/嘔吐、食欲不振、胃部不快感
・精神神経系:眠気、しびれ、めまい
・その他:倦怠感

これらの副作用は必ず現れるというものではありませんが、お薬のことをしっかりと理解しておくことはとても大切です。

風邪薬はなぜ眠くなるのか

風邪薬の副作用として皆さんも聞いたことのある眠気。どうして風邪薬を服用すると眠くなるのでしょうか。

眠気の原因にはさまざまな要因が考えられますが、「抗ヒスタミン成分」と呼ばれる成分が眠気を引き起こすことがあります。

多くの「抗ヒスタミン成分」はくしゃみや鼻水などの症状を抑える「主作用」を有している一方で、眠気という「副作用」も有しています。

すべての「抗ヒスタミン成分」が眠気を引き起こすわけではありませんが、眠くないお薬を購入したい方は、「抗ヒスタミン成分」が配合されていないお薬を選ぶことをおすすめします。

風邪薬でおさえておくべき3つのこと

風邪薬を購入する際には次の3つのことに注目してください。

風邪薬を購入する「目的」は?

風邪薬は購入する目的によって選ぶことをおすすめします。

常備薬として購入する際にはさまざまな症状に効果のある風邪薬を購入することをおすすめします。一方で、今ツライ症状に対処したい場合には特定の症状に特化した風邪薬を購入すると良いでしょう。

服用する人は「誰」なの?

服用する人によって購入する風邪薬を選ぶことはとても大切です。

なぜなら、お薬によっては服用できない方がいるためです。

先ほど説明した通り、小児や妊婦、現在治療中の疾患がある方はお薬を服用できない場合があります。また年齢によっては、服用できない風邪薬もあります。

お薬に付属している説明文書にも服用に適さない方が明示されていますが、わかりにくい場合には、かかりつけの医師や薬剤師に相談することをおすすめします。

価格が高い=効き目が高いというわけではない

値段が高いからと言って効き目が高いというわけではないことに注意してください。

値段の高い風邪薬はかぜの諸症状の中でも特にツライ症状に特化したものが多く、有効成分の効果が高いものが多い傾向にあります。しかし値段が高い風邪薬でも、そのお薬が自分のツライ症状に合う風邪薬でなければ意味がありません。「のどの痛みが1番ツライ」のに、鼻水に特化した風邪薬を購入してしまっては、高い効き目を期待するのは難しいですよね。購入の際はご自身のツライ症状に合わせてお薬を選択することが大切です。

まとめ

今回は市販の風邪薬について、購入する際のポイントなどを解説しました。

発熱や鼻水などの風邪症状は身体的にだけでなく心理的にも負担になることがあります。ツライ症状を我慢せずお薬を服用することも選択肢の一つになるのではないでしょうか。

お薬のことをよく理解し、正しくお使いください。

 

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風邪薬で眠たくなる理由

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参考資料
・MSD マニュアル家庭版-かぜ (感冒)
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0/16-%E6%84%9F%E6%9F%93%E7%97%87/%E5%91%BC%E5%90%B8%E5%99%A8%E7%B3%BB%E3%82%A6%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%B9/%E3%81%8B%E3%81%9C-%E6%84%9F%E5%86%92 

・添付文書-ブロモバレリル尿素
https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00062707 

執筆者 / ファクトチェック / 監修者

Author profile

Nobuhiro Nagao

病院薬剤師として6年勤務。主にがん領域を経験。
現在は調剤薬局にて経営者かつ薬剤師として地域の健康サポートに取り組んでいます。
また、webライターとしてOTCやセルフメディケーションについて正しい医療情報を発信し、悩みを解消できる記事作成に励んでいます。

一緒にセルフメディケーションについて知識を増やしていきましょう。

Author profile

Yosuke Fukuoka

薬剤師

【薬剤師】ドラッグストア薬剤師を4年間経験。その後、本社教育部門にて市販薬セミナーの講師を務める。広告やパッケージに惑わされないお薬選びのコツを「わかりやすく」伝えられるよう、日々の執筆を行っています。

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